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爆虫の召喚士  作者: 天野 雪人
第一章 子供編
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第二話 魔法

 俺、バベルは5歳になり、今は近くの森に来ている。俺の住む村の近くに在り、動物も植物も危険な魔物も居ない、人があまり訪れない森だ。

 

 俺はここで、魔法の練習をしようと思っている。今までは、人目を気にして魔力を体の中で動かしたり、練ったりする事しか出来なかった。しかし、村のおっちゃんに、この森の事を聞き、魔法の練習が出来ると思いやってきたのだ。


 今までは魔法の使い方は何となくでやっていたが、村に在る教会の神父さんは魔法を中級まで出来るらしく、少し教えて貰った。神父さんは危険だからとざっくりとしか教えてくれなかったが、まあ大体理解ができただろう。

 

 手順は、まず魔力(名称はこれであってた)を感じる所から。一ヶ月やって感じなかったら、才能は無いらしい。俺はこれをクリアしている。


 次は魔力を動かす事から。動かしにくいほど魔力の量が多く、動かしやすい程魔力が少ない。少ない人は二ヶ月。多い人は一年ぐらいかかると言う事。俺は半年ほどかかったから中の中ぐらいかな。一応少なくても、訓練で増やす事も出来るらしいので、あまり悲観しなくても良い。


 次に魔力を放出。これはある程度魔力が無いと出来ない。大体、魔力を動かすのが二ヶ月ほどの人は、魔力を身体に流す身体強化と言う魔法の基礎しか出来ない。俺は放出するだけの魔力は有りそうだ。

 

 魔力を放出するには、大体手から放出する。しかし魔法使いには魔力を放出する為の杖がある。

 まっすぐな、木の棒なら、杖の代用になるため、森に来る途中にまっすぐな木の棒を探しておいた。それと、魔法使いは杖の他にも、本を使う人も居るらしい。


 魔力を放出する準備が整ったら、属性と言う物を調べる。人は普通の魔力を属性魔力に変換し、放出する。属性は、火、水、風、土、の4種類。絶対にこの属性のどれかに属する。

 どの属性か調べる方法は二つ。特殊な魔道具で調べるか。放出して調べるか。調べる魔道具なんて無いので選択肢は、後者となる。


 と、言うわけで放出してみよう。火だった場合、森林火災になる恐れがあるからライターを灯す程度で放出してみる。


 神父さんは放出の仕方を詳しく教えてくれなかったから、自己流でいこう。こう、でろでろ~と、心の中で唱えながら魔力を操っていく。そうすると、杖の先で小さく風がそよいだ。

 俺の属性は、風に決まった。


 森林火災の心配が無くなった所でもう一度、今度は強く魔法を撃ってみる。


 風を鋭く出すようなイメージで、でろーでろーと、心のなかで唱え、魔力を操る。

 そうすると、風の刃が杖の先から出て、木に向かって撃ち出された。

 風の刃は、木に傷を付けた位で消えていった。


「すごい」


 風の刃で傷ついた木を見ながら俺は呟く。


「よし、これはウインドカッタ-と、名付けよう」


 何か、魔法を撃つのが楽しい。どんどん撃とう。


 ウインドカッタ-、ウインドカッタ-、ウインドカッタ-。


「はぁはぁ。しんどい」


 調子に乗って魔法を使いまくっていたら、息が切れてきた。これが魔力切れというやつだろう。

 周りの木が、ウインドカッタ-でズタズタに傷つく位使ってしまった。俺がウインドカッターを使える回数は、3回くらいがせいぜいだろう。


「帰ろう」


 俺は、疲れた体を引きずりながら、村に向かって歩き出した。



 ◇



 ふぅ。俺の住む村ニナリ村に帰って来た。


「おう、バベル何処に行っていたんだ。ここら辺は、危険な魔物も居ないがあまり遠くに行くなよ」

「うん、分かってるよ、おっちゃん」

「そうか、そうか」


 村の入り口の前で、門番をしているおっちゃんと少し話し、村に入る。

 

 この村は、中々の規模の村だ。小さいが、教会も在り。武器屋や、雑貨屋、等の小さな店もある。三ヶ月にいっぺん位の割合で、行商人も来るし。ここら辺は危険な魔物も居ない為、畑もそこそこの規模だ。


「あ、バべルくん」

「ん、エル? どうしたんだ」


 村を歩いて入ると声が聞こえてきたので、後ろを振り向くと、銀髪に赤い目をしたレイアさんの所の子ども、エルが居た。


「うん、お婆ちゃんが本を読み聞かせてくれるんだって」

「そうなのか、すぐに行こう!」

 

 お婆ちゃんはニナリ村の外れに棲む、物知りだ。困った事があったら、お婆ちゃんに聞けば解決すると言う。

 たまに婆ちゃんは、子どもに本を読み聞かせてくれる。本は高価で貴族ぐらいしか読まないそうだが、お婆ちゃんは何故か一杯持っている。

 いつもは、村の中心に在る教会の一室で、読み聞かせてくれる本は楽しみだ。


「どんな本なんだ?」

 

 どんな本か気になり、エルに聞く。


「お婆ちゃんは竜殺しの伝説って言っていたよ」

「竜殺しの伝説ねー」

「バべルくん、楽しみだね」


 そう言ってエルは笑いかけてきた。エルは、とっても可愛い。大きな目、小さな唇、サラサラとした銀髪。そう、とても可愛いが、エルは男だ。エルは別に男の娘では無い。この村でも、密かにファンクラブが在るとか無いとか……。


 そんな事を考えていると、教会に到着した。


 教会の一室、子ども達に文字や簡単な計算を教える部屋に入ると、沢山の子ども達が居る。


「よう、バベルにエル」


 何処に座ろうかと、思っていると、一人の子どもが声をかけてきた。


「おう、ガイ」

 

 彼は、ガキ大将だ。子ども達の親分と言ってもいい。ガイが一声かければ村の年少組はみんな集まるだろう。


「はい、皆さん静かにして下さい」


 お婆ちゃんが部屋に入って来て子ども達に告げる。


「おい、静かにしろよ!」


 お婆ちゃんに言われても、静かにしなかった子はガイの一言で一瞬にして静かになる。まさに鶴の一声。


「それでは、竜殺しの伝説始まり始まり」


 お婆ちゃんは、静かになったのを確認すると、お話を始めた。


 簡潔に纏めると、悪い竜がお姫様をさらって、騎士がお姫様を助けて、姫と結婚し幸せに暮らしたと言う何処にでもあるような、ありふれた話しだった。


 だけど俺はこの物語には、何かが込められている気がする。


「婆ちゃん、その話は本当なの」


 一人の子どもが、お婆ちゃんに質問した。


「そうだね。1000年ぐらい前にあったとされるね」


 お婆ちゃんは子どもの質問に答える。


「そうなんだ」

「ええ。おや、そろそろ終わりにしようか」

「そうする、さようなら」

「うん、さようなら」


 俺もエルと一緒に教会を出た。


「うーん不思議な話だったなー」


 教会を出たらエルが物語の感想を言う。


「うん、そうだな。話しは、ありふれた感じなのに、何かが込められた話しだった」

「うん」


 家までエルと一緒に行くと、エルが話しかけてきた。


「バべルくんは、将来どうするの」

「どうしたんだ、唐突に」

「ほら、あと五年ほどしたらアレが或るじゃん」

「ああそうだな」


 俺達が10歳になればユニークスキルの儀式が行われる。この結果で将来の進路が決まると言っても過言ではない。


「エルは、どうしたいんだ?」

「ボクは、冒険者に成りたいかな」

「そうか、それも良いな」

「本当バべルくん! 冒険者に成るの!」


 エルが興奮したように話す。


「ああ、冒険者も良いかもしれない」

「そ、それなら、冒険者に成ったらボクとパーティを組まない?」

「んー良いぞ」


 せっかく魔法を覚えたのだから冒険者に成って魔物を狩るのも良いかもしれない。


「ふふ、バべルくん、また明日」


 そう言って、エルは自分の家に帰って行った。


「冒険者か……」


 俺は、家の扉を開け家に帰った。


「ただいま母さん」

「あら、お帰りバべル」


 家に帰ると、母さんが台所に立っていた。


「あのさあ、母さんに聞きたいんだけど」

「ん?なあに」

「父さんに聞いたんだけど。昔は冒険者をしていたの?」

「ええ、そうよ」


 父さんと一緒に冒険者か。


「冒険者の時の話しを聞かせて」

「そうね、町の近くに棲みついた、Aランクの魔物ベヒモスを50人で狩った話し――」


「――ありがとう面白かったよ」

「私も楽しかったわ」


 母さんに冒険者時代の話しを聞き終え、もう一つの気になっていた事を聞く。


「母さんは、子どもの時に何をしていたの」

「ごめんなさい、バベル。その話しはあまりしたくないの」

 

 そういった母さんの顔はひどく寂しかった。


「そう、ごめん」

「いいのよ」


 母さんと話しをして、寝室に行く。冒険者の事を考えながら、ベッドに横になった。

 魔法の階級。


 魔法には階級が有り。初級。中級。上級。最上級まである。

 初級、魔法初心者。風の刃や、火の玉などを出せる。

 中級、魔法中級者。嵐や、火の槍などを出せる。

 上級、ここで魔法使いは一気に減る。魔法の具現化や、一度に出す魔法の数が増える。

 最上級、天災と言われる物。これを使えるのは世界にも三人と居ない。津波や雷。自然災害と同等の力。


 あまり覚えて置かなくて良いと思います。

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