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敗退する仲間達

三人称視点


「奴め、無茶しおって………!!」


スリューシャは上空から魔法の弾幕をすり抜けていく。

彼女をしていまのやつの魔法をいちいち真っ向から受けることは許されない、総てを最小限の消費でよけて行かねば倒すことは難しい。


スリューシャは飛行速度を本気でだしていく、今やその速度は700を超え、時速1000kmほどになる、それだけなら飛行機でもいくらでも出せる、違うのは彼女はその速度で直角で真横に移動したりしていることだ、もはやちょっとした瞬間移動である。


「フンッ!!フンヌッ!!」

 

スリューシャはいくつか避けられない魔法を散らしてついに肉薄する。


「はぁぁぁぁっ!!!」


そこまできてスリューシャはついに最上位魔法を抜き放つ


「『サン・フレア』ッ!!!」


超巨大な火球は、すぐに圧縮され、圧縮され、圧縮され、ついにボールほどになる。


だが、その熱量、エネルギーは太陽にも匹敵する。


「くらえぇぇぇぇ!!!!」


それが直撃した瞬間、閃光は隣町まで見えたと言われる。


凄まじい熱エネルギーの暴力がやつを襲う。


それは生えていたドラゴンの首や、ゴブリンの足がいくつか融解させていく。


「………しぶといやつじゃ………。」


煙が晴れたとき、スリューシャは満身創痍であった、その熱エネルギーは撃ち出した本人すらも焼いてしまったのだ。


異形の怪物、その胸の部分についている少年が、不思議そうに首を傾げる。


「あぁ、そうじゃよ、これが私じゃ。」


片腕は引きちぎれ、肌は焼けただれている、だが、そこから血が出ることはない、彼女に血など通っていない。


「そうじゃ、これが私じゃ、機械でできた体に残されたか細い生命の息吹、それが私のすべてじゃ………!!」


スリューシャの異常な長命、それは、体のサイボーグ化でもたらされていたのだ。


彼女は機械だ、腕が千切れようと動くのをやめることはない。


ギガ系統の魔法を撃ち出しながらスリューシャはやつの体から生えてくる腕や足と格闘する。


「ぐっ、ぉぉぉぉおおおおおお!!!」


スリューシャがついに伸びてきた腕に掴まれ、地面に叩きつけられそうになる寸前、水で出来た竜が飛び出し、異形の怪物に喰らいつこうとした。


それは突如展開されたシールドでガードされ、激しい攻防を繰り広げる。


そして、ついに水の竜は撃ち負けた。



コーイチ


「………なんて、ことだ………。」


俺はそう、呟くしかできなかった。


最初にやられたのはギセルさんとリューゼさん、そしてクルードさん。


次に、Sランク冒険者のスリューシャさん。


みんな、みんな負けてしまった。


「………ちく、しょう。」


俺は、そうつぶやくことしかしなかった。


怒りはなかった、反抗できなかった、やつの力に俺の心は始まる前にへし折られた。


俺は、自分の心の弱さを沈む感情の中で呪う。


なぜ、やつを憎むことは出来ないのだろう、なぜ、反抗する心が一辺も芽生えることがないのだろう。


その時だった。


やつが周囲にさんざばら撒いていた魔法が突如やみ、4つの巨大な、魔法でできた竜が出現する。


それは地に伏せるリューゼさん、ギセルさん、スリューシャさん、クルードさんに向かっていきー



「やめろぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


俺は走り出しながら、回復した魔力でメガファイヤを撃ち出す。


それはやつの表皮をかすかにやくが、まるできかない。


それを見ながら俺は走りながらクロスボウを装填して、一発、二発。


そして、俺はたどり着き、斬りかかった。


キンッ、そんな音とともに俺の剣は弾かれる。


「くそぉっ………!!!」


俺はやつを見上げる。


少年の目を。


その目は、軽蔑などしていなかった。


ただ、不思議そうにしていた。


なぜ、自分を襲うのかと。


俺に影がかかった。


やつが腕の一本を降り出し、下ろす。


「………くそぉ………!!!」


俺は、もはや抵抗はできなかった。

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