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異世界でも動画配信者  作者: ワクルス
レッツゴー異世界
18/25

初心者用ダンジョン攻略してみた3

俺達はロープを伝って下に降りる。


「ひぃぃ! 怖ぇ」

(ユウヤ、死亡事故だけは辞めてくれよ)


不穏なこと言うのやめてくれ。


手汗で滑りそうになりながらも死の恐怖が俺に万力の握力を与える。

ロープが軋む度に気を失いかけ、足元に広がる黒い闇が俺を喰らおうとするように感じる。

人魂の出す明かりにすがりながら俺はゆっくりと降りる。


そして、ついに地面に着いた瞬間、安堵のあまり腰が抜ける。


「死ぬかと思った」

「ビビりすぎだって」


イスタとミュールは簡単に降りてくる。


お前らの恐怖感が頭おかしいだけだ。


下の階は上の階と雰囲気がまるで違う。


例えるなら、上の階は花畑でお母さんが0点のテストに怒りながら走ってくるのに対して、下の階は暗い夜のみちに血まみれの包丁を持った男が走ってくる感じだ。


同じレンガ造りなんだけどな。


(これが異世界かぁ)

(俺ならもうチビってるね)


視聴者達もこの雰囲気の違いを感じてくれたようだ。


俺達は慎重に足を進める。


「ごめんだけど、今は喋れないかも」

(しゃーない)

(命大事にでいけ。ガンガンは行くな)


視聴者優しい。


(ユウヤ、前でろ)

(男だろ。根性見せろ)

「この世界は男女差ないんですぅ。魔力で肉体強化できるから力の差を作れないんですぅ。それと男女差別はそっちダメだろ」

「ユウヤ、慎重に」


イスタに呆れながら言われる。


「はい……」


視聴者達と言い争いをしたら変なとこ切り抜かれるかもしれないしやめておこう。


俺は呼吸を整えてまた1本踏み出す。


足元がピカーンと光ったと思うと、足元に魔法陣が現れる。


「……マジやばくね?」

「ん」


ミュールは素早く走って俺を引っ張る。


魔法陣からは炎がボアーと出て背中を焼きそうになる。


「たすか――」

「やばい、光に反応してモンスター達が」

「ミ○キーもいる」

「ミ○キーやめろ。いいか? 今からこいつはミキだ。わかったな?」


って、今は垢BANの心配をしてる暇はない。


俺は詠唱を始める。


2人は前に出てミュールが陽動しイスタがトドメを刺す。


「魔法行くぞ」


火の玉を出す魔法を連続で放つ。


イスタ達は俺の火の玉に気づきながらもまだモンスター達の近くにいる。


「いや、お前ら早く退かないと」


イスタ達は俺の火の玉を弾いてモンスターに当てたりかわしたりでずっと前にいる。


え、強すぎない?


(2人とも強くて草)

(ユウヤ、お前の判断は正しい)

(今日でユウヤ擁護派に寝返るやつ多いなwww)


2人はふぅーと言いながら戻ってくる。


もう、あの2人に倒せないやついないだろ。


魔王もワンパン。


「このダンジョン、ドワーフが作ったと思ったけど多分、エルフが作ったやつだね。さっき出てきたモンスターも召喚獣一覧にで見たことあるようなやつばっかだし。魔法式の罠だし」


そうなんだ。


俺的には殺しても動画にできるちょうどいいやつ程度の価値観だったな。


これが知るってことか。


「な、ミュール」

「ん?」

「知るって大事なんだぜ」

「ん?」


ミュールは俺の言葉の意図を汲み取れず頭が混乱しているようだ。


「ミュール、こいつはお前のことバカにしてんやで」

「ケンケン、俺はそんな事してない。言いがかりはやめてくれ」

「ケンケン、人の悪口言っちゃメッ」


俺はヒヒと笑う。


ケンケンは目がないのにじーっと俺を見てる気がする。


「エルフが作ったてことは、ここに隠されてるのは神代魔法だね。ケンケンかユウヤに適性があるといいけど」

「適性?」

「最後の所に着けば分かるよ。今日行けるかは分かんないけどね」


なにそれ、めちゃくちゃ気になるじゃん。


「てか、神代魔法って何?」

「一般魔法の中で昔に作られた魔法のこと。術式見ても理解不能なことが多いから本当に同じ魔法言語なのかは今でも討論されてるね。まぁ、簡単に言えばすごい魔法ってとこ」


なるほど、すごい魔法か。


「あ、聞いたことある。お姉ちゃんが言ってた気がする」


ミュールはポンっと思い出したかのように言う。


ミュールが知ってるなんてめちゃくちゃすごい魔法だな。


そんなすごい魔法を手に入れれば俺、めちゃくちゃすごくなれるんじゃね?


「よっしゃ、張り切って行くぞ!」

(神代か。心躍るな)


またワクワクしてきた。

まだ誰も攻略したことのないダンジョンの神代魔法使いこなしてやろうじゃんか。


俺は気合いを込めて足を1歩踏み出す。


ピカーン


「あっ」


魔法陣が足元に現れ俺の足を焼き付くさんと燃え上がる。


俺はミュールに助けられ事なきを得る。


「……実況者魂ってやつだな」

「ただドジっ子だよ」


恥ずかしい。


顔がほんのりと赤みを帯びる。


俺は張り切りながら前へと進む。


いくらか分岐してるな。


「ちょい待ちね。地図書くから」

「書けんの?」

「簡易的にだけどね」


イスタは羽根ペンとインクを取り出し紙にペンを走らせる。


「ここからは書きながら進めたいからミュール前でユウヤは後ろね。分岐があればその都度止まるからミュールは先々行かないように」

「任せて」


任せれるか?


俺達は隊列を組み直し出発しなおす。


ミュールはケンケンを高く上げながら鼻歌混じりに歩く。


モンスターいた時の安心感はすごいんだけどな。


「あ、ドアある」


ミュールはドアを見つけバーンとすぐに開ける。


ほら、心配。


コロン


玉が転がる音がするとカタンカタンと動く音がする。


え?


しばらくすると何かが転がる音が止まる。


「今なんか音鳴った」


なんなんだろうと思っているとドンドンと何かが転がる音が鳴る。


まぁ、無視でいいだろ。

こんな無駄なトラップ作る必要ないし。


てか、部屋の中何も無いな。


「あれ? ドワーフがたまにやる遊びトラップみたいな音だったね」

「なにそれピタゴラスイッチ?」


俺とイスタはドアの前に近づく。


……あれ? ピタゴラスイッチって最後、オチいるよな?


ドンドンドン


鈍い音が近づいてくる。


すると、天井が開き何かが落ちてくる。


ドン!


木の幹の大きい版がドンと着地したと同時に床が開いてミュールだけでなく俺達も落ちる。


「ちょっと、ミュール!」

「ごめん……」

「撮れ高バッチリ、命ぽっくり」

(やばいやばい)

(みんな、応援するぞ)

(がんばれー)

(死ぬなー)


空気が体を突き抜け、景色が上へ上へと動いていく。


俺は地面に背中から落ち、2人は足で着地する。


視界が揺らぎ、脳が揺れる。


「いってぇ!」


身体能力強化してなかったら死んでたな。


結構落ちたなと思うと壁についてる松明一つ一つにに火がつく。


ドォン!


1階建ての一軒家並の大きな木の幹モンスターが砂埃をたてて落ちてくる。


辺りは広く走り回るのに十分すぎる部屋だ。


木の幹モンスターは根っこを触手みたいに動かす。

木の根っこで地面を叩き砂埃を舞わせる。


「「「 まじやばくね?」」」

「綺麗にハモるやんけ」

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