零響
アマちゃん「ねー、シナっちー」
シナツヒコ「んー?」
アマちゃん「お酒飲むー?」
シナツヒコ「んー。ってなんだ? 突然」
アマちゃん「珍しいお酒が奉納されてたからー」
シナツヒコ「ふーん。なんだ? どっかの地酒か?」
アマちゃん「『零響』だよー」
シナツヒコ「……は?」
アマちゃん「だから、『零響』って日本酒」
シナツヒコ「そ、それ、1瓶40万以上するって超高級品だぞ!」
アマちゃん「へー」
シナツヒコ「どこの大富豪が奉納してきやがった!?」
アマちゃん「さー?」
シナツヒコ「流石に覚えておいてあげようぜ……。マジで……」
アマちゃん「じゃー、美味しかったら、誰が何をお願いしたのか調べてみようかな~」
シナツヒコ「そうしてやってくれ」
数十分後
トヨウケ「アマちゃん、おやつをお持ちしましたよ……? あら?」
シナツヒコ「アマ姉、寝ちまったぜ」
トヨウケ「おやつの時間に寝てるのは珍しいですね」
シナツヒコ「珍しく酒を空けちまったからな」
トヨウケ「お酒……ですか。まぁ、神と酒はつきものですし、アマちゃんはたまにしか飲みませんし、酔いつぶれるなんてほぼ無いはずなのですが……」
シナツヒコ「まぁ、今回は酔って、というよりは、美味くて満足したから、って感じだな」
トヨウケ「ふむ。それは珍し……い……って! この瓶は、『零響』じゃないですか!」
シナツヒコ「おう。俺とアマ姉で空にしちまった」
トヨウケ「なんで呼んでくれなかったのですか!?」
シナツヒコ「いや、それは、まぁ……。気が付いたら空になってたというか……」
トヨウケ「私も飲みたかったですよ!」
シナツヒコ「いや、すまん……。めちゃくちゃ美味かったもんで……。つい……」
トヨウケ「ああ~……。……それにしても、こんな高級品を一体だれが……」
シナツヒコ「アマ姉曰く『さー?』だとさ」
トヨウケ「こんな高級品なのに誰かも気に留めてないとは……。あー、あー、もう、一滴も残ってないじゃないですか……」
シナツヒコ「美味い酒って気が付いたら無くなってんのな……。次に奉納されてたらそん時は呼ぶわ」
トヨウケ「次があるんですかっ!?」
シナツヒコ「わからんけど……。……多分」
トヨウケ「じ、じゃあ、次は私も呼んでくださいよ!」
シナツヒコ「わかった、わかった。まぁアマ姉も『美味かったら、誰が何をお願いしたのか調べてみる』つってたし。次もあるんじゃねえか?」
トヨウケ「私も飲んでみたいので、是非そうしてもらいたいところですが……」
シナツヒコ(珍しくトヨウケが『願い』に積極的だな)
トヨウケ「……ですが、そう言って、アマちゃんは結局は調べずに忘れていく方が多い気もしますが……」
シナツヒコ「……それは否めん……(何を奉納しても、結局こういう神の気分次第ってのは、人間は知らん方が良いな……)」




