強敵
結局魔力の回復のために30分かけ、また進み始める。
「あいつら、この40階層で足止めを食らってるんだっけ?」
俺は迷ったあとに、大扉を開く。
別にボス部屋からは逃げられない、ということはない以上、彼らは戦ってそして逃げ帰ってきたと言うことだろう。
ここまでの魔物は大体Dランク、となればボスはCランクというところだろうが、いくら腐っているとはいえDランクが10人かかって勝てない敵とは何なんだろうか。
扉を開ければ、そこには一体のスケルトンがいた、身長は2.5m、今までより一回り大きい、進化種のDランクだろう、だがさらにとんがり帽子と黒服に身を包んでおり、魔法使いであることがわかる、上位種で脅威度は最終的にCにはなるのだろう。
その時、奴が魔法を構築し始める、ファイヤボールではない、メガファイヤだ。
俺はそれを辛うじて避けると、ファイヤボールを連発した………。
ここからの戦いは熾烈を極めた。
ファイヤボールを連発するスケルトンに対して俺は節約のためクロスボウで応戦する。
お互い攻撃しあい、かわしあい、防御し合う。
「………強い。」
こいつのレベルは、Dランク試験のときのリューゼさんを上回る。
最もあれは本気を出してなかっただけなのだが、強敵には違いない。
「メガファイヤ!!」
ここで俺は大技を切る。
出てくるのは極大火球、それはファイヤボールよりさらに高速でスケルトンに迫る。
奴は避けようとするが、俺は魔力糸で誘導してしっかり捉える。
凄まじい熱気とともにそれは蒸散し、やっと晴れたと思えば中級シールドで辛うじて防御したスケルトンがいた。
ガードされたか、だが中級シールドの消費魔力はメガファイヤとどっこいどっこいだ、やつも大技は気軽に撃てなくなった。
次はなんの手を撃つ?
俺はそう自問自答するが、次のスケルトンの行動に度肝を抜かれる。
「近づいてきたっ!?」
まぁ自分も魔法で埒が開かないと手っ取り早く肉弾戦で済ませてしまうのだが、敵もやってくるとは思わなかった。
俺が急いで抜いた剣を片手受け止める。
何故、そう思ったがよく見れば半透明の物体に拳を保護されているのが見えた。
どうやらリューゼさんのパッシブシールド系統の魔法のようだ。
やつの拳が全く見えない速さで俺をぶん殴り、二回三回バウンドして何mも先に飛ばされる。
「クハッ………。」
俺は立ち上がる。
この調子だと近接戦闘も奴に分があるだろう、困った事になったもんだ。
これじゃああのDランクの冒険者パーティが突破できないのもうなずける、彼らの戦闘力は道中の上位種のスケルトンと同等だろう。
それでは何人いても倒せない訳だ。
撤退する事もできる………だが、これくらいは倒したい、あいつらがギルドに来るたびに嫌な笑い声をたてて馬鹿にされるのも中々こたえているのだ。
「ウォォォ!!!」
メガファイヤ、そして2発ファイヤボールを撃ち出す。
メガファイヤでシールドに大ダメージを与え、片方のファイヤボールで完全破壊、そして最後のファイヤボールでフィニッシュだ。
なけなしの魔力糸で誘導し、全弾奴に当てる。
「やったか!?」
俺はそう言うが、驚くことに、奴は無傷だった、やつの前には初級シールドが見える、あれで突破した一発を防いだということだろう。
俺はこの時点で既に逃げようとしたが、奴はそれを超高速で追いかけー
???
俺はそれを剣でガードする。
遅い。
俺は気づいた。
やつの魔力も切れたことに。
「ハァッ!!」
お互い身体強化も使えない状況、その場合力は奴が上だが、奴は素手で、こっちには剣がある。
「ハァッ!ハァッ!!」
俺は二回三回と続けて切るが奴はそれをかわして反撃してくる。
蹴りを腹にくらいぶっ飛ばされた、そしてトドメの一発が迫ったとき、俺のとっさの剣がやつを貫いた。
ガタリ、と倒れて青い粒子になっていく。
「やった………。」
俺は扉が開いて階段が現れる中、一人腕を上げ、ガッツポーズを決めた。




