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異世界でも動画配信者  作者: ワクルス
お星様の言う通り
66/73

特訓してみた1

俺は城に戻ってベットに飛び込む。


「腰いてぇ。あの椅子硬すぎんだろ」


椅子で寝たのマズったか?


俺はベットをモフモフ触る。


「柔らけぇ」


雲の上で寝てるみたいだ。


鼻の奥にフワッとアステルの匂いがする。


やべぇ、いい匂いだ。

ってあれ?

昨日城で久しぶりに寝た時はアステルいなかったよな?


毎日洗濯してる言ってたし。


「にーに!」


部屋の扉がバンっと開く。


「おぉ、アステルゥ」

「にーにー」


アステルは俺に向かって飛びついてくる。

俺はそれを受け止め――


「ゴフッ」


アステルの頭がみぞおちに入る。


う、いてぇ。


「にーに、やっと戻ってきたんだね」

「あぁ……にーに、帰って、きた、ぞ」

「あれ? にーにどうしたの? 元気ない?」


うん、腹が痛くてな。


「そういえば、お礼言ってなかったな。アステルのお金、俺のために使ってくれてありがとうな」

「にーにのためならこれぐらい普通だよ」


俺はアステルの頭を撫でる。

アステルはふふーんと嬉しそうに口角を上げる。


癒されるー。


冒険以外の疲れがココ最近溜まってたからな。

冒険者なのになんで冒険以外で疲れてんだよ。


冒険で思い出した。

イスタは俺が神代魔法を使ってゴーレムの動きを止めたって言ってたな。


俺はアステルをなでる手を止める。


俺が神代魔法を使ったのか。

どうやって?


前までは使えなかったし、今も使える気はしない。

無意識状態が、何かしらの要因になったのか?


「ふむ」

「にーに、どうしたの?」


アステルは上目遣いで疑問を投げかける。


かわい。


「疲れ溜まってるけどちょっとトレーニングしようかなって」

「えー、にーにはセイと一緒にいてよー」


めちゃくちゃ一緒にいてぇー。

でも、今は体にムチうってでも頑張りたい気分なんだ。


「夜は一緒に寝ようぜ。そん時にダンジョンの中での出来事とか教えてやるよ」


アステルは不貞腐れたような顔で俺を見る。


「ならいいけど。晩御飯食べたらすぐ部屋に来るからね」

「あぁ、もちろんだ」


さてと、特訓と行くか。


俺は城内のトレーニング場に着く。

そこでは騎士の人達がトレーニングに勤しんでいた。


皆、ムキムキだなぁ。


「こんにちはです」


俺が挨拶をすると騎士の人達は俺を見る。

そして、ゾロゾロとやって来る。


「ちょうど良かった」


騎士の人達はキラリと目をギラつかせる。


え、なに怖い。


「なんだ、そのマッチ棒みてえな腕は?」

「スライムみたいな足しやがって」


だってひ弱系男子だもん。


「ここには王族は来ねぇ。お前を助けるやつは誰もいねぇよ」

「な、何する気だ」

「決まってるだろ」


騎士達は俺をベンチに運び、ダンベルを握らせる。


え、これおもっ。


「ダンベル20kg10回5セットはじめぇ!」

「はぁぁぁぁ!?」


俺魔法の練習しに来てんだけどぉ。


「なんで俺がこんなことしないといけないんだ」

「いいからやれぇ!」

「理不尽!」


俺は沢山の罵声を浴びせられる。


なんで俺がこんなことしないといけないんだ。

意味が分からない。


「なぜ手が止まっている!」

「頭が状況理解できてないからだよ!」

「理解する暇があるなら手を動かせ!」


騎士は俺に怒鳴りつけてくる。


酷すぎる。


俺は仕方なくダンベルを持ち上げる。


これキッツ、やべキッツ。


俺がはぁはぁ息を荒らげながら手を止めているとゴミを見るような目で騎士達は俺を見る。


流石に頭にきたぜ。


「ふんが! ふんが! ふんがぁぁぁぁ!」


俺は両腕パンパンになるぐらいダンベルを上げ下げした。


「……筋肉痛やべぇ」


筋繊維がプチプチ言ってる。

ゴーレムの時以来……って結構最近だな。


でも、筋肉痛があるってことはこれ以上やっちゃダメな証だ。


「じゃあちょっと休息とりますね」


ササッと逃げ――


「次、足いくぞ」


騎士人は俺の肩を掴む。

俺の中で何かが切れる。


「上等だ、ゴラァ!」


俺は重りを身につけてスクワットをする。


足がイカれそうだ。


「イカれてんのはお前らの頭だけで十分だっての」

「喋る余裕あり、10kg追加」


体がさらに重くなる。


「脳筋野郎が!」


しんどい、しんどい……でも、ここで逃げたらこいつらにギャフンと言わせられない。

勝手に俺のことトレーニングに巻き込みやがって。


「ぶおらぁぁぁぁ!」


俺は大声を叫びながらスクワットする。


「上げたぁぁぁ! 」

「ゴミムシがあげやがったぜ」


騎士達はハハハと笑いながら何回上げたか数えてくる。


「てめぇらみたいなオークにでも上げられるなら俺にも上げれるってんだよ」


俺は強がりながら体を上へと足で押し上げる。


「あ? 30kgが何言ってやがる」

「俺達のいつものやつの半分にしてやれ」


騎士の誰かがそう言うと俺に30kgの重りを追加する。


「いつも120kgとか頭おかしいんじゃねぇの」

「オークの俺達に出来てお前にできなかったら」


騎士は俺を見下しながら口を開く。


「お前、これからスライムの糞な」

「余裕のよっちゃんイカってところだ――」


俺はあまりの重りに負けて倒れる。


流石に、もう筋肉痛がやべぇ。


騎士の中から1人のやつがやってきて俺の体に手をかざす。


「はい、神聖魔法」


そいつが俺の筋肉痛を癒す。


「これでまだ追い込めるな、スライムの糞」


騎士の人は俺の口にプロテインをぶち込む。


「はい、もう2セットな。スライムの糞」


バカにされたら下克上されるってこいつらは知らねぇのか?


「やってやるよ、このスライムの糞がよぉ!」


俺は騎士共への恨みをそのままに筋トレをし続ける。


今晩、アステルが部屋に来るも俺はすぐに寝てしまっていた。

朝起きた時、アステルは怒り心頭だった。


本当にごめん。

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