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爆虫の召喚士  作者: 天野 雪人
第七章 清牙帝国編
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第百二話 VS化け物屋敷①

 清牙に来てから一週間後。それは四人で昼ごはんを食べている時だった。


「美味しいでござるな」


 清牙特有のご飯を食べていると、人がやってくる。


「ひさしぶりっすね。一週間ぶりぐらいっすか?」


 やってきたのは鈴玉リンユーさんだ。


「それぐらいだね」

「はい。そうだ。ご一緒してもいいっすか?」

「どうぞどうぞ」


 椅子を勧めると、空いている席に鈴玉さんが座る。


「ハムハム。なにか様でござるか?」

「そうっす。ぜひ、一緒に依頼に行かないっすか?」

「「依頼?」」


 Sランク冒険者が行く依頼なんて俺達につとまるのか?


「依頼の内容としては、そんな難しくないっす。たんなる調査依頼なので」

「調査依頼になぜSランクが?」


 鈴玉さんに、疑問に思っている事を聞く。普通は調査依頼なら、最大でもAランク冒険者が受ける依頼だ。


「実は、とある村で化け物屋敷らしい団体の目撃情報があったんすよ」

「「化け物屋敷の!?」」


 化け物屋敷。六大盗賊団の一つで、白金貨二十枚の懸賞金がついている盗賊団。あまり好戦的ではないが、小国を一つ落とした事もあるので、Sランクで討伐依頼が出ているはず。


「見間違いかもしれないっすが、もし本当だった場合かなり大変な事になるから、私が派遣される事になったんすよ」

「そんな依頼になんでボク達を……」

「そりゃあ、誘える人がバベルさん達しか居ないからっすよ」


 なんだ。ただのぼっちか。


「というか、俺達を誘う必要があるのか?」

「もちろんっす。バベルさん達は強そうだし、さすがに私だけでは厳しいかもしれないので。数を相手にするのは苦手なんすよ」


 なるほど。相性か。人外の領域でも、得意不得意があるんだな。


「私だけでも出来る事は出来ますが、万全を期してバベルさん達を連れて行きたいっす」

「なるほど。良いぞ」


 Sランク冒険者が居るなら、大丈夫だろう。


「ボクも」

「せっしゃも行けるでござる」

「ムシャムシャ。我の力の波動は最強にゃ。どんなやつでも怖くない」


 三人とも行くと言う。ニャルカの波動はあまり当てにならないけど、強い奴には強いからな。


「じゃあ、決まりっすね。明日の朝、北門の前に来てくださいっす」

「はい」


 鈴玉さんはそう言うと、俺達の席を離れていった。


 ――化け物屋敷か。


 ――気をつけろよ。六大盗賊団はAランク冒険者のパーティすら撃破したんだ。


 ――ああ。だけど、こっちには人外の領域、Sランク冒険者が付いている。


 ――油断は禁物。


 ――それは分かっている。


 出来るだけ準備してから行こう。



 ◇



「これで、バベルさん達の得体の知れない力が分かるっすかね」


 店を出た鈴玉は呟く。


「あの良く分からない気配。全員……いや、桜さんだけはとくに何も感じなかったすね」


 鈴玉はバベル達と会ったころから、彼らの変な気配を感じ取っていた。バベル、エル、ニャルカ。まるで人じゃないものが居る。もしくは人じゃないか……そんな気配を。


「まあ、桜さんは何も感じなかったけど、才能だけは凄かったっすね。最後は私を越える……」


 そういった鈴玉の声は、少しさびしそうだった。



 ◇



「よーし。集まったっすね」


 翌日、準備を整えて、俺達は北門に集合していた。


「準備バッチリだよ」

「いつでも斬れるでござる」

「よし。行くっすよ。サモン『竜王』」


 鈴玉さんが召喚したのは、この前と同じ竜。今回は、最初から大きかった。


「じゃあ、乗るっす」


 鈴玉さんの言葉で俺達は竜の背に乗る。


「皆乗ったっすね。出発っす」


 竜は空へと羽ばたき、北へと飛んだ。


「早いでござる」

「だけど、ぜんぜん風を感じないな」


 こんなスピードで飛んでたら、何も捕まる所がない竜の背じゃ吹き飛ばされてしまう。


「ああ。それは、小白シャオバイの能力っすよ」

「なるほど」


 便利だな。爆虫にもそういう能力つかないのか。


 ――爆虫は乗るようじゃなくて、爆発する為に居るのだろう?


 ――だなー。


 爆虫は爆発する虫だ。乗る為に居る虫ではない。


「このペースなら後数時間で着くっす」

「じゃあ、しりとりでもしようか」

「それがいいでござる」


 こうやって、俺達の時間は過ぎていく。



 ◇



「着いたっすよ」


 竜が降り立ったのは、森の一画。開けた場所だ。


「この森?」

「そうっす。近くの村の村人が、ここで変な屋敷を見つけたんすよ」

「なるほど」


 化け物屋敷の頭領は、支配系と召喚系の狭間にある様なユニークスキルを使い、屋敷を召喚する。屋敷は外からの攻撃じゃビクともせず、あの戦神しか破壊出来なかったほどの強度を持つという話だ。


「そう、いままでそんな屋敷はなかったから報告が来て、もしかしたら化け物屋敷かもしれないという事で、私が派遣されたっす」

「そうなんですか」


化け物屋敷は、召喚された屋敷の中から出ることはない。じゃあ、安全かといわれれば、そうでもない。やつらは屋敷に閉じこもり、魔物を外に吐き出すのだ。屋敷から吐き出される魔物は、討伐してもきりがない。元を断たなければ、ゴキブリなみの繁殖力で、次から次へとわいてくる。



「じゃあ、行くっすよ。小白『形状変化“竜槍”』」


 鈴玉さんがユニークスキルを使うと、竜が変化し、槍へとなる。


「出発っす」


 鈴玉さんの後を着いていき、俺達の探索は始まった。




 時には魔物に襲われ、時には木の根に引っかかり、時には桜が毒キノコを食べて倒れ、俺達は終に、変な屋敷へと到着した。


「ああ。これは確定っすね。本で見た屋敷の絵とそっくりっす」


 目の前に在る屋敷は、普通の洋館だ。しかし、不気味な雰囲気をただよわせ、今にも何かがとび出してきそうだ。


「よーし。突入するっす」

「ひゃっはー。行くでござるよ」


 こいつさっき毒キノコ食べて倒れたのに、あっというまに元気になったな。


「準備万端。いつでも良いよ」

「突撃」


 洋館の入り口を開け、俺達は探索を始めた。

 VS化け物屋敷は長くなる模様。反省しています。

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