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爆虫の召喚士  作者: 天野 雪人
第四章 王都編
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第三十話 旅の道

「なあ、何で俺の頭に居るんだ」


 あれから一夜あけて、俺達は街道を歩いていた。そして、あの厨二病猫のニャルカは俺の頭にしがみついてる。


「ふにゃー、お前の頭はいい感じなのにゃ、我の眷属と成らぬか」

「放り出すぞ」

「すみませんにゃ」


 このアホ猫は俺の頭が気にいったらしい。それに、俺はくろまめに乗ってるため、あまり振動がないのも良いとの事だ。


「はあ、まあ邪魔さえしなければ良いんだけど」

「にゃははは、褒めて使わす」


 こいつの偉そうな言葉はこれから無視しよう。多分病気みたいな物だから。


「バベル君! 何か近づいてくる」


 エルが突然そう叫ぶ。桜も夜桜を抜き、ニャルカは俺の頭でワクワクしてそうだ。


「そうだ、ニャルカって妖精族最強なんだよね。もし襲ってきたら撃退して強さを見せてよ」


 エルは純粋に最強という言葉を信じてるのだろう。だが、俺にはニャルカが小刻みに震えだしたのが分かる。


「わわわ、分かったにゃ。下等なる人間に我の強さを見せてやるにゃ」


 ニャルカは俺の頭で、震えながら助けてと言っている気がするが、俺は千尋の谷に突き落とすタイプだ。と、言う訳で、行ってこい。


「にゃにゃにゃ。それはないのにゃ」


 ニャルカがショックを受けてるが、気にせず突き落とそう。


「あれは、オークでござるよ」


 街道の横、草をなぎ倒しながらやって来たのは一匹のはぐれオークだった。


「ふっふっふ。勝ったにゃ!」


 オークを見た途端ニャルカは大声で勝利を確信する。


「にゃはははは。我こそは、冥王ニャルカ。我が波動をくらえ『混乱波動』」


 ニャルカが偉そうに叫ぶと、プニプニとした肉球から、何かのビームらしき物が放たれる。


「我が波動は全てを支配する。闇に落ちた魂よ、我の糧と慣れ」


 そのビームが当たったオークは目の焦点が合わず、自分の武器で自分の頭を叩きだした。


「我が支配の波動には誰も敵わぬ」


 ニャルカのその一言で、オークは自滅した。


「おお、凄い」


 確かに凄かった。多分あのユニークスキルは支配系に属する物だと思う。


「我の力に不可能はなし」

「その割にはさっきまで震えてたよな」

「にゃ、にゃんの事にゃ!?」

「正直に話せよ」

「はい、我のユニークスキルは二足歩行の者にしか効かないにゃ。それ以外だと効果が著しく下がるのにゃ」

「なるほど」


 こいつが突然元気になったのはオークが二足歩行だったからか。それにしても、曖昧な条件だ。そこがユニークスキルらしいけど。


「これはお昼ご飯にしちゃおうか」

「賛成にゃ」

「やったでござる」



 ここ最近オーク肉ばかりだな。美味しいからいいけど。さっさと解体を終わらせて、王都に向かおう。




 オークとの一戦が終わり、俺達はまた街道を歩いていた。


「なあ、ニャルカ。そのがまぐちって魔道具か?」


 俺はふと、ニャルカのさげているがまぐちから、魔力を感じたのでそう聞く。


「そうにゃよ」

「ふーん、魔法のポーチみたいな?」

「そうにゃ、この闇の袋には様々な危険魔道具が入ってるのにゃ。例えば――冥界七大魔道具の一つ。“死期の仮面”」


 そう言って、ニャルカが出してきたのはいかにも厨二という感じの仮面だった。冥界七大魔道具と称するとは、さすが厨二病。


「これは何だ?」


 この仮面は魔力も感じないし、ニャルカの手作りだと思う。


「にゃはははは。それを付けて相手を見ると、その者の死期が分かる闇の魔道具にゃ」

「ふーん」


 取り合えず、付けてエル達を見てみる。


「特に何も見えないぞ」

「にゃ! そんなはずはないにゃ。いくら死期が遠かろうと、白く光るはずにゃ」


 いくら見ても見えないと思う。これニャルカの手作りだから。


「可笑しいのにゃ。故障か」


 その後も、エル達に付けて貰ったが、特に何も見えなかった。



 ◇



「……あれが王都じゃない?」


 街道を歩いていると、エルが叫ぶ。


「本当だ。やっと着いた」


 歩く事(俺は歩いていないが)五日。俺達は終にアルバス王国王都グラムニアに到着した。


「ここがお前達の目的地かにゃ?」

「そうだ、お前はいつまで俺の頭に居るんだ?」

「もちろん我が飽きるまでにゃ。人間、光栄に思うよい」

「ゴミ箱に捨てるぞ」

「すみませんでした」


 ニャルカはたまに、俺を怯えた目で見てくる時がある。ただ大型の威力を見せて、時限型と寄生型で脅しただけなんだが。


「ご迷惑でにゃければ、一緒に居させてほしいにゃ」

「まあ良いけどさ」


 この毛並みはやばいし。撫でさせてくれるなら。


「じゃあ、入るでござる!」

「そうだな」


 そして俺達は、門の前に並ぶのだった。

【冥王の支配波動LV3】 所有者 ニャルカ

系統 支配系

メインスキル『冥王波動』二足歩行の者を支配する。時間は、相手の強さと自分の強さに比例する。クールタイムは一日。

サブスキル『混乱波動』二足歩行の者の思考を鈍らせる。何も考えられなくなり、自滅する可能性大。クールタイムは三時間

     『催眠波動』二足歩行の者を眠らせたり思考を操作する。記憶操作やすり替えなどが可能。クールタイムは五時間。

必殺スキル なし

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