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圧倒

「………まさかっ、いや、馬鹿な………!!」

「スリューシャさん?」

「いいか、よく聞け、私の考えが正しいのなら、奴は………っ!!?」


スリューシャさんは飛び上がり、クルードさんの姿は掻き消え、残された奴らはギセルさんがワープ魔法で退避させる、なんだか俺とリューゼさんはともかくカーラスは掴む手が無いせいで足を踏んづけた上でのワープだったが………。


「全く、集団ワープは本来おまえ達が俺の体に触れた状態でやるもんだっ、次からはセルフだからなっ!!」


そうギセルさんが愚痴ったのはおいといて、俺達がいた場所は………正直この下りは最初の方でもやったが、あれとはまるで被害の規模が違う。


「なんだあれ………。」


俺は、それを見上げていた。


巨大な


巨大な


キノコ雲。


「最上位魔法か………何だかは俺も知らんが。」

「あんな威力の魔法が、存在するんですか………!!?」

「師匠ならできるかも知れないが、それ以外じゃまずだれも使えないな。」

「これ………やばいですよね、クラーストキア。」


やつがこちらを見つけたようで、極太のビームを放ってくる。


それは俺達が立っていた建物を壊し、はるか遠方の山に直撃する。


「早いとこ、やつを止めないととんでもない事になるぞぉ!!」


ギセルさんは落ちながらそう叫ぶ。



見れば、何個もの魔法が構築されていくのが見えた。


「………メガ、いや、ギガクラスかよ……!」


俺は呼吸を整える、魔力は呼吸で空気中から吸収することで回復する、だから呼吸の仕方次第で回復量が2倍近くになる、そうしてわずかながら回復させた魔力で俺は身体強化を使って、建物を盾にしながら奴に近づくことを試みる。


「………っ!!」


次の瞬間には建物が壊れ、その先から魔法が飛び出していく。


「くそぉっ!!!」


魔法がでかすぎて上に逃げることも、左右に逃げることもできない。


だが、まだやりようはある。


「下だぁっ!!」


俺は土魔法で地面を変形させ、1秒もいかないうちに穴を掘って隠れる。


魔法は炎魔法だったので、至近距離を一瞬

通るだけでも熱量で死にそうだ。


だが、それをなんとか凌ぐと、俺は穴からぴょこんと顔を出す。


そこには無残にも大穴を開けられた建物が何個もあり、その先にはやつの異形という異形を極めたその体が見える。


「くっ、駄目だ、この魔力量で近づける相手じゃない………。」


そんな俺の上をスリューシャさんが通っていく。



スリューシャ視点


「まさか、あんな化物を本気で作る輩が存在するとは、のぉ………。」


元々引っかかるところはあった、高位のスライムならばほかの魔物に化けたりするやつがいなくもないが、やつはスライムの類には見えなかった。


それでも、なんとかスライムだと思いこんでいたが、いまの変形でそうではないと、ついに私は革新を持った。


奴はほかの魔物のものまねをしているのではない、数多の本体、その姿をとっかえひっかえしていただけじゃ。


「生物融合による魔力量上限の突破………そして、そんな事をやる人間を私は一人しか知らぬ。」


馬鹿なことをしたものじゃ、そう私は呟かざるおえんかった。



三人称視点


「行くぜぇ、リューゼッ!!」

「ああっ、そうだなギセルッ!!」


二人は走り出し、異形を目指す。


魔法が凄まじい弾幕を放っているが、リューゼとギセルの歩みを止めることは出来ない。


だが。


「くそっ!!?」


ギセルが突然転び、足には鎖が絡まっていた。


「ギガントロックチェーン………!!」

「おいおい、リューゼッ、またてめえかっ。」


そうギセルは冗談を言いながら助けてくれ、と言ってくる、それを見たリューゼが慌てて駆け寄る。


「くそっ、自分の魔法に手こずることになるとは思わなかったっ!!」 


リューゼは地面から伸びる鎖をシールドで防ぎながらギセルに近づく。


「………なっ、リューゼにげろっ!!」

「!!!」


見ればやつの力で今にもまるで竜のような形をした巨大な火球が構築されていく。


「いっそげ、いっそげ。」

「分かってるわっ!!」


そうリューゼも丁寧口調が崩れるくらいには

焦っている、鎖をなんとか解こうとするがはずしようがない。


「カッッ!!」


次の瞬間には鎖はあっという間に千切られている。


「クルードさんっ!!」

「さあっ、ギセルさんっ!!」


クルードとリューゼはギセルの肩を掴み、次の瞬間には掻き消えて、何もいなくなった空間に魔法が通過していく。



「魔力はあとどんぐらいよ。」

「メガカオス・アドルビュートが一発分、そっちもか。」

「そうなるな。」

「ここから先はワープ魔法一つ使えませんな、私が援護しますから、あなた達は自分の最高火力を叩き出してください。」

「「りょーかいっ!!」」


そう言って三人は駆け出していく。


魔法が飛び交うが、クルードが鎖でそれを片端から打ち消していく。


ギガントロックチェーンは避けていく。


「あとっ、少しなんだっ………!!」


ついに奴らは魔法の弾幕をすり抜け、やつに肉薄した。


「「メガカオス・アドルビュート!!」」


メガ魔法を全属性4つ総て束ねた、二人の持つ最強クラスの魔法。


それが2つ、向かっていく。


「「いっけぇぇぇぇっ!!!」」


それは直撃した、はずだった。


「………!!しまったぁ!!」


異形の体から腕が生え、その先にも生え、あっという間に伸びてきたそれはギセルとリューゼ、クルードを捉える。


それは地面が直径5mにもなるクレーターをつくり、三人を吹き飛ばす。


ギセルのみかろうじて魔物の姿を捉えていた、そこで見たのは、無傷で立っているやつの姿だったのである………。


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