第1話
うちの家庭は男子がいる家庭には珍しい放任主義だ。本来スポーツは危ないと止められることが多いらしい、ネットで見た。しかし母は俺のしたいことをさせてくれる。家系は大丈夫なのかや俺の父親とか親族からの横槍は大丈夫なのか心配したものの父親は月一の面会の時にキャッチボール出来たことに感動していた。なんでも珍しくボール遊びが好きで息子とすることが夢だったようだ。生憎俺以外の男の子が居らず諦めかけていたらしい。そこから面会が増えた。そこでわかったことは父親が母やそのほかの女性、特に護衛官への振る舞いが本当に常識的と言えるものであったことだ。ネットでこの世界の男性の振る舞いをまとめた記事を見ていたもののカルチャーショックであった。しかし、父親は俺にこう言った
「野球をするなら相手を尊重しろよ、女であってもな」
どの口がと思ったものの、普通の生活を送るならあの態度でいいがスポーツをするならそれ相応の態度になれという親心であろうことは理解した。まあ言われなくてもあんな態度はとらないが……まあかといって過剰に引き立てるなんてことはしない。めんどくさいし。飽くまで友人に接する態度でいいだろ。去り際に護衛官はどんな人がいいか父の護衛官が聞いてきたので野球が出来る人を希望した。壁打ちだけでは限界がある。野球はキャッチャーに取ってもらってはじめて成立する。野球盤の様にはいかないのである
数日後大学まで野球をやっていたという護衛官がやってきた。名前を調べるとプロ注の選手だった
「雫さんはなんで護衛官になったの? プロの方が稼げるでしょ」
「お金ではないのです、智様」
「様付けやめてよー、ていうかどうすれば速く投げれるの?」
「......まずは身体作りをして、中学生辺りからですね」
「長いなあ」
護衛官の雫さんにはキャッチボールやキャッチャー役になってもらっている。まあ筋力があまりないから18.44mではなく13mくらいしか離れていないが……やはり人に投げるというのは緊張するし、感覚が変わる。だから、面白い。楽しい。雫さんが上手いっていうのもあるんだろうな。しかし……同級生のキャッチャーとかいないかなあ……リーグに入るなら雫さんに取ってもらうことは出来ないし……。いやそんな都合よく現れるわけないか……
「......智くん」
「はい、はい」
「後ろに......」
そう言って振り向くと女子が一人壁から覗いていた。手にはグローブ。俺の直感が働いた。この子……キャッチャーだ! そうとなれば実行に移すのみ
「いっしょにやろー! 君どこの子~? ここらへん? ぼく智! よろしく!」
「うん! あたしリカ! このまえここにきたの!」
「じゃあご近所さんだ。キャッチボールしよ!」
リカという女の子とキャッチボールを雫さん監視のもとやってみたが、楽しい。キャッチボール自体楽しいというのもあるが、やはり年が近い子と一緒に遊べるというのが大きい。これまでは大人の年が離れた人たちとしか遊んでこなかったから余計に楽しい。にしてもこの子、すごい。暴投とかなくグローブにきっちり収まる
「うまいね!」
「トモくんも! すっごい!」
「トモくんってさあ!」
「うん」
「クラブってはいるのー?」
「うん!」
「どこー?」
「一番近いとこー!」
雫Side
「一番近いとこー!」
そう聞いた時冗談だろと思った。一番近いところは倉敷ガールズという弱小チームだ。彼は男子という贔屓目を抜きにしてもトップクラスの完成度を誇っている。彼なら強豪チームの岡山マスカットカールズでもレギュラーを張れるレベルだ。……いやむしろここで基礎を学び、中学校からリトルシニアでステップアップ、もしくは身体が出来だす高学年から強豪チームへという道もある。リカという少女も姿勢が綺麗であり、体幹もしっかりしている。彼女も時間が掛かるものの強豪チームで背番号を与えられるレベルになると感じた。彼女もいいピッチャーになる。智様の良きライバルになるだろうなと彼らのキャッチボールを見ながら彼らの未来を想像した
智Side
日も暮れ、リカと別れ、雫さんに柔軟を手伝ってもらった。次の日もリカが来て一緒にキャッチボールやピッチング練習を交互にやった。彼女の母は野球をやっていたようで彼女はピッチングの他にもバッティングも様になっていた。俺? ビームサーベルを振るような感じになって二人とも苦笑いをしていた。仕方ない。やったことねえもん。その日からピッチングと並行してバッティングの練習も二人に見てもらうようになった。バントってむずかしいんだな……
こんにちは、月照です。最初の方は速く更新できるよね……
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