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転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。  作者: Gai


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第576話 残された要素は……

SIDE アドレアス、ディムナ


「はっはっはっはっはっはっは!!!! ……はぁーーーーーーーー…………なんと言うか、ここまで同じ行動を同じタイミングで取ってしまうとは」


「安心しろ。俺も驚いている……驚き具合で言えば、今年一かもしれん」


「ふふ、そうか……確かに、私もそうかもしれない」


似ている。

戦闘スタイルに関しては、確かに似ている二人。


互いに細剣を使い……細剣という繊細な武器を使っているため、当然技巧派になる。

そして扱う属性もアドレアスが風でディムナが雷であるので、互いに持ち味がスピードとなる。


魔力量や魔力量の技術……メインウェポンではない魔法の腕前も同等。


互いに似ていることは解っていたが、ここまでやる事が、それを実行するタイミングまで同じになってしまうとは思っていなかった。


「とはいえ、ここまで似てしまうとはな…………お前とは何度か戦り合ってきたが、こんな事は今まであったか?」


「いいや、なかったね」


あまりにも即答だが、思い返していない訳ではない。

本当に……本当に過去、ここまで奇策とその奇策を行うタイミングが一致したことがなかったのだ。


だからこその即答であり、それはディムナも同じだった。


「そうだな……やはり、あれか」


「うん、そうだね……あれだと思うよ」


ここまで被ってしまった理由はなんなのか。


多くの者が偶然なのではないかと思うだろう。

しかし、彼らにはある共通点があった。


それは……イシュドという変革の狂戦士の元で訓練を行ったというもの。


向かうタイミングは偶然被り、二人で揃って土・下・座をかまし、あのイシュドにとてつもなく嫌な顔をさせるという快挙を果たした。


「同じ考えなようでなによりだ…………であれば、この後は……解るな」


「そうだね。私もそれしかないと思うよ」


また考えていることが一緒なのであれば、同じ土俵で戦うのはどうなのか? と思う者はいるだろう。


しかし、二人の間で既に出た結論がある。


思考での勝負では、切りがない。

続ければ終わりが見えるも、持久戦は……二人としては、望むところではなかった。


であれば、どうするのか。


細剣技の腕前は互角であり、魔法の腕も……読みの深さも同じ。

身体能力も同じとなれば、もはや比べられる要素が内容に思われる。


もう比べるものがないように思われるが……まだ一つ、残っていた。


それは、彼らの本能。


「「すぅーーーー……はぁーーーーーーー…………」」


改めて呼吸を整え、向かい合あう二人は笑みを浮かべていた。

だが、次の瞬間には獣のそれへと変貌していた。


「「ーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!」」


会場に轟いたのは、貴公子の雄叫び……ではなく、猛獣の咆哮。


「「「「「「「「「「っっっ!!!!????」」」」」」」」」」


試合中に一言二言程度ではなく、ガチの会話が始まったことに困惑していた観客たちは、急な再開と咆哮に腰を抜かしそうになる。


(えっ、えっ!? さ、再会した、ってことで、良いのよね???)


(おいおい、いきなりだな。いや、そりゃそうだろうけど、けど……さっきまでと、違うよな?)


(ふ、二人とも騎士ではなく、まるで獣の様に……はぁ、はぁ、これはこれで、良い!!!!!!)


突然の再開を越える、二人の戦闘スタイルの変化による衝撃。


勿論、獣の様な咆哮を上げたが、戦い方が完全に獣になった訳ではない。

細剣士としての技術を発揮する場面ではきっちり発揮しているが……それでも、戦い方にどこか荒々しさが滲み出ており、ときおり完全にセオリーから外れた動きを繰り出す。


それも片方だけではなく、二人とも。


見る者が見れば、二人が思考を放棄し、自身の本能にのみ従って戦っていることが解る。


(全てが互角だからこそ、まだ比べられる要素で勝負……そこまで通ずる相手と試合を行えるというのは、なんとも羨ましい限りだ)


(…………あれに至る経緯は解る。だが……騎士を目指す者として……)


(へいへい!! 良いじゃねぇの良いじゃねぇの!!!! 堅物同士の戦いかと思ってたら、ちゃんと野性味のある牙を魅せてくれるじゃねぇか!! あれか、やっぱり噂の狂戦士学生と接してるからか?)


一般の観客たちだけではなく、専用スペースで見ている各騎士団の団員たちや王室騎士団……近衛騎士団の者たちから見ても、二人の戦いは高評価であり、どこか羨ましさを感じる部分もあった。


とはいえ、戦い方という点に関しては、ところどころ品の無さが出ている。


騎士を目指す者としては、実戦の場であれば百歩譲って良しとしても、公衆の面前でそういった戦いをするのはどうかと思う者がちらほらといた。


とはいえ、上の人間たちは解っている。


基本的に、二人は各騎士団にとって喉から手が出るほど欲しい存在。


君、優秀だからうちの騎士団にこないかい? ではない。

貴方様!!!! 是非とも他の騎士団とは違って○○ほどの給金と○○といった特別待遇を用意しますので、是非ともうちの騎士団に来てください!!!!!! といったレベルで勧誘される人材。


それに加えて、アドレアスとディムナが関わっている人物が人物である。

もし……絶対にあり得ない話ではあるが、どの騎士団も二人を勧誘しなかった場合……絶対にイシュドという変態狂戦士学生が自身の実家に勧誘してしまう。


大半の騎士団が特に対立している訳ではないが、それでも彼らに……レグラ家に渡してはならないと心の底から叫んでおり、そこに関してはとりあえず目逸らすという選択肢しかあり得なかった。


次の話から更新ペースが落ちますが、今後とも読んでもらえると幸いです。

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