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異世界でも動画配信者  作者: ワクルス
お星様の言う通り
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星屑のダンジョン攻略してみた8

俺は工房に行く。


助けるとは言ったが実際助けるためにどうすればいい?


ただ、鉄で作るだけじゃ無理だ。

もっと特別な素材がいる。

だが、どんな力を持った素材かが分からない。


薬を作る素材?

いやだから薬は作れねぇんだって。


それなら、薬を作る何かを作れる素材?

そんなことできる素材があるなら俺が知らないわけがない。


「いや、待てよ? 薬を作れる人を探すのなら、お星様ができるんじゃねぇか?」


あいつはよく言っていた。

お星様が俺とあいつを引き合わせたと。


「お星様なら人を探せる」


俺は試行錯誤を重ねてカナヅチを振った。


人を探すだけじゃダメだ。

素材も探せねぇと。


1でも可能性があるなら叶えれるように……


カキン!


俺は冷却水から取り出す。


それはキラキラと小さな粒達が輝き、淡く光っている。


「星の羅針盤。お前の名前は星の羅針盤だ」


俺は星の羅針盤を持つ。


あいつを……俺のたった一人の友を若返らせてくれ。

ドワーフである俺と同じ時間を歩めるように……


俺は強く願う。

しかし、針は一切動かない。


俺は妙な胸騒ぎがしてあいつがいる場所へと走った。


「おい、大丈夫か!?」


友は地面に寝たままピクリとも動かなかった。


間に合わなかった……


俺は羅針盤を落とし、膝から崩れる。


肩をプルプルと震わせ目から涙が滴る。


近くにはスターロッドと手紙が置かれていた。


俺は手をプルプルと震えながらも手紙を手に取り読む。


「お星様が言っていた、君はすごいやつだと。ほんと、誇らしいよ。君の発明を見れなかったのは残念だ。でも、僕はいつでも君のことを見てるからな。追記、スターロッドを僕の家族に渡してくれ。君をここに連れてきたことに後悔はないが罪悪感はあるんだ。嫁には悪い事をしたと思ってるし」


手紙はドワーフ語で書かれていた。


追記なんて書く余裕見せやがって……ご老体のくせに。


俺はハハと笑う。


友の余裕さに涙も引き、ザワついていた胸もおさまる。


星の羅針盤を手に取る。


「スターロッド届けたらどうするかな」


俺がポツリと呟くと星の羅針盤がギギギと動く音がする。


「これは……あいつのいた集落の方向」


もしかして、ここに行けば届けられるとでも言いたいのか?

探し物だけじゃなく、願い事まで?


俺は恐る恐る口を開く。


「ひ、人を蘇らせたい」


羅針盤の針がギギととある方向を指す。


これまで叶えられるのか。


蘇らせれるのか、こいつを……


俺は元気そうに立って笑う友の姿を想像する。


「この際、蘇りでもいいんじゃねぇのか?」


俺は針の方向へ足が動く。


……はっ!?

普通に考えてダメだろ。

死者を復活させるなんて、倫理的に。

こんな危険な羅針盤は壊そう。


俺は腕を高くあげて地面に強く地面に叩きつけようとする。


だが脳裏にこれを作るまでの過程とこれにかけた情熱が事細かに蘇る。


腕が動かねぇ。


「これは星の力も使ってんだ。俺が死んだ後、誰かがこれを使って人殺したらどうすんだよ。星が人を殺したも同然なんだぞ。あいつの好きだった星を汚してもいいのかよ!」


俺は腕を動かそうとする。

しかし、動かない。


「……俺って本当にバカだ」


俺は羅針盤を地面に置く。

そして、少し考えたのち、手を強く握る。


「作るか」


そこから俺はすぐにダンジョン作りに着手した。

スターロッドを届けるのは大変だったけど、その道中でダンジョン作るのにいい場所を見つけれた。


あいつの好きな星を汚させないように羅針盤はここの最奥に封印しよう。


最奥の部屋っぽいのをここに作って、ここ以上の物はないと思わせるために豪華にしておこう。


ほんとの最奥に辿り着かれそうになった時ように簡単な問題でわざと正解させて入口付近に吹き飛ばそう。


それでも、たどり着かれそうになった時のためにゴーレムを作ろう。

とても強く、とにかく強く、誰よりも強く、強い、最強のゴーレムを。


そして、ずっと、刻み付けろ。


「お前はバカ者だ」


自分の子供が他人の尊厳傷つけるかもしれないのに放置してしまったんだからな。


もし……もし、ここにたどり着いたやつがいるならこれを壊してくれたらいいな。



――――ユウヤ視点に戻る――


「はっ!?」


俺ははっと気づいてすぐに羅針盤から手を離す。


「どうしたの、ユウヤ?」


イスタ達が俺に近づいてくる。

そして、羅針盤を見てイスタはあぁと言った顔をする。


「これに触れちゃったんだね。魔道具の中には製作者の気持ちが強すぎて製作者の記憶を持ってる場合もあるんだよね」


そうなのか。

まぁ、良かった。


俺は羅針盤を見つめる。


俺も作り手の気持ちが分かる側の人間だ。

俺にはこれを壊せない。

ごめんな。


「これ、どんな魔道具なんだろ」

「羅針盤っぽいっすし、探し物を探す魔道具なんじゃないっすか?」

「それか、人」

「もしくはその両方かもやで」


皆、この羅針盤について盛り上がる。


俺はニコッと笑う。


「これはただの羅針盤みたいだ。ここの製作者の初めての作品みたいでな」

「なんだ、残念」

「初めてが羅針盤って変わってるっすね」


皆、羅針盤に興味をなくしたのかさっきいた所に戻る。


俺達がこれ使って魔王を殺すことになったら星を汚すことになる。

それだけはやってはいけない。


俺は皆がいるところに行く。


それに、行く方向決められちゃったらすぐに旅が終わってしまう。

そうなったら動画撮る機会減るし、動画投稿者として許せんな。


「でさー、うがいする時に塩と間違えて砂糖をお父さん入れちゃってさー」

「もう1回歯磨きしなきゃっす」

「可哀想」

「イスタの親父さん、めっちゃドジやん」


俺達はもうここに来ることはない。

俺たちの旅をここで立ち止まらせる訳にはいかないから。


でも、もし可能なら誰か、あのゴーレムを倒して羅針盤を壊してくれ。


ドワーフの愛情に比べたら星屑のように小さい、けれど確かに、光り続けている――そんな思いを叶えてやってくれ。

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