奇妙な再会
「………きたか、コーイチ。」
「あの………迷宮都市ってそもそもなんでしょうか……?」
そうか、知らんか、そうリューゼは言うと、説明を始める。
「場所はここから西にいった、山を超えた先にあるクラーストキアという場所だ、バールズ連合という国を超えた先にある草原地帯に迷宮が発見されてな、私は行ったとき潜らなかったんだが………まぁ、それはともかく、中々財宝が沢山あるらしくてな、あっという間に冒険者が集まって、数十年で大都市へと発展した、そもそも迷宮ってなんだかわかるか?」
わかりません、そう答えておく、まぁラノベとかでよくある感じだろうが、万が一違っていたらまずいだろう。
「各地でポツポツ発生する謎の建造物だ、大量の罠、財宝、魔物、それらが湧いて出てくる、湧くっていうのは何なのかというと、まぁ、原因はよくわかっていないが、中の魔物を全員倒したり、あらゆる財宝を根こそぎかっさらっても何日か立っても戻ってるんだ、バカみたいな話だが………それどころか、何ヶ月かに一度エリアがまるっと変形して変わってしまう、それに巻き込まれて死にかけたやつもいるらしい、迷宮はここ以外にも何個も存在し、最古の迷宮は大陸中央に存在している………。」
フムフム、大体想定してた通りだ。
「でも、それ、相当遠いところですよね………正直なぁ………。」
「まぁ、確かにそう思うだろう、だが、ここは今冒険者が大量に集結している、Aランクも数十人常駐している、だがら私は試験を受けるためにここに行ったのだ、昇格試験は最低でもワンランク上の人間が試験官をしなければならないからな、あそこなら待ちぼうけを食らう事もなかった、それに、大量の魔導書を蔵書する図書館もあるし、狩る魔物にも困らない。」
「なるほど…………?」
俺は考えた、別にそんなに遠出が嫌なわけではないし、迷宮都市か………だが、ここでもう少し経験を積んでからでも………。
「ちょっと考えさせてもらいます………。」
俺が彼と再び出会ったのは昼の狩りだった。
「狼か………!!」
大きさは地球で言えば虎くらいだ、かつての白狼よりは小柄だが、今回は3体で群れて襲ってくる。
「だがっ………!!」
俺はファイヤボールを撃ち出す。
それは1体に当たって大きなダメージを与える事に成功する。
狼はそれを見て一気に畳み掛けることを選択したようで、こちらに向かってくる。
飛びかかってきた狼を身体強化された体で難なくかわし斬りつける。
最後の1体も斬りつけるが微妙に浅い、逃げようとしたためクロスボウをさっと取り出して倒す。
「だいぶ手慣れてきたな………。」
まあ、もうずいぶんここにいるからな、生き物ももうゴブリン戦で嫌になるほど殺してしまったし、躊躇はもうない。
「さて、これは魔石もデカイのが期待できるな。」
俺は解体して魔石を手早く取り出す、それだけではなく、毛皮なども剥ぎ取っていく。
解体もずいぶん手早くなったものだ………。
「………あっ………。」
ふと前を向けばひどく若い青年の冒険者がこちらを見ている、よく見ればゴブリン戦のとき助けた人だった。
「どうも。」
「………!あぁ、すみません、解体が上手だったから、つい魅入ってしまって。」
「別に、ドレッドさんに教えてもらったものだが、別段上手くはないが………ドレッドさんはあんなに酒を飲んでるのにどこにそんな脳みそが残っているのやら。」
「そうですか………。」
俺は無言で解体を続ける。
だが、未だに彼がさらないので口を開く。
「君、名前は一体何なんだ。」
「はいっ、僕はカーラスといいます、一応Eランク冒険者です。」
「カーラス………じゃあ、自分は解体も終わったから行かせてもらいますと、じゃあな。」
待ってください、そう言われて俺は首を捻りながら振り向く。
「あのっ………解体を教えてもらえませんかっ!!」
次の日、俺は森にいた。
「いたぞ、リュウモドキだ、まぁわかってると思うが、後ろからつついたりなんだりしてくるやなやつだ、死にはしないが、怪我くらいは普通にするレベルで襲いかかってくるから、積極的に駆除しなきゃならない。」
「はい、知ってます。」
だろうな、そう俺はいうとファイヤボールを構築していく。
「いけっ!!」
ファイヤボールはすばやく飛んでいきリュウモドキに当たる。
それを何匹か連続で続けていく。
「よし、これでいい、じゃあお前はこれをつかえ、さあやるぞ………。」
「………この鱗は工芸品とかで使うらしいから買い取ってくれる、肉は食えるがうまくない、いやまずい方だから買い取ってくれないぞ、いいな。」
「はい!!」
「とりあえずこれはリュウモドキの解体法だが、いうほど他のやり方と変わらないから………まぁ、とりあえずあと一週間くらい付き合うよ、さあ、次行こうか。」
俺たちは二人仲良く歩く。
「………でも、あのときのコーイチさんは凄かったですよ、そりゃもう神速の速さで次の瞬間にはエンペラーの肩にのって剣を突き立ててたんですから、とても同じEランク冒険者とは思えませんでした。」
「あれは………まぁ色々偶然が重なった結果だしなぁ。」
あの動きは魔力20倍とかいうとんでも効率のせいであんな動きになっただけで、もう出来ないんだけどね………。
「………あ、ウルフだ。」
「おっ、そうだな………ん………?」
それは明らかに異常な特性を持っていた。
何がおかしいかって普通灰色の毛並みなのにそいつは赤みがか買っていたのだ。
驚くのはそこからだった。
「なにっ!!」
俺はサッと飛んできた火球を交わす、ファイヤボールとはやや異なるが、魔法の一種には違いなかった。
「こいつ………!!」
大きさも白狼と同じくらい、Eの最上位ってところだろうか。
「アレをやる、剣を抜け。」
「はいっ!!」
いつものように気持ちのいい返事をするカーラス。
狼は機動力が速い、追っかけてたらきりがない、カウンターで倒す。
ファイヤボール………とは微妙に色々違うがそういう事にしてそれが2個も3個も飛んでくるのでそれを交わしていく。
「これは、近づくべきですか?」
「ちょっと待ったほうがと思うっと………もうちょっとよければ魔力切れを起こすと思うから。」
それまでは、こいつだ、そう俺は言うとファイヤボールを構築する。
「ハァッ!!」
俺はそれを撃ち出すと狼に向かってまっすぐ素早く進んでいく。
だが、やつはそれをヒラリと交わす。
「なにっ………!?」
ファイヤボールの弾速は速い、速いが避けられない程ではない。
「これは………やっぱり近づかないと決着がつかなそうだ。」
「いいか、お前は別行動だ、奴が逃げた先に先回りして取り囲む、できるな!」
「問題ありませんっ!!」
じゃあ、行くぞ、そう言うと俺は走ってやつを追い始める。
木々を避け、火球をよけ、俺はやつを追っていく、無論ただ走るのではなくカーラスのいる方に追い詰めていく。
「やれっ!!」
カーラスが木の影から飛びかかり、剣を突き立てる。
「ウォォォ!!?」
ブンブン振り回され、彼は振り落とされるが、もうすでに俺が到着していた。
「ハァッッッ!!!」
俺の剣は身体強化の力も合わさり狼を真っ二つにした。




