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テツコ…じゃなくてテツの部屋

「テツー、生きてるかー?」


アイが帰った後のテツの部屋。

ルチアがやってくる。


「挨拶がおかしいって…」

「キィに食い殺されてないか心配だったから」

「ええぇ…」


キィはキャリーバッグの中で眠っている。


「じゃ、連れて帰るから」


ルチアはキャリーバッグを持ち上げようとする。


「待ってよー」

「あ?まだ飼ってくれるの?」

「いや…それは遠慮するけど…」


彼女の服の裾をテツは引く。


「もうちょい居てもいいじゃん」

「もうちょい居なくてもいいだろ」

「あー!もう!」


テツは彼女を押し倒した。


「…お前なあ…」


ルチアは呆れる。


「…今何股してんの?」

「えー?6人くらい?」

「はぁ」


聞いた自分がバカだったと言わんばかりに大袈裟に息を吐く。


「ならその彼女さん達と遊べばいいだろ?」

「今はるちるちの気分なの。あ、ちなみにるちるちも頭数に入ってるから」

「なんでだよ!」


テツはもうぐだぐだするのが億劫になってくる。

ルチアの首筋に口をつけ、舌先でなぞる。

彼女の身体が僅かに跳ねる。


「ちょ…やめろ…っ…」

「るちるちって意外に可愛い声出しちゃうんだねー」


彼女は両手で口元を抑え、それに堪える。


「お前…女だったら誰でもいいのかよ…っ…」

「可愛い子なら誰でもいいかなー」

「…」


テツの頬に華奢な手が伸びる。


「嘘つくなよ」


彼の動きが止まる。


「…るちるちって…前と変わったね」

「え…?」

「前はそんなにハッキリ言う子じゃなかった気がする」

「…」


ルチアは目を伏せる。そんな悲しそうな顔も昔は見せようとはしなかった。


「…ごめん、黒」

「んっ…!」


テツの口がルチアに降りてくる。塞がれた口からルチアのくぐもった声が聞こえる。


「…おい」


玄関から呼びかける声。


「あ、黒ちゃん」


黒が入って来る。テツはルチアを抱き起こす。


「黒…」

「雨降り出したから迎えに来た。どうせ歩いて来たんだろ」


ルチアを促して立ち上がらせると、キャリーバッグを持ち上げる。キィが少し驚いたようだった。


「帰るの?またねー」

「もう来ねえよ…」




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