ディナーでの衝突 中編
「お父様、ならばわたくしにだって行けるはずでしょう? お姉様なんかが通えるなら、わたくしだって……」
リーズンが身を乗り出してお父様に話しかける。しかしお父様は目も合わせずにワイングラスを持ち上げて口をつけた。
「……其方は自分の立場がわかっているのか? 自分が罪を犯している自覚はあるのか? 魔力もなく地位を振りかざすだけの其方に何の価値がある? ……それ以上ハーリンを悪く言うのであればどうなるのか、わかるな?」
……わたしはわかんないです。なんでそんなにわたしを重要視するのか。
お父様が辛辣な言葉をつらつらと並べる。シーンと静まり返る中、リーズンは目を見開いてわなわなと震えていた。
リーズンはしばらくすると、グッと顔を歪めて立ち上がった。
「わたくし、気分が悪いのでもう部屋に戻ります」
リーズンはお皿に食事を残したまま立ち上がると、キッとわたしを睨み、食堂を出て行った。
「わたくしも失礼いたしますわ」
「私も、失礼する……ハーリン、学園への準備を進めておけ」
「……わかりました」
……みんなもったいないなあ。こんな豪華な食事に一体どれだけのお金がかかっていると思ってんのさ。
わたしは最後の一口を口に運んだ。
「ごちそうさまでした」
わたしは立ち上がって、食堂の壁に一列に並んだシェフたちの前に立って、体を前に倒して謝った。
「せっかくの料理を……申し訳ございません。皆様今日は少し気分がよろしくないようで……いつもありがとうございます」
「か、顔をあげてください! 私たちは働かせていただいている身分なのです。なのに、貴方様はいつも私たちにお優しく接してくださいます。感謝申し上げるのは私たちの方です」
謝りたかったのに感謝されてしまった。さすがハーリンだ。人望が厚い。
……でも、礼儀は大事だと思うんだよね。
「そうですか……わたくし、本当にいつも感謝しているのです。いつも美味しい料理、ありがとうございます」
「そう言っていただけると私たちも鼻が高いです。ありがとうございます、ハーリン様」
もう一度感謝してから、わたしはリリアンを連れて部屋に戻る。
離宮への渡り廊下を通って階段を登り、部屋の前まで来た時だった。わたしは誰かに後ろから声をかけられた。
「ねえ、お姉様。どうやってお父様をたぶらかしたのです?」
「……はあ!? たぶらかすだあ? 何言ってんの、あんた? ……あ、やべ」
もともと考えていたストーリー、
それに色々付け足すせいで
中編挟んでの後編が多くなりそうです。




