星屑のダンジョン攻略してみた5
ドゴーン、ドガーン。
ゴーレムのパンチは1発1発の風圧が凄まじく髪の毛がバサッと立ち上がる。
ゴゴゴゴゴ。
ゴーレムが両腕を振り上げると勢いよく振り下ろす。
ドゴーン、バキッバキッ。
地面が割れ、地形が盛り上がり足場が不安定になる。
そのせいでなかなか踏ん張れない。
「カースドロックショット」
リルナは岩の塊をゴーレムに飛ばす。
ゴーレムはそれを腕で軽々と受け下から来る2人には足を払う。
2人はそのせいか中々近づけない。
リルナの上空からの攻撃が今のところ唯一の攻撃手段だが、いまいち食らってる様子がない。
俺も何度か魔法を打ってはいるがスターロッドで強化された魔法でさえ傷がつかない。
(こいつ、やばくね?)
(ユウヤ達頑張れ)
(負けんな!)
応援コメントが次々と押し寄せる。
少し力を貰ったような気もする。
「神よ、我に目の前の敵を貫く力を」
俺の詠唱により現れた岩のドリルがグルグルと空気を吸い込むように回転しゴーレムに向かって飛ばす。
火花を上げゴーレムの体を削るもゴーレムが握りつぶす。
「ユウヤさん、こいつ倒せるんすか!?」
「リルナは全力で魔力を練るんだ。ロケットパンチの対策は俺がやる」
俺はそう言ってそこら一体にスクリーンをたくさん配置しリルナを映す。
ゴーレムは困惑するがべキッと地面の一部を剥がす。
そして、ひと握りで小石程度の大きさの石を沢山作り回転しながらズドドドドと辺りに乱れ打つ。
「ちょちょちょ、ユウヤさん、これ逆にやばくなってるっす」
「こんなん聞いてねぇよぉ」
「落ち着いて、死んだふり」
頭は冷静にしてるけど流石にこれは動揺する。
何をしてもあいつにとっては無駄なんだ。
「ミュール、なにするんや?」
ミュールはケンケンをさやにしまう。
「ちょっと、本気出す。原獣牙」
ミュールは大きな獣と共にゴーレムを殴る。
「あつい!」
「だから、言ったやろ。そいつは熱いから殴ったあかんって」
「でも、今はこうでもしないとダメな気がする」
ミュールが殴った後は多少傷が付くがすぐに元通りになる。
ゴーレムはミュールを掴み投げ飛ばす。
(インギャァァァァ!)
(ミュールちゃーん!!)
ミュールはクルッと身を翻し、壁に綺麗に着地する。
(ほっ)
あいつ、危なかったな。
「ユウヤ、リルナ、ゴーレムに当たらなくてもいい。とにかく土魔法飛ばして」
イスタはそう言ってゴーレムに向かって走り出す。
「分かった」
俺達は沢山の土魔法を放つ。
ゴーレムは近づいてきた土魔法を腕でなぎ払う。
イスタは俺達が飛ばした土魔法を足場にゴーレムの上に登る。
今魔法あったら邪魔だな。
俺達は魔法を撃つ手を止める。
「こいつにも効いてくれると嬉しいんだけどな」
イスタは火傷を負いながらも剣をゴーレムの目部分に突き刺す。
ゴーレムは慌てず体から大量の蒸気をだす。
「うわっあつ」
イスタは剣をゴーレムの目に刺したまま地面に落ちる。
ゴーレムはイスタを蹴りあげる。
「うぐあ」
宙に上げられたイスタに向かってゴーレムはロケットパンチを放とうとする。
俺とリルナは圧縮した魔力で土魔法のドリルを放つ。
ゴーレムの表面をゴリゴリと削るもゴーレムは関心を示さずイスタに向かってロケットパンチを放つ。
イスタに直撃した瞬間ミュールが高く跳びイスタを抱え助ける。
「ごめん、間に合わなかった」
そして、リルナのもとに運ぶ。
イスタは痛そうにしながらも立とうとする。
リルナはすぐに回復し始める。
「良かったっす、左腕骨折だけっす」
ゴーレムは片手でドリルを払う。
「ピューンピューンピューン」
ゴーレムは甲高い音を出すと腕の岩をぐにゃぐにゃと変形させ剣のような物を作る。
そして、
ミュールはケンケンを抜いて振り下ろされた剣を耐える。
「ユウヤも手伝ってくれ。ミュール、ワイに魔力流すん下手くそやねん」
何回も折ってるのそういうことかよ。
俺はミュール横に立って一緒にケンケンを持つ。
そして、ケンケンに魔力を流す。
「ユウヤ、ここお願い」
「おう⋯⋯はっ!?」
ミュールは俺を置いてちょっと離れる。
俺はケンケンでゴーレムの剣を受け止める。
筋肉プチプチいってるぅ。
魔力で強化強化強化。
10トントラックでスクワットしてる気分だわ。
あ⋯⋯やばい。
俺の視界が黒くなっていく。
ゴーレムの剣に押し負けそうになると両側にイスタとリルナの2人がやってきて俺を支える。
少しマシになった気がした。
ミュールは助走をつけて跳んでイスタが刺した剣に向かって拳を構える。
「原獣牙」
背後のライオンと共に拳をイスタの剣を殴る。
ミュールと剣の2重の衝撃がゴーレムを後ろにのけぞらせる。
ミュールはゴーレムの背後に着地する。
(初コメです。岩は冷やしてから温めると脆くなると聞いたことがあります)
「タイミング完璧かよ、視聴者さん」
俺はイスタとリルナと目を合わせる。
「氷魔法だ。あいつは常に熱気を発してるから冷やすだけでいけるはず」
「分かったっす」
リルナはそう言って氷魔法を放つ。
「ケンケン借りるね」
「任せろや」
イスタはケンケンを手に取る。
そして、ゴーレムの横を位置取る。
「リルナ、氷魔法ちょうだい」
「はいっす」
イスタはリルナが放つ魔法をケンケンで受ける。
「魔法剣、カースドクリスタルソード」
ケンケンに紫がかった冷気がまとう。
なーにそれ。
「呪氷界」
イスタはケンケンでゴーレムに向かって空をなぎ払う。
すると、地面から紫がかった氷の塊が波を打つように出てくる。
ゴーレムの足元を凍らせその氷はゴーレムの体に張り付いて徐々に広がる。
足が動かせなくなったからかゴーレムは地面に倒れる。
(やったか?)
(あ、)
(カス)
ゴーレムの熱気が体に張り付いた氷を溶かす。
ダメか。
「⋯⋯はダメなやつっす、うちはダメなやつっす、うちはダメなやつっす」
リルナの体から紫色のオーラが溢れ出る。
リルナは杖をゴーレムに向ける。
「カースドクリスタルレイン」
杖先に魔法陣が開かれたかと思うとゴーレムの周りを囲むように魔法陣が増える。
魔法陣からは紫がかった氷のトゲが雨のようにゴーレムに突き刺さる。
ゴーレムの体に氷が侵食していく。
ゴーレムは飛び上がり、着地の衝撃で全ての氷を割る。
それもダメか。
俺はスターロッドをゴーレムに向ける。
「神よ、命奪いし極寒の冷気をまといて顕現しかのものの息の根をとめたまえ」
俺が詠唱し終わると背後にゴーレムの巨体すら超える氷の巨像が現れる。
めちゃ寒いな。
俺はゴーレムに向かって拳を構える。
「俺の全力でもくらっとけ!」
氷の巨像は俺の動きに合わせて拳をゴーレムに向かって振る。
ゴーレムも氷の巨像を殴る。
拳と拳がぶつかる。
その衝撃が周りにいる俺達に伝わる。
踏ん張るも後ろに押される。
熱気で氷を溶かしている。
巨像の氷がみるみるうちになくなっていく。
(でも、氷は溶ける時に周りの温度を奪う)
ゴーレムが氷を溶かすスピードが遅くなるも氷が全て溶かされる。
ゴーレムに熱気が戻る。
「今だ、ミュール!」
俺の声が響いた瞬間、背後にいたミュールがゴーレムに向かって殴りかかる。
「原獣牙!」
ミュールの拳がゴーレムの体に突き刺さる。
ゴーレムの体がピキピキと音を鳴らす。
全員が核の露出を期待した瞬間ゴーレムの足がぐにゃぐにゃと変形し出す。
「ピューンピューンピューン」
ゴーレムから甲高い音が鳴る。
その音はどんな不調和音よりも不快だった。
ゴーレムの足が変形するとグルグルとプロペラのように回転し、空を飛ぶ。
そして、背中に突き刺さっているミュールを凄まじい勢いで自分ごと壁にぶつける。
ゴリゴリと壁を削りながらコロシアム内を飛び回る。




