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結末

次の瞬間、俺の胴体に鎖が飛んでくる。

反応のしようもない速度で、三回も瞬時に。

「グハァッ!!」

「力で押すことは嫌いなのですが、技術が通じない以上、止む終えません。」

俺はさらに、5回も、10回も、20回も、滅多打ちに打たれ、あっという間にボロボロになる。

「………こんのっ、メガファイヤッ!」

俺は立ち上がり、魔法を撃ち出すが、それも虚しくクルードさんは散らしてしまう。

俺は剣を構え直す。

「なんだかんだ、自分は斬ったり斬られたり、それが一番かっ!!」

俺は身体強化を限界ギリギリまでかける。

その身体能力は、Cを超え、Bの域へ。

「ハァァッ!!!」

俺はクルードさんにおどりかかった。

クルードさんの鎖が剣を防ぎ、絡みとっていく。

「!?」

俺は剣を離すまいとするが、体が宙に浮いていた。

最初の男もおんなじような感じだったんだな、そうぼんやりと考える。

「………グッハァッ!!」

俺はこうして地面に叩きつけられる。

クルードさんが近づいていく。

もう、決着が近い。

クルードさんが腕を振るったとき、俺の腰にかけてあるクロスボウが炸裂した。

「っ!!!?」

俺は首を鎖で縛り上げられる。

かすれる意識の中でクルードさんを見る。

その腹にも、腕にも、足にも、どこにも矢は刺さっていない。

避けられたのだ、1mとない距離で。

それを確認した直後、気が緩んだのか俺は意識を手放してしまった………。



クルード視点


「全く、Cランクにここまで苦戦させられるとは思いませんでしたよ。」

私はそう静かに呟く。

終わってみれば圧勝だったが、私はまるで命を削る死闘を繰り広げた気分だった。

この男、随分と修羅場をくぐっているようだ、そう思ったとき、私の口は僅かにつり上がる。

「そこまでっ!!」

審判が、そう大声で言い放った。



「あ〜あ、負けちゃったか。」

クルードさんが本気を出す、そう言ってから20秒も持たなかった。

おそらく、Aランク冒険者と戦ったときですら本気ではなかったのだ。

「まぁ、それなりに食らいついたか………?」

俺はそう呟くと、周りを見る、なぜならリューゼさんが俺を呼ぶ声が聞こえたからだ。

「よう………すごいじゃないかコーイチ、まさかあんな善戦するとは思わなかったぞ。」

「はぁ………。」

「………なぁ、お前はよくやったぞ、なんでそんなにがっかりしてるんだ?」

「いや、なんだか気が抜けましてね………。」

思えば、最初に全身鎧の人間の人と戦ってから、ガトレット、そしてあの弓使い、どれも一筋縄では行かない奴らばかりだった、まあ…………ガトレットに限っては認めたくなかったが。

「いやぁ、やりましたなぁコーイチさん、まさかあのクルードにあそこまで食らいつくとは思いませんでしたよ、これでもうあなたを叩く人間はでない、私も首を切られることはない。」

「そうですね………。」

「これからもよろしくお願いしますよっ!あなたには、今後も成長するでしょうから、なに、わかるんですよ私にはっ!!」



ギルドマスター視点


さて………全ては終わった。

私は帰っていくコーイチをみてそう思う。

「ククク、これでリューゼとも顔を繋ぐことに成功した、それだけじゃない………。」

それは試合の最中の事だった。

『あなたは、もっと上を目指すんですかな?』

『?まぁ、そのつもりです、自分には、これから追いかけてくるやつがいるんです、止まっているには走るしかない。』

『なるほど、ところで、これは相談ですが、この場所に長く滞在されるおつもりではありませんか?でしたらあなたを私は直属冒険者として雇用したい。』

『直属冒険者………たしか、固定で給料がもらえて、消耗品もある程度支給してくれる代わりに冒険者ギルドの職員として働くことになるあれですか。』

『はい、どうせ長く滞在されるなら、安定した収入が欲しくありませんか?』

『まぁ、そうですが………。』

『だったら一度やってみませんか、実は私はかねがねあなたに注目していて、ぜひうちの直属冒険者になってほしいと考えていたんですよ。』

『………わかりました、そこまで言うならやってみましょう、ただ、私は2年ほど滞在する気でいますが、それ以上は離れなければなりませんよ。』

『構いませんよ!!』

「元々2年滞在する気だったのなら、いらなかったかもしれないが、あのレベルの人間を直属にするのは大きな成果だ………。」

現時点でギルドマスターはCランクを15人、Bランクを6人、Aランクを2人直属冒険者として雇用している。

冒険者という職業柄、ギルド側は普通の冒険者に対して影響力をほとんど持たない。

どういうことか、冒険者がよそへ移動するのも止めることはできないし、仕事をサボろうが、何しようが、止めることも、命令することもできない。

最もそれである程度回せないこともなかったが、やはり自由に使える冒険者をギルドは欲していた、だから常に雇って常に使える冒険者を欲していたのだ。

そこでできたのが直属冒険者である、直属冒険者は生活を保証され、ある程度備品をただて支給されるが、冒険者ギルドが出してきた依頼を必ず受けなければならないし、様々な命令を受ける必要がある。

リューゼほどの冒険者を直属で使えれば、貴族や金持ちが出してくる高難易度依頼もドンドン手がつけられる、それによりギルドの実績は底上げされ、ギルドマスターはさらに出世するのだ。

最も、リューゼ一人では流石にそこまで成果はあげられないが、ギルドマスターは今後もこの方法で何人か高ランク冒険者を集め、中々やり手がいない高難易度依頼を消化していくつもりだった。

「フフフフフフフフフフフフフフ………。」




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