反逆されてみた2
宰相がスターロッドを王様に向けている。
イスタとミュールはすぐに宰相に向かって切りかかる。
しかし、騎士達がやってきて剣で防ぐ。
俺とリルナはすぐに王様の前に立つ。
「君達が戦う必要ないんだぞ」
「何泊して何食食ったと思ってんだ。庶民と王族でも恩は返さねぇとだろ」
それに、見殺しにしたら目覚めが悪い。
「騎士達、洗脳魔法受けてる。ずっと無表情だし、顔に覇気がないし」
あと何人の騎士がこいつの味方だ?
この場にいるヤツらはイスタとミュールが相手してるヤツらだけであとは気絶してるな。
「スターロッド使うとは中々賢いじゃん」
火力バカになんねぇしな。
騎士達の人数差攻撃になったら俺達に勝ち目はねぇ。
こいつの持ってるスターロッドは1本。
俺の持ち帰ったもう1本は別のところにある。
宰相と戦うためにも探す必要があるな。
「王様、もう1つのスターロッドはどこに?」
「たしか、メタルクがまだ持っておった」
メタルクさんがか。
「よし、探しに――」
「その必要ない」
メタルクさんが王の間の扉から入ってくる。
スターロッドを持って。
かっこよすぎる。
「すまないな、ユウヤ殿。私は戦闘力ないし、これを受け取ってく――」
ドカーン!
メタルクさんがスターロッドを投げようとした瞬間、メタルクさん付近で爆発が起きる。
「あーれー」
メタルクさんはどこかへと吹き飛んでいった。
スターロッドもどこか明後日の方向へ飛んでいった。
宰相の杖先から魔法陣が展開していた。
俺達は唖然としていたが、すぐに血の気が引いていく。
「やばいって、リルナどうする? これ」
「ユウヤさんが考えてくださいよ、司令塔」
「俺、自分から俺が司令塔って言ったとことないんだけど」
「逃げたいお」
王様の足ガクガクと震える。
そんな俺達を見て顔色の悪い宰相は口を開く。
「他の、王子、王女も、殺す。王位を継ぐべきは、アステル様のみ」
めんどくさい、王位継承問題もち出てきやがった。
一旦そんなの無視だ無視。
「まずは、あなたです、王」
宰相はそう言って杖を王様に向け、洗脳した騎士達に向かって指を振る。
杖先から魔法陣が現れ、洗脳された騎士達はイスタとミュールを攻撃する。
「スタースパーク」
宰相の杖先から極太ビームが伸びてくる。
詠唱間に合わねぇ。
俺が体で受け止めようとすると、リルナの杖先から魔法陣が広がる。
「クリスタルエッヂ!」
魔法陣が広がると地面から大きなツララが伸びる。
ビームと一瞬の間拮抗したと思ったらビームを貫き、宰相に向かって進む。
宰相はスターロッドを振ってリルナの魔法を粉砕する。
「ナイス、リルナ」
「爆発音聞いた時から魔力圧縮しててよかったっす。でも、もう次はないかもっす」
「時間稼げただけでも大手柄だ」
俺は後ろに向かって魔法を放ち、壁を壊す。
「リルナは王様持ってどこか行け。一応離れんなよ」
「いや、でもユウヤさんじゃ無理じゃないすか?」
「当たり前だろ、何言ってんだ」
「否定するとこっす。今の」
俺がこいつに勝てるわけが無い。
「でも、俺が王様を守りながら逃げるのもまた無理だ。お前には羽がある。逃げながらスターロッド探しを頼んだ」
「分かったっす。死んでも後悔しないでくださいっすよ」
リルナはそう言って王様を連れて飛んでどこかへ行った。
「スタースパ――」
「逃げる最中狙うのはダメだろ」
俺は宰相めがけて手をかざす。
宰相はさっきから動いてない。
これなら、神代魔法の発動位置考えなくて済む。
「オルビス・ウィンクラ!」
俺が魔法を発動すると宰相の足元に魔法陣が現れる。
よし、魔力さえ使えなくなれば俺の筋肉でボコボコにしてやる。
「素人同士のケンカが1番派手なんだぜ」
魔法陣が光り始めた瞬間、宰相はビームで床を壊す。
ここが2階だからか、宰相は下に落ちる。
建物の床そう簡単に壊すなよ。
宰相は杖先を下げる。
「シューティングスター」
すると、宰相は魔法陣を自身の足下にだす。
魔法陣からは火をまとった岩がたくさん飛び出てくる。
その岩に乗って宰相は飛んでくる。
俺は岩の全てを避ける。
岩から跳んで空高くから宰相は杖を俺に向かって振り下ろす。
俺は魔力で強化した腕で耐える。
「200kg持っててよかった。これだってこれ250kgぐらいあんもん」
筋肉落とした今は普通に持てないけど。
宰相はそこから杖を振り回し攻撃してくる。
「魔法使いの癖して近距離ファイトかよ」
近接ならイスタとミュールがいないと困るが、今あの2人は騎士達と戦って苦戦気味だ。
殺しなんてもってのほかだからな。
悪人じゃないんだし。
宰相は俺の土手っ腹を杖で突く。
うぐっ。
そのまま宰相は肘で俺の顔を殴る。
俺はその衝撃で地面に倒れる。
早く立て直さないと。
「神よ、彼の者に神の啓示を与え、我に道を正せる権能を使わせたまえ」
たしか、これ洗脳魔法の詠唱だ。
宰相は俺に杖を向ける。
「パクるけど訴えんなよ」
俺は床を全力で殴って床を壊し、1階へと落ちる。
「はい、ここで土魔法っと」
1階の床から土の壁を生やし、俺がその上に乗ると上へ上へと伸びていく。
そして、2階の床を突き破る。
「魔法回避術パクってやったぜ、やっほい」
俺は宰相に向かって手をかざし、詠唱する。
「フレイムアロー」
俺の腕先から火でできた矢が出来上がり宰相に向かって飛ぶ。
宰相はスターロッドで受け止める。
「頭冷えっ冷えだな。ちゃんと血回ってんのか?」
宰相は俺の煽りに眉をピクリとも動かさない。
感情ないのかよ。
俺が呆れていると宰相に向かって火をまとった岩が飛んでくる。
魔法か?
俺が魔法の射出元を見るとアステルが手をかざしていた。
「にーに、大丈夫?」
「あぁ、にーには大丈夫だ。お前は早く――」
「あぁ、アステル様。貴方様を、王にしてみせます」
アステルを見た宰相がそう呟く。
「にーに、この人はセイがなんとかするよ」
「にーにをいじめてたのはにーにを見れば分かるから」
俺は自分の頬を触る。
いて。
これ腫れてんな。
「アステル様を、王に」
宰相はそう言って俺に近づいてくる。
「まだやる気ってことかよ。アステル、危なかったらにーにが全力で助けるからにーにを助けてくれ」
「もちろん」




