かすまき
店員「いらっしゃいー」
ツクヨミ「すみません。この『かすまき』の白あんと黒あんの切ってないやつ、10本づつ欲しいのだけれど」
店員「10個づつじゃなくて10本づつ?」
ツクヨミ「ええ。在庫が無いかしら?」
店員「そぎゃんも買うとですか? ま、まぁ、あるはあるとですけど……。法事か何かやっとですか?」
ツクヨミ「いえ、そういう訳では……」
店員「まぁ、どっちでもよかですけど。ちょっともってくるばってん、待っとってくれんね」
ツクヨミ「ええ。急がなくて構わないわ。店の中見させてもらっていいかしら?」
店員「好きに見とってくれてよかですよ」
ブラブラ……
ツクヨミ「……あら。これは何かしら。……『塩ロール』? へぇ。最近はこんなのも売ってるのね」
ブラブラ……
ツクヨミ「麦焼酎ね。うーん、お酒はたくさん奉納されていたし、今回はいいかしら……」
トタトタ……
店員「待たせてごめんね。持ってきたですばい」
ツクヨミ「ありがとう」
店員「お姉さん綺麗やっけん、まけとくばい。じゃあ、会計は、〇〇××円やね」
ツクヨミ「あら、そんな。でも、ありがとう。じゃこれ」
店員「ちょうどやね。ありがとうね。こいもおまけでつけとくばい」
ツクヨミ「あら、悪いわね」
店員「よかよか。そいじゃ、これ『かすまき』ね。重かよ。大丈夫ね?」
ツクヨミ「ええ、平気。ありがとうね。また来るわ」
店員「ありがとうねー」
チリンチリン……
ツクヨミ「……おまけで何か入れてくれたけれど……、これ何なのかしら?」
ガサゴソ……
ツクヨミ「……これ、『塩ロール』ね……。いいのかしら、こんなおまけしちゃって……。まぁ、ここの人たちは相変わらずって感じよね」
壱岐市 月讀神社
ツイ……
ツクヨミ「コク……ふう。やっぱりここで飲むお酒は美味しいわね。空気も綺麗だし。『かすまき』も美味しいし」
スッ……
ツクヨミ「モクモク……。ああ~。やっぱり『かすまき』は良いわねぇ。このどっしりとしたあんこが堪らないわ」
コク……
ツクヨミ「ハァ……。かすまきだけで、しばらくお酒が飲めるわね。『マッドケーキ』も良いけれど、やっぱり時々、無性にあんこが欲しくなるのよね。なんでかしら」
コクコク……
ツクヨミ「……そう言えば、おまけでつけてくれたこの『塩ロール』って食べた事無かったわね。どんな味なのかしら?」
サク……
ツクヨミ「モクモク……。んっ、しょっぱっ……あら、後から甘みが。……へぇ、こういう味なのね。焼酎にはちょうど合いそうね。悪くはないけれど、ちょっと塩気が強すぎないかしら……。でもこれなら、シナ君やトヨさんも好きそうね。父さんも好きそうだけれど……。いや、父さんにはダメね。これ、完全にお酒のお供だわ」
コクコク……
ツクヨミ「はぁ、美味しいわ。私には『塩ロール』はちょっと塩気が強いかしら……。やっぱり『かすまき』がいいわね」
モクモク……コクコク……モグモグ……コクコク……
その後 伊勢
ツクヨミ「姉さん、シナ君、これお土産よ」
シナツヒコ「お、サンキュー。おっ、壱岐の土産か」
アマちゃん「うにー! ……じゃない……。塩ろーる?」
ツクヨミ「たまには違う物をと思って。お酒に合う味よ」
アマちゃん「うに?」
ツクヨミ「ウニはまた今度ね。味見してみたけれど、『塩ロール』も美味しいと思うわよ」
シナツヒコ「……なぁ、『かすまき』はないのか?」
ツクヨミ「ないわよ」
シナツヒコ「……全部食べちまったな……?」
ツクヨミ「さぁ?」




