迷宮攻略
「………。」
なにか、嫌な夢を見た気がするが………いや、考えるのはやめだ、思い出してしまう、きれいに忘れるのが身の為だろう。
「おはようコーイチ、下に降りてこいよ、朝食ができてるぞ。」
「はい………。」
「凄いですね………これ、誰が作ったんですか?」
「リューゼじゃよ、あやつは何でもできるからのぉ。」
「ほーらこれどうぞ。」
カリカリで厚いのベーコンに素晴らしく完成度の高いスクランブルエッグ、様々な調味料がそのクオリティーを底上げして………おおっと、語ってたらきりがない、ササッと食おう。
「しかしこの間の土産物の料理は非常にうまかったぞ、それどころか今までの食生活から開放されるなんてたまらないのぉ………。」
「………コーイチ、師匠は実は食わなくても生きていける人外だ、私がいない間は食生活どころか水の一滴も飲んでいない。」
「うるさいのぉ、食べたものは体の中で魔力分解して還元しておる、全くの無意味ではないぞ?」
「なるほど確かに人外だ………。」
体の中で魔力分解して還元ってどんな構造してるんだ………。
「師匠は数少ないSランク冒険者の一人であり、今はこの屋敷で一人寂しく研究を行っている。」
「どんなですか?」
「それは知らんが………。」
「フフッ、聞きたいかぁ?聞きたい顔をしてるなぁ?」
「こんな調子だから聞いたことないな。」
「なるほど………。」
自分は今日も丁寧に1階層から迷宮を探索している。
迷宮には攻略した階層からワープできるなんて便利機能はない、自前のワープで一気に移動する、というのはあるが………。
だから冒険者は何日も籠もることができるように、野営の準備や食料を持ち込むのだ。
俺はサクサクと10階層まで進む。
「………来たぜ、今日は新魔法のお披露目だ、とっときな!!」
例のボスの怪鳥を前に俺はある魔法を使う。
ファイヤボールはもう1秒で構築できるが、こっちは20秒ほどかかってくる。
「メガファイヤッ!!」
俺は旅の間ずっと習得を頑張っていた現状最強の魔法を撃つ。
それは豪速球で怪鳥に迫り、消し炭にした。
青い粒子をだして魔石を残し消滅する。
「さて、次に進むか。」
「これは、森か。」
俺が放り出されたのは、どこまでも続く森だった。
「確かこういう植物とかも再生するんだよな、なんとか持ち出せないだろうか………。」
実際鉱山型の階層から貴重な鉱石を掘って帰る冒険者がいるが、このような取るに足らない資源は放置されている。
「さて、進むとするか。」
俺はその中を歩いていく。
「………うん?これは薬草か………。」
俺は薬草を見つけてそれを引き抜こうとして………!!?
ボコッと地面が盛り上がり、弾ける、そしてそこから出てくるのは太いツタだ。
「うおっとっ!!?」
俺は当たりそうなやつだけをたたっ斬り直ちに下がる。
植物系の魔物か………中々カルドキアでは見かける事ができなかったが、いつかは出るだろうと思ってたんだ。
メガファイヤは飛び火する、ファイヤボールかクロスボウを使わなければ。
「ファイヤボールッ!!」
俺はファイヤボールを使い、奴に直撃させる。
それをもろに食らう植物の魔物だが、こちらにドンドンツタが伸びていく。
「ハッ!、ハッ!!」
俺はそれを切り裂いていく、蔦はドンドン迫るが、少しすれば火が周り、動きを止める。
「………こんな植物から石ころが出てくるのなんか違和感あるな。」
そういって青い粒子の中に手を突っ込み魔石を引き出す。
「………そういえばなんで魔石って売れるんだっけ。」
魔石の使いみちって聞いたことないな、こんど誰かに聞いてみるか………。
「密林のステージ多いな。」
ここは平原や地下通路の比ではないほど歩きにくい、だから時間を取られて仕方がないのだが。
「とはいえもうボス階層。」
ここまで魔法を使う狼やらホコゴブリンやら、少しずつ強敵もチラホラと見え始めた。
この調子だと進めるのはとりあえず29階層までが限界になってくるだろう。
「さて………Dランクの魔物も見ているが、果たして出てくるのはCか?それともDか?」
現状、メガファイヤのおかげでCランクの討伐も夢では無くなってきている。
「だが、もう19階層、倒せても倒せなくても帰りが厳しいぞ………。」
そう、仮にCランクが出ると勝てても相当に損耗する事が予想されるため帰りが非常にキツくなる事が予想される。
「………まぁ、行くかっ。」
俺は巨大な扉を開けて中に入る………。
「なるほどっ!!」
俺はさっと飛んでくるけむくじゃらの拳を避ける。
目の前にいるのは巨大な、大体クマくらいの大きさの猿だ。
だが、Cランクには見えない、恐らくDらへんだとは思う。
「これなら行けるなっ!!」
俺はファイヤボールを撃つが、奴はそれを軽々かわしていく。
この部屋は蔦や木々で覆われていてやつはそれを使って三次元的に移動していく。
「クロスボウも当たらないっ!!」
最近遠距離攻撃が当たらない事が多い、まぁまだそこまで問題でも無いんだが。
やつは近距離攻撃しかできない、だから必ずや近づいてくる。
「………ここだぁ!!」
俺は奴が飛びかかるのに合わせて剣を振る。
「なっ………。」
やつはそれを軽くかわして、俺の腕を掴む。
気がつくと俺は浮いていた。
「投げられたっ!?」
ドォン!俺はそんな音を立てて地面に叩きつけられる。
身体強化は防御力も身体能力ほどではないにせよ上げることができる、骨は折れてないがのたうち回りたいくらい痛い。
俺はサッと避けると拳が地面にのめり込んでいる。
「ファイヤボール!!」
俺は離れてそれを撃つと今度はあたった。
毛が焼けているのがわかりそれなりに効いてはいるようだが、まだまだ問題はなさそうだ。
やつは立ち上がり、こちらに飛びかかる。
「今度は当てるっ!!」
俺は剣を振り、やつの肩に当てることに成功する、だが、やつの降り出した手が俺を押し飛ばし、木に叩きつけられた。
だが、いける。
やつの傷口からはかなりの血が出ている。
すでに動きが鈍くなっている。
あとの一手は、どうする。
やつはどうせ長くは持たない、だから逃げずに飛びかかってきた。
「うぉぉぉ!!」
当たれっ!もう一度当たれっ!!
俺は剣を振る。
その横なぎ払いを飛んで避けた大猿の手は空を切り、下にかがんで避けた俺の刃がやつの腹を捉えた………。
悲報
戦闘パターンが魔法覚えたのに当てられず結局剣に頼って突っ込む事態が多発。
でも今のところ幸一さん魔法も剣術も出来るんで苦戦してなおかつ勝てたっていうシナリオがそれしかないという。
まぁ、次からはもう少し他のパターンを考えます。




