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波乱の予感?

はじめにいいます、ギャグ回です。

こんな不真面目な感じにするつもり無かったのに気がついたらなってたんや………。

「これで全部です。」

「はい、これで銀貨10枚ほどとなります。」

そういって素材を引取る受付嬢。

銀貨10枚か………俺も中々稼げるようになってきたもんだ。

俺はホクホク顔で戻ろうとして、ふと依頼ボードを見てみる。

『魔石今すぐ求む!直接持ってきてくれ!』

『迷宮の平原に生える薬草を袋一杯に』

『仲間の遺品回収依頼、恐らく三階にて死亡したと思われる』

「???なんか最後身に覚えがあるが………まあいいや。」

「ほう、お前が初日で10階層到達したとかいう奴か。」

見れば横にいつの間にかひょろがりの男………ではなくむしろ大巨漢が笑いながら立っていた。

「誰ですか?」

「ああ、俺は10人組のDランクパーティをやってるガトレットだ、聞いたぜ、10階層突破したんだとな、初日で。」

「はぁ………。」

「あまり、ここを甘く見ちゃいけないな、ここの迷宮は計200階層ある、お前が攻略したのなんざこれっぽっちさ、俺達は39階層までいってるんだ、だからここの事はよく分かってるんだよ。」

「はぁ………。」

なるほど、40階層のボスが修羅場と………。

「まぁ、そういう事だ、何かあったら言ってくれよ?じゃあな。」

そういって去っていく。

とりあえず数多の転生物ラノベのごとくいきなり恐喝に訴えてくる感じではなかったようだ、どちらかというと言葉でねっとりバカにしてくる感じらしい。

「おい、コーイチ、見せたいものがある、来てくれ。」

「今度は誰だよ………イケメンだったか。」

ひょろがり、巨漢、今度はイケメンと。

リューゼさんは首をひねるが、俺は何でもないと言ってごまかす。



「なんですか、この凄い大きくてボロボロの館は。」

リューゼさんはそこの看板を顎で示す。

「魔法研究所クラーストキア支部だ。」

「ただの廃墟じゃ………。」

「これができたのは50年も前の話だ、しかも手入れもなにもされてない、行くぞ。」

俺達は中に入ると、真っ暗な大広間が出迎える。

「こっちだ。」

そういって右に曲がると、暖炉やソファがある掃除していればオシャレ極まったであろう部屋が出迎える。

「………あ。」

見ればソファのところによくあるトンガリ帽子がちょこんと飛び出ているではないか。

「これが、私の師匠だ。」

「………これ。」

すやすやと眠るそれは………銀髪がキレイな、20歳くらいの女だった。



「………ハッ、いかん、論文………論文………!暖炉の火が消えているではないか………寝過ごしたか………!」

女はいきなり飛び起きるとテーブルの前の紙束をひたすら漁る。

「この人、誰?」

「一応、私の師匠だ………。」

「はぁ、見つかったぁ………で、リューゼ、いったいその男はなんぞや?」

「私の知り合いです、ここの魔法研究に興味があるという事で連れてきました。」

「へっ?ああ、まぁ間違ってはないです。」

そう言うと、その女はブツブツいいながら。

「………いやすまん、私はここの研究所長をつとめているスリューシャじゃ。」

「気をつけろよ、エルフよりよっぽど生きてるぞ。」

そう言うとそんなことは言わんでいい、そうリューゼさんを睨みつけながらいう。

「で、興味があるとはいったいなんぞや。」

「あぁ、う〜ん、じゃあ、まずリューゼさんの使った魔法について。」

「メガカオス・アトルビュートについてです。」

「あぁ、あれは私の作ったものではないのだが………ほら、はようこい。」

ボロボロの長い廊下を俺達はあるく。

「ここも、あいつやあいつやあの馬鹿がいた頃はこんなふうでは無かったのだがなぁ、か弱い私一人ではすべてを掃除する事など出来はせぬ。」

「元は他にも研究者が。」

「死んだ、もう40年も前の話じゃ。」

「???」

「エルフより生きてるって言っただろ。」

「やかましい!」

ここじゃ、そういってある部屋の扉を開けると、何故か異様にキレイになった部屋が出迎える、本や書類も異様なまでに整理されている。

「これが、全属性混合魔法の研究をしていたある同僚の部屋だ、今はリューゼにあてがっておる。」

「あぁ、リューゼさんの部屋なんですね。」

「あぁ、そのベットあまり近づかんほうが良いぞ、死臭が酷いからな。」

「!?!?」

「なっ、酷い師匠だろ?」

そう同意をその両目で求めてくるリューゼさん、その迫力にガクガク首をふってしまう。

「全属性混合魔法は4属性すべての欠点を克服し、すべての良い点を詰め込んだ夢の魔法として当時は多くの学者が研究していた、この部屋の持ち主(元)はある日大陸の地図を前に狂ったように踊り始めて、そのまま十年間この部屋に閉じこもり、書き上げたのがメガカオス・アトルビュートの設計式だったのじゃ、最もその数日くらいで死んだらしいが私は立入禁止になっていたから気づいたのは1年経ってからじゃった………こんなものでええのかぇ?」

「はぁ、まぁ、はい。」

「どうせこの屋敷には空き部屋が幾らでもあるでしょう?こいつの宿も実は工面してほしいと思ったのですが………。」

「あぁ、構わんぞ?」

「!?いや自分こんなお化け屋敷止まる気ないですよ!?」

だが、そのときのリューゼさんの目は『死なばもろとも』と語っており、迫力で思わず口をつぐんでしまう。

「ほら、宿から荷物取りに行くぞ。」

そうさっさとリューゼさんが歩いていくので俺は走って追いかける。

カルドキアイチの優等生をこんな風にさせるなんて………スリューシャ、恐ろしい女。



「う、う〜ん………アッアァギァァァ!!!……………………う〜ん………。」

その日、俺はホコリと死臭に支配された部屋で史上最も最悪な睡眠を味わったのであった。



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