第8話 小学生編エピローグ
「......ごめんね。離脱しちゃって」
「は?」
「鞍本さんがいなくなって私たちが頑張らなきゃいけなかったじゃん? なのに怪我しちゃって......ごめんね」
何を言ってんだコイツ
「何言ってんだよ。俺が投げれなくなった時俺の代わりに投げてくれてたのはリカじゃん。謝るなら俺の方。リカたちの怪我が治る前に負けっちゃったし......」
「......ありがと......」
「それより中学になったらどうする? 部活って軟式だろ? それか中学生の部があるクラブに入るか」
「そうだね~......候補としては鞍本さんがいる倉敷南ガールズ、後は~」
「岡山マスカットカールズ......。リカの方にも勧誘来てんだろ?」
「まあね~。まあ全国制覇するにはちょうどいいよね~。強いし」
山本さんのいる岡山マスカットカールズが接触してきたのは引退した後だった。監督直々にプレゼンをして、男女関係なく野球が上手ければいいというスタンスは気に入った。徹底したメディカルチェックや最新の設備、栄養管理もしていると正直垂涎ものだった。更に私立清就高校と提携し、上の世代のチームとも特訓が出来るという点も魅力に感じた。けれど……
「やっぱ山本さんに勝ちてえよなあ......」
「だね~。じゃあ倉南?」
「けどずっと鞍本さんの背中を追いかけるのも負けた気がする......」
「うわ~、めんどくさ~」
「うっせぇ。......けどリカが行きたいっていうなら俺は喜んでいくよ」
「ッ!?」
これは紛れもない本音だ。正直リカが岡山に行きたいんだったらそこに行くし、倉南に行きたいって言うならそこに行く。確かに全国制覇というのは素晴らしいものなのだろう。実際に喉から手が出るほどその名誉が欲しい。けど、一番の優先順位はリカと野球がしたい。これは譲れない。リカが居てくれたから俺はここまでなれたし、不登校になっていない。中学生から始まる納精制度はマジでめんどくさくてサボりたいがそれもリカと一緒に野球が出来るなら苦じゃない
「オッホン。それより~......パートナー制度どうするの? 中学校までに決めなきゃいけないんでしょ~?」
パートナー制度は男性に孤独を感じさせないようにパートナーを一人以上選びそのパートナーと同じ学校に通うという制度である。建前は男性に孤独を感じさせないためになんて言っているが実際は女性に慣れてもらい、少しでも結婚する人数を増やしてもらいたいのが本音だと父さんが言ってた。まあ俺はハナから決まっているけど
「え、リカがやってくるんじゃないの?」
「~ッ!? ......やるけどさ~、もっとムードと言うかなんと言うか......」
「え、いや......普通に他の人は気まずいし......」
「! トモってそう言うところあるよね~。野球している人以外にはコミュ障というかさ~」
「ほっとけ」
「まあ、私が一肌脱いであげますよ~。......あ! そういえばちょっと気になっているクラブがあるんだよね~」
「どこ?」
「天城。中堅で投手中心のクラブだよ~」
「ふーん、一回見学に行ってみるか」
「おお~!」
見学させてもらってここに決めた。理由は通える距離であり、設備も整っている、投手育英のノウハウが膨大、飯が上手い、戦力も十分。まあ入るってなった時同級生や上級生が色めき立っていたのはもう慣れた。こればっかしは仕方ない。思春期だしな
後、リカには秘密にしていたことがある。それは俺がコミュ障だから他の人に頼むのが気まずいっていう理由じゃない。俺はリカが良かった。リカと離れたくなかった。それが本当の理由だ。だけどそれは言わない。恥ずかしいから
こんにちは、月照です。小学生編では男女比と貞操逆転はスパイス程度に……
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