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異世界でも動画配信者  作者: ワクルス
お星様の言う通り
67/73

特訓してみた2

――2日目――


俺はトレーニング場へと向かった。

今日も今日とて筋トレした。


「おい、どうした。50kgも持ち上げれねぇのかヘタレクソナス。お前なんてスライムの糞以下だ」

「うっせぇ、ダルマ共。算数勝負で戦ってやるよ」

「口動く前に手を動かせやぁぁぁ!」


俺は鼻からフンと息を出す。


100%殺(ひゃくころ)す。

俺にこんなことさせやがって。


俺は歯を食いしばりながらダンベルを上げた。


こうしてまた一日が過ぎた。

若干体が仕上がってきた喜びも束の間。

晩御飯を食べた後に寝てしまった。


アステル、本当にごめん。


――3日目――


「100kgがなんぼのもんじゃい!」


俺は100kgダンベルを持ってスクワットする。


「やっと、人間になりやがったか、うんこ野郎」


騎士の人達はうぅぅと涙を流す。


「はっ、てめぇらごときの涙なんか見たら目が腐っちまうだろ」

「喋る余裕あり、もう50kg追加」

「うぇ!?」


あ、死ん……


「……でない! 50kg追加程度で俺が死ぬわけねぇだろ」


俺はフンッと足を上げきった。


「これだけじゃねぇぞ」


俺はさらにそこから何回もスクワットしてみせた。


今日は晩御飯食べる前にトレーニング場で寝てしまった。


これ、朝起きたらすぐトレーニングだな。


――4日目――


俺は200kgのダンベルを軽々と上げる。


はい、5セット完了っと。


俺はダンベルを元の場所に戻す。


「ふ、やっと完成したな」

「ユウヤ殿覚醒ッ、ユウヤ殿覚醒ッ」


騎士達が俺の名前を連呼する。


俺は騎士達をギロリと見て筋肉に力を入れる。

すると、服がビリビリと破れる。


騎士の人達が俺に向かってパチパチと拍手し、歓声をあげる。


「肩にちっちゃいドラゴン飼ってんのかい!」

「腹筋レンガ造りぃ!」


俺はそこら辺のボディービルダーぐらいムキムキになっていた。


ふ、こうなるまで大変だったぜ。

今ならなんでもできる気がする。


俺がムキムキさを見せつけていると騎士の人が歩み寄ってくる。


「ちゃんとこれからも筋トレしろよ」

「お前らの筋肉下に見るまではやってやるさ」


互いに見つめあ合ってフッと笑い合うと手をがっしり握る。


「じゃあな」


俺は手を振ってトレーニング場を去っていった。


てか、なんで俺筋トレさせられてんだろ。


俺は城内を歩いて部屋に向かう。


「……ん? 何か大事なこと忘れてないか?」


俺はあごに手を当て考える。


「あ! 神代魔法の練習忘れてた!」


俺はトレーニング場に向かって走る。


向こうにメイド人がいた。

メイドさんは俺に気づく。


「あ、ユウヤ様。先日の夕食の際はいかがなさい――」


俺は力に任せて床を蹴って走る。


あれ、俺に話しかけてた?

うーん、まぁいっか。


俺はトレーニング場についてすぐに魔法練習場に着く。

そこにはリルナもいた。


「お、リルナ。なんか久しぶりだな」

「あ、ユウヤさん久しぶ、ってえぇぇぇ!?」


リルナは俺のムキムキな体を見て驚く。


「どうしたリルナ。そんなに驚いて」

「いや、これは驚きっすよ。どんな体になってんすか」


まぁ色々あったんだ。


「今はそんなことより――」

「そんなことで済ましていいんすか? それ」


リルナの呆れ顔を横目に手を前にかざす。


なんだろう、不思議とできないって感じがしない。

筋トレの方が辛かったし、できないとも思ったからか?

まぁいい。


魔力は空中で絵を描くように動かして魔法陣を書いてっと。


魔法陣を書いた瞬間、辺りの空気が変わる。


とんでもない力が湧き上がってくるかのような雰囲気だ。


リルナがゴクッと固唾を飲む。


「オルビス・ウィンクラ」


俺がそう唱えると白い光が部屋の中を埋め尽くす。

若干、力が持っていかれた感覚が手に残る。


「できたのか?」

「前見た時もこんな感じだったっす」


でも、何も起きてないような……


俺はあのダンジョンのエルフの記憶を思い出す。


そうか、これはトラップ式。

踏まないと発動しない。


俺は恐る恐る魔法を発動した場所に近づく。


そして、1歩足を踏み入れると複雑な線が絡み合った美しい1つの絵になっている魔法陣が現れる。


すると、体の中で何かが重たい鉛のようなものがある感覚におちいる。

でも、その鉛に重さはない。


「どうしたんだろうか?」


俺は自分の手を握る。


「たしか、ゴーレムは動きが止まってたっす。多分、魔力の動きを止める魔法だと思うんすけど」


俺はリルナが言っていたことを聞き、早速魔法を打とうとする。


しかし、体の中の魔力が一切動かないことに気づく。


俺は何回も試すも魔法が打てない。


「これが、神代魔法か。やっと、やっと使えた」

「良かったっすね」


リルナはそっと微笑む。


俺は嬉しさのあまり大きく息を吸い込んで大きく口を開ける。

開けた口から一気に空気が出ていき――


「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


町中に響き渡るような大声となる。


リルナは俺の声を聞いて羽耳からぴゅるーっと血が吹き出る。


俺は息を出し切り、ぱあっと笑顔になる。


「やっと、俺にも使えるようになったんだ」


何がトリガーになったのかさっぱり分からないけど。

やった!


リルナは耳を神聖魔法で治しながら俺に近づいてくる。


「ん、どうした? リルナ」

「ユウヤさん」


リルナは俺の体を触る。

そして、俺の顔を見て一言……


「筋肉落とすっす」


リルナは冷たく言い放つ。


「え、なんで」

「ユウヤさんの大声で鼓膜破れたっす。普通にやばかったっす」


リルナはまじまじと俺を見つめてくる。


俺は根負けし「はい」とだけ呟いた。


「てか、なんでリルナがここに?」

「ダンジョンの時、やっぱり火力不足だなと思ったんす。だから、魔力圧縮をもっと早く出来るようにならないかなと」

「なるへそ。じゃあ俺ももうちょっと――」


リルナはマジマジと俺を見つめる。


……はい、先に筋肉落としてきます。

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