突然の入学
「じゃあ、この下宿でよる合流ね、自分はこれから総本部に行くから。」
「分かった。」
そう言うとサンティシナは去っていく。
「………ギルドに行くのもいいが、なんかあいつについてくの嫌だな………よし、じゃあ観光でもしていきますか。」
俺は各地を旅する中で、だんだんいろいろな場所を見て回るのが趣味になっていった。
聖都にもなれば、見るものはいくらでもあるだろう、俺はあるき始める………。
「これが宮殿か、凄まじいな。」
俺がまず行ったのは宮殿である、ここはただの皇帝の住まいではなく、帝国のすべての行政機関が詰まっている場所でもある。
その広さは小さな都市に匹敵するレベルで、あちこちに荘厳な装飾が施されている。
「すっごいなぁ………。」
俺はそう言いながら入り口の方に歩いていくと、警備している騎士に出会う。
「………強い。」
そう俺はひと目見ただけで確信する、こいつらはBじゃ済まない、Aランクの域に到達している人間だ。
見たところ、ここにいる衛兵全員がAクラスで、Bクラスの人間すら一人もいない。
「これが神聖帝国の力ってわけか………。」
俺はAランクの人間をポンポン揃えていることに驚愕した。
「サーラさんっ!!」
「来たわね、サンティシナ、さぁ、今日は歓迎会程度でおわすけど、次の日からバリバリ働いてもらうわよ。」
「えぇ〜、来て早々に〜?」
「………ここに来てそんなゆるく働けるとは思わないほうがいいわ。」
「どういうことですか?」
「見たままよ、受付嬢だけじゃなく、専用の事務員まで雇っててんてこ舞いだから、今までよりずっとハードな仕事になるわよ。」
「………確かに、というか凄いですね、どこの机も資料やらなにやらでいっぱいで、みんなキビキビ動いて、うちのギルドだったらみんなダラダラ喋りながらおじいちゃんがクッキー食べるみたいにゆっくりやってるのに。」
「そうね、私も休む暇ないのよ………。」
私はそういってギルド内を歩いていくとみんな忙しそうにしながらもおはようとか、はじめましてとか、明日からお願いねとか言いながら去っていく。
私はこんな中でも余裕を持っている彼女らを見て一言、
「………みんな優しくて、明るい。」
そうつぶやいた。
「校長、およびでしょうか。」
「座りなさい、話がある。」
そう鋭い目で見つめながら校長は話す。
この目で見つめられると、みんな背筋を思わず伸ばしてしまう。
「君には別に、生徒を4人教えることになったのは知ってるな。」
「はい、他の先生もざわめいていましたが、それが何か。」
「………詳細はわからない、だが彼らの入学の際に、国の人間が関わっているのだ。」
「………!貴族などならわかります、しかし国ですか!?」
「あぁ、そうだ、奴らがどんな人間かは聞いていないが、最悪皇族の人間、ということも考えられる、留意してくれ。」
「はっ………。」
「ほう、そんなめんどい奴らがやってくるのか。」
「めんどい言ったら駄目ですよ、皇族かどうかは知りませんがそうとう上の人間なのは間違いないんですから。」
「めんどいものはめんどい、他の学生と扱いを変えるなんてめんどくさいとは思わないか?だいたい、そいつらの名前覚えるのも大変だし………。」
「師匠ほとんど授業で教えてませんよね、最初はSランク冒険者が来てくれたってみんな
喜んでいたのに、数カ月で冒険者証偽造疑惑が出てるくらいですからね。」
「あの地味に古代文明技術を使った冒険者証が偽造できたらそれだけでSランクじゃろうが………まあいい。」
そういって紙にひたすら魔法式を書き綴る師匠をみながら自分も席に座って作業を始める。
「………なんだかんだ師匠の補助がなければこの短期間で完成させることは不可能だった、この魔法が完成すれば、あらゆる敵を一撃で粉砕する最強の技になる………。」
そうつぶやきながら私は一刻を惜しんで魔法式を書き続けるのだった………。
夜、扉をゴンゴン叩くやつがいた。
出てみればそこにはげっそりとしたサンティシナが立っている。
「………。」
「………あぁ、その、あれだ………帰り、遅かったじゃないか、いやぁ、自分も待ってたんだけどな、こんな遅くまで外で立ってられなくてな………はは………。」
「………………なんか、食べるもの。」
「へっ?」
「食べるもの、ない?」
「………あぁ、まああるけどさ。」
「はぁ………疲れた、初日でこれじゃ先が思いやられるわね。」
「そんなだったのか………まぁいい、これが観光のお土産だよ。」
そう言うと俺はいくつか食べ物を出していく、夜食べようかと思っていた弁当やらサンドイッチやらがテーブルを占領する。
「………うん、美味しい。」
「そ、そうか。」
なんだか、負のオーラが半端ない感じだが、大丈夫だろうか………。
「………はい、もう食べ終わったから、自分の部屋に戻るわ。」
「あぁ………。」
大丈夫だろうかアレ………。




