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限界への道

「おっ、あいつ久しぶりに来やがったな………。」

「全く、一人で30階層も超えられないくせに、いっちょまえな面しやがって………。」

ちなみにDランク10人でパーティを組む彼らの到達階層は39階層である。

この都市に来てから大体一ヶ月がたった。

旅路は2ヶ月だったから、カルドキアから離れて3ヶ月立ったわけだ。

「………ランキングの更新はあと2ヶ月だったかな?」

ちなみに、ランキング更新と迷宮が定期的に作り変えられるのが同じ半年周期なのは迷宮にランキングが合わせて更新するからである、だからランキングが2ヶ月で更新される場合迷宮が作り変えられるのも2ヶ月前だと思っていい。

「さて、今日もいくか。」

俺は迷宮の内部に降りていく、20階層以降のあの灼熱地帯の突破方法も覚えた。

魔物はまだ強くはない、まだまだ上を目指せるだろう。



「出たな大猿。」

俺は腕を前に出し、縦横無尽に飛び回る大猿に狙いをつける。

出したのはファイヤボール3個である。

だいぶ努力の結果魔力量もマシになり、一度にこれくらいは出せるようになった。

それは3発同時に動き出し、大猿を捉える、それを大猿はかわすが、クイッと曲がったファイヤボールが襲いかかった。

あっという間に火だるまになり、木の上から落ちてきた大猿、まだ生きていたのでトドメをしっかり刺しておく。

「魔力糸の調子はだいぶいいな。」

今の誘導は魔力糸のおかげである、魔力糸でファイヤボールを操り誘導したのだ。

俺のオリジナル………だったら良かったのだがリューゼさんやギセルさんのような高位魔法使いの使う手である。



「案外、ここもすぐに解決したな。」

俺の周囲はいまマイナスレベルに保たれている。

魔法は基本は物質の錬金であり、ただ温度を上げ下げする事はできない、だが炎とか氷とか、冷たい物や熱いものを出すことはできるのだ。

俺は氷をそのままポケットに突っ込むことも考えたが、魔法の質量、密度が高いほど使う魔力量が倍増する性質上燃費が悪いので、俺はもうひとひねりする事にした。

「冷たい空気か、なんだかおかしな気分だが、こっちのほうが安上がりなんだよな。」

ちなみにこのときイメージしているのはバラトクロス山脈で最も寒かったときの空気である。

大体-30度に達するのでむしろ寒いくらいだ。

だが、これでだいぶマシにはなった、あとは駆け抜けるだけである。



俺は大扉の前につくと、迷う事なく開け放つ。

「………これはやばいな。」

俺の前に立っていたのは全身を真っ赤な炎で包む怪鳥である、一応DかC程度ではあるとは思うのでフェニックスというのは大袈裟かもしれないが………。

俺が出すのはウォーターボールである、メガレベルの物はまだ炎しか出せないが、今回出したのは10発、手数でタコ殴りにする予定である。

「さあっいけぇ!!」

俺は豪速球で飛んでいくそれを操る、一斉に撃ち出したが、操りきれず何発か無駄にしてしまうが、残りは当てる。

それがあたったときものすごい水蒸気が吹き上がり、体表があらわになる。

ダメージは入っていないようだが再生する素振りも見せない、とりあえず剣で攻撃できるだけマシとする。

今度はロックボールだ、魔力糸などをつかい地面から土を頭大掘り出し、固める。

「おらぁっ!!」

それは頭に直撃して、混乱した怪鳥は上から落ちてくる。

暴れる奴に駆け寄って、最後は剣でトドメを刺した………。



「さて、ここからが本番か。」

俺が放り出されたのは普通の地下通路だ。

「………うん?これはっ!?」

俺はいきなり襲いかかってきたスケルトンの攻撃をかわす。

スケルトンは元々Eだが武器と防具を身に纏い、上位種としてDランクになっていた。

剣を俺は交えるが、こいつ、剣術を理解している、叩き上げの身では普通にやってもどっこいどっこいである。

「ハァッ!!」

俺は一瞬で出したファイヤボールを奴に直撃させて打ち倒す。

「魔法を使えばまだいけるが、依存しすぎると魔力切れが心配だな………。」

俺はそんな事を分析しながら先を急ぐ。



「………これは、毛色が変わった?」

俺が出た場所は、水路のようだ、壁の作りとかは今までと何も変わらないが、左手には水流れている。

「!?!?目の前に階段!?」

俺はなんと数十m先に下層への階段を見つけるが、間には20mほどの水路があり、どうやら橋を見つけるなりなんなりしなければ向こうに行けないようなのだ。

「だろうな、そんな事だとは思ったよ………………諦めきれるかっ!!」

俺は土魔法でむりやり錬成して飛び石を作る、これをつかって向こうに渡れるようにしたのだ。

魔力が結構ヤバイがどうせ数十分も休めば全回復しているくらいなので問題ない。

「よっ、よっ、よっ………。」

俺はその飛び石を渡って向こうに渡ろうとしたその時。

「!?!?」

ザブンという音がしたと思えば次の瞬間には俺は水に引き込まれていた。

見れば俺の肩にでかい魚が食らいついているではないか。

死ぬっ!?死ぬっ!?

俺の本能がそう騒ぎ立てる。

俺はなんとかやつを引き剥がすが、陸まで10mはある。

土魔法っ!!

俺は土魔法で水路の地面を盛り上げて、あっと言う間に俺を宙に放り投げた。

「………グハッ、くそ、死ぬかと思った………。」

すでに魔力が相当やばい、奴がいつまた食らいついて来てもおかしくはない。

ほら、来たっ!!

「こんのぉっ!!!」

それを俺は剣で叩き落とす。

いつまでもこんな事する余裕はない、早く元に戻らないと。

あの飛び石は壊されていない。

俺は身体強化でそこまで戻る、そして一瞬迷ったあと下層の入り口に走る。

あと一歩のところで俺は足に食らいつかれ、片手で地面を掴み辛うじて引きずり込まれるのを避ける。

「ハァァッ!!」

俺は食らいつかれたまま最後の身体強化で陸に上がった。

陸に上げたやつを仕留めてやろうと振り返れば器用にパタパタ暴れて水路に戻る。

「………くそ、酷い目にあった。」



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