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転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。  作者: Gai


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第555話 やっぱり男の子

「あいつのスタンスは、とりあえずお前らが参加してるから、俺も参加するってところだろ」


激闘祭に参加する者たちのスタンスは、大抵は試合で目立つ……好成績を残し、有名どころの騎士団からスカウトされるため。


それか、既にある程度就職先が決まっている人物に関しては、おそらく参加するであろうこの同級生と戦い、勝利したいからというのが目的だったりする。


しかし……イシュドの予想通り、フィリップは違った。


幼い頃、目標の一つではあった激闘際で優勝というのは、既に果たした。

特に卒業したからこの騎士団に入りたいなどという令息らしい目標もない。


「…………」


普通ならばあり得ない考えでの参加だが、フィリップという人間のことをある程度知っているからこそ、ミシェラは納得出来てしまう。


「対して、ヘレネは……どこまで本気で優勝したいのかは知らないが、勝負となれば負けるつもりは毛頭ない。おそらくイブキからルドラの話は聞いてるだろうから、闘志をマグマみてぇに燃え滾らせるには十分過ぎる状態」


「試合に勝利する、したいという気持ちに関しては、ヘレネの方が圧倒的に上回っている、と考えて良いのでしょうか」


「見ての通りってやつだな……んで、デカパイは納得できたんか?」


これで、イシュドがもしやフィリップはあまり乗り気じゃないのではないか、と思った理由に関して説明を終えた。


「………………とりあえず、あの男をぶん殴りたいですわ」


ストレートな彼女の感想を聞き、周りの学生たちは「良く言ってくれた!!!!」と、心の中で拍手大喝采だった。


学生たちの大半は、激闘際に参加することに自身の学生人生を懸けている。


にもかかわらず、ただ周りの友人たちが参加するから自分も参加する……そんな理由で参加枠を奪われるのはたまったものではない。


「んじゃ、大会が終わった後の模擬戦でやっとけ。とりあえずそういう訳だから……うん。今んとこ、試合の主導権を握ってんのはヘレネだな」


「………………」


「? どうかしましたの、フレア様」


「いえ、その……確かに、私から観ても今……試合の主導権を握っているのはヘレネのように思えます。ですが……そうなっているのも、フィリップさんの戦略の一つではないかと思えて」


イシュドが語った予想が当てはまっているのであれば、気持ちの面では確実にヘレネが勝っている。


そしえフィリップのセンスがどれだけ優れていようと、彼にもスタミナというのがあるため、削り合いで負ける可能性はそこまで高くない。


それでも……日々の訓練光景を覚えているからこそ、このまま一方的な展開でフィリップが負けるとは思えない。


「……はっ!!! 確かにな。なんだかんだ言って、あいつも男だからな」


「…………どういう意味ですの?」


「勝負事では、大なり小なり負けたくねぇって気持ちがあるってこった」


負けたくない。


それはどういった理由があって繋がっていようと、熱く燃え滾る気持ちである。


彼を知る学生たちからすれば、フィリップはその様な気持ちから程遠いと感じる男。


「女性でも負けたくないという気持ちはありますけれど? 女性差別ですの?」


「そういうんじゃねぇっての、めんどくせぇな。なぁてめぇら、俺が言いたい事なんとなく解るだろ」


「「「「「「「「「「っっ!!!!????」」」」」」」」」」


いきなり変態狂戦士から話を振られた男子学生たち。


それも、ただ話を振られただけではなく、ミシェラという自分たちよりも色んな意味で上位に位置する令嬢が絡んだキラーパス。


(え、えっと、えっと)


(さ、さすがにここは……)


(し、しかし……考えてみると……)


(ぐっ!! だ、だが今後の立場を考えれば……ぬぅ~~~)


イシュドから同意を求める行動というのは、彼らからすればほぼ脅迫の様なもの。


しかし、彼らの貴族社会……今後生きるであろう騎士社会でのことを考えれば、ミシェラの方に同意するというのが吉というもの。


「「「「「「「「「「…………っ」」」」」」」」」」


「ほらな」


だが、結果としてイシュドたちの周りにいた男子学生たちは、一人残らず全員変態狂戦士の言葉に頷き同意した。


過去の記憶を振り返ると、どこかしらにはそうとしか思えない……負けたくないという感情があった。


そして、それはこれまで生きてきた人生の中で、自分だけではなく他の令息や令嬢たち……実家に仕える者たちの行動や感情などを見てきた上での判断。


決してイシュドという存在に脅迫されたが故の答えではなかった。


「……だとしても、私たちの勝利に対する思いを嘗めないでほしいものですわね」


「んな事一言も言ってねぇだろ……つっても、お前に関しちゃあんだけの執念を見せたんだ。他の令嬢たちのことをどういう眼で見るのかは知らんが、少なくともてめぇを嘗める連中はここにいねぇだろ」


「………………」


今度は全員がイシュドの言葉に同意するように頷く中、ミシェラはどう反応すれば良いのか解らず固まってしまう……そんな中、リングの方ではやや変化が表れていた。


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