思いの交錯
デカい、でかいドラゴンだったよ。
全長約15m、高さ5mの怪獣だ。
俺がそれを見たとき、様々な感情が突き抜けていった。
恐怖、興奮、喜び。
「いいぜ、やってやるよ。」
俺がそういった瞬間、その地面は粉砕されてしまうが、直前に自分はワープでやつの真後ろに回り込んでいる。
「とったっ!!」
俺は即座にあらん限りの魔法をブチ込んだがやつはまるでものともしない様子でそれらを受け切る。
「へっ………上等だぁ、ぶっ倒してやるっ!」
俺は身体強化をフルにかける。
ダラダラ生活でなまった体はもはや存在しない、俺の本来の戦闘スタイルはワープと素早さによる敵の翻弄だ。
やつはブレスでここら一帯を焼き払うが俺はそれを避けていく。
それぞれの、技量、力、精神、それらが全力でその時ぶつかっていた。
受ける受けるかわすかわす、そうして近づいた俺をやつの振り下ろす腕は捉える。
その腕は、地面から生えた土の腕に止められる。
「魔法使いだって、力押しは出来るんだよっ…………!!!」
俺はそう言ってその腕をより強固なものにしていく、腕はドンドン太くなっていく。
だが、ドラゴンの力とは、それでも五分五分。
それを見た俺は、ここで切り札を使う。
「ギガウォーター・カッターッ!!!」
極太の水のレーザーが、ドラゴンの胴体を捉えた。
それはドラゴンの表皮と拮抗し………やがて、貫いた。
「………っ!!これで死なないかっ。」
どでかい穴を開けられながら、それでもなお立っている。
「流石にこのクラスの竜だ、このくらいじゃ死なないか………。」
いや、瀕死の重体なのは間違いない、だが、それでもやつは負けたくないという思いのみがその巨体を倒させずにいるのだ。
俺はそのとき、ある男の姿を思い浮かべる、やつは瀕死の重体になったときだけ本気をだし、ボロボロの体に傷を増やして帰ってくる、まさにこいつのようだ。
「元気にしてるかなぁ………うおっ!!」
俺はやつの振ったしっぽを回避する。
やつがしたことはそれだけではない、動いたせいで血が吹き出るのも構わずにブレスをまた吐き出す。
「………穴あけられて、苦しくないわけが無いだろうに、いいぜ、これで終わりだっ!!」
そう言うと俺はある魔法を出す。
上級魔法最高レベル、ドラゴンクラス。
そう、きしくも俺が出した魔法は、ドラゴンの名前を持ち、ドラゴンを模した最強魔法である。
「ドラゴン・ファイヤクロウ!!」
やつに勝るとも劣らぬ炎の竜が、やつを飲み込んでいく………。
「………これで、俺もドラゴン・スレイヤーってわけかい………そろそろ、やつと再戦してもいい頃か。」
俺は、すべてが終わったあと、リューゼが今どうしているのか、そのことを考えた。
「………ここが学園?」
「そうです、ここであなた方は様々な事を学んでもらいます。」
「………うちの学校よりでかいな。」
「あなた方の学校がどんなものかは知りませんが、なにせ世界中から生徒はやってきているのでね、さぁ、ついてきてください。」
僕達はゲレッタさんの後ろをついていくと、校庭で戦っている人間が見える。
「あれなんですか?」
「模擬戦ですね、ここでは三度の飯より試合ですから。」
魔法、それも自分たちがつくった蝋燭の火みたいなものとは何もかも違う、巨大な火の玉や、水の玉を撃ち合っている。
「………私達も、ここで学べばあんなものが撃てるようになるのですか?」
「まぁね。」
「魔法ね………がぜんやる気が湧いて来るってもんさ。」
そういって和也がわらうと浩二や恵美もそれぞれ同意する。
「さぁ、こちらが貴方達の先生を務めさせていただくリューゼ先生になります。」
「え………エルフさんですか………イケメンすぎでしょ。」
「ヤバイな、あの人。」
「うちのマドンナ持ってかれるぞ。」
恵美が衝撃を受けるのも仕方がない、下手なアイドルよりもよほどイケメンな人間がここにいるからだ。
「私がリューゼだ、これから君達に魔法を教えることになる、よろしく。」
「よ………よろしくお願いします。」
「授業は明日から始めます、彼らはどこにとまるんですか。」
「ご心配なく、すでに学園の寮をとっております、彼らにはあそこで生活することになるかと。」
「………。」
そう言って神聖帝国の魔法大臣は去っていく。
「魔導院の最高責任者がなんだって動いているんだ………?」
私は超大物の登場に内心ビクビクしながら彼らと話していたが、無事に終わって心の底から良かったと思えた。
「………というか、あの4人。」
私は、彼らを見て気づいたことがある。
「コーイチに似ている………?」




