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危急

「なるほど、つまり君のパーティである『ブロークン』は正体不明のとんでもない魔物に倒されたと言いたいんだな。」

「あぁ………。」

ここはギルドの一室、ギルドマスターの執務室である。

そこで机をはさんで話し合う二人の男がいた。

一人はギルドマスター、一人はAランク冒険者のジョンソンである。

「………今でも、なんで負けたのか、信じられない、俺達は戦ったが、誰一人やつに有効打を与えることができるやつはいなかった。」

「なるほど、なるほど、しかし、君の言うことが本当ならこれは大変なことだぞ?まさかとは思うが嘘ではないのかね?」

「………てめぇ、ふざけんなっ!!むしろこっちがペテンにかかった気分なんだよ、だいたい、こんな下らねえ嘘のために、腕一本切り落としたっていうのかっ!!」

そう言ってジョンソンはボロ切れとなったマントをめくる、そこにあるはずの腕は、どこにもなかった。

「………済まない、あまりに冗談じみた事だったのでね、でも、直接対決した君のほうがよほど信じられないだろう、礼を失してしまった許してくれ。」

「………俺は、パーティでは後衛の魔法使いだ、だから最後の最後まで生き残れた、最後に残ったのは俺と回復術者のドナルドだけだ、だが、奴は、俺を逃がす時間を作る為にっ………一番弱かったのは、あいつなのによぉ…………俺は、ついに奴を止めることはできなかった、しなかった!!命が惜しかったんだ!!それが俺は悔しい、叶うならば、今すぐにでも心の臓をえぐり出したい………。」

そう言って男は泣き出し、もはや話すこともままならなくなってしまう。



俺達は、その後もカーラスがうまく囮をしてくれるおかげでまるで問題なく進むことができた。

そして、ついに俺たちは60階層に手をかけていたっ………!!

ここのボスはまだCランクのナイトフィッシャーマンだった。

フィッシャーマンが一体何なんだというとDランクの魔物で、水の中を泳ぎ、魚を捕まえ、ときに陸に上がって人を襲う、人型の魔物だ。

まぁ、いわゆる魚人なのだが人型である以上上位種であるナイト等が存在し、それがCランクの魔物としてボスを張っていた。

「ハァッ!!」

俺はカーラスに注意がそれたフィッシャーマンの顔面にファイヤボールを当てる。

「うらぁっ!!!」

それを見たカーラスが混乱するフィッシャーマンに組み付き、あっという間に首をかききって倒す。

「お前と連携が上手く行くようになると、途端に楽勝になりだしたな。」

「ハハハ、そうですね、この調子じゃあボスがBで、雑魚がCくらいになってくる70階層以降じゃないと手こずることはなさそうですね。」

「全くだ。」

俺達は上機嫌に話しながら下層への階段を降りようとしていた、その時。

「………!!!」

「コーイチさん、聞こえますか。」

「あぁ、魔物の声だ、それも、1匹2匹のレベルじゃない………!!」

俺達は身構えた。

そして、やがてその正体が見えてくる。

「ホコゴブリン30体、リトルドラゴ30体、そして奥にいるでかいのは………ゴブリンキングか。」

俺はそういって遠くを見据える。

「いいかカーラス、これからメガファイヤでできるだけ吹き飛ばす、その後全力ダッシュだ、2階も上がれば海洋エリアだ、こっちは土魔法で橋を作って渡れるが、連中は違う、そこでまこう。」

「もっといい計画が思いつけたら最高なんですが、この時間じゃそれは無理ですよね。」

3、2、1、そおれっ!!

俺はそう言うとメガファイヤをぶっ放す。

ただでさえ狭い階段だ、しかも縦一列に並んでる、あっという間に十何匹は倒すことができた。

「そおれにげろっ!!」

俺達は全力で駆け出す。

後ろをでかいのがおってくる、ゴブリンキングだ、リトルドラゴというリュウモドキのさらに立派なやつみたいなのもかなり生き残っている。

俺達は走り続ける、が、身体強化抜きでCランクレベルの運動ができるカーラスはともかく、自分の方は身体強化がなければDの最下位がせいぜいだ、正直へばりそう。

「コーイチさん!!もう一発撃たないと正直追いつかれそうです!!」

「わかってるが!!わかってるけど!!いま身体強化でやっとお前についていけてるからさっ!!いまここで撃つと途中でへばるんだよっ!!」

「じゃあ、こうしましょうっ!!」

カーラスはそこでなんと俺を背負って走り出す!!

「お、お前のほうが持たないだろっ!!」

「なんとかしますよっ!さあ、早くやっちゃってくださいっ!!」

「全く、こなくそっ!!」

俺はメガファイヤを後方に撃ち出すと、魔物達の悲鳴が聞こえてくる………。






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