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転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。  作者: Gai


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第543話 邪魔だから

「疾ッッッ!!! っ、ァアアアアアアアアッッッ!!!!!」


「なっ!?」


勝利へと手を伸ばそうとしたルドラ。


彼は細剣技、螺旋突きをぶっ放した。

旋風を纏わせた螺旋突きは、当たればイブキの体を容易に貫く。


しかし、ルドラの現時点の力量では、必殺の一撃を放つ際の意識を隠しきれない。


イシュドの周りにいる者たちの中でも、動きの機微に関して鋭いイブキであれば、なんとか回避することが可能。


(こんな、大胆な事をっ!!)


ただ、ルドラはその場から旋風螺旋突きを放つのではなく、地を蹴り……体を投げ出しながら放っていた。


螺旋突きは細剣が届く範囲だけではなく、ある程度は遠距離攻撃としても使える。


なのだが、現在イブキと行っているのは超接近戦。

カウンターを食らうのは必至なのだが、そうなることはルドラも解っていた。


体を投げ出した直後、即座に細剣技……光閃を連続で放った。


足裏は地面に付いておらず、体重の乗った光閃ではないが、それでも同じくパワータイプではないイブキの小太刀を弾くには十分な攻撃。


結果、イブキは二刀あった小太刀の片方が宙を舞い、即座に手に取れない場所へと落ちた。


(好機ッッッッ!!!!!)


なんとか着地し、速攻でイブキとの距離を詰める。


イブキは、自分対策の為に普段使用している太刀ではなく、二刀の小太刀を使用した。

であれば、その片方を失った状態となれば、自身の方が有利な状況。


「ッ、くっ!! っっ!!!!」


事実、苛烈さを増したルドラの旋風突きにより、イブキの体に切傷が増加。


今だ体力と魔力は健在であっても、小太刀一つではイブキの回避技術を入れても、全てを対処することは出来ない。


(小太刀、では、弾き落せない……くっっ!!!)


ルドラに勝つため、普段は使用していない二刀の小太刀を選んだ。


こっそり練習していたこともあり、ひそかな自信はあった。

実際に……思っていた以上に手応えはあった。


だが、ひとたび片方が離れてしまえば、その利点は失われてしまう。


(っ、ダメだ。違うっ、そうじゃ……ない。そうでは、ないだろうっっ!!!)


明らかに、自分が劣勢であると解る状況。


解ってしまえば、どうしても敗北の言葉が脳裏に過る。


そんな思いを、イブキは全力で振り払う。

自分が知っている猛者たちは、どんな状況でもそのようなことは考えない。


先程、ガルフと激闘を演じたであろうミシェラが、敗北の言葉が過ったところで、負ける未来を想像しただろうか。

そんなことはないと、イブキは断言できる。


ならば、答えは決まっている。

劣勢など知ったことではなく、ただ勝利を手繰り寄せることだけに全集中する。


(っ、いや、それは…………っ、ふっ、はっはっは!!!! そう、だな。邪魔なのは、間違い、ないの、だからっ!!!)


一瞬、頭の中に思い浮かんだ案。


それはあり得ないと、即座に捨て去ろうとした。

しかし……イブキの試合に勝ちたいという欲求が勝利への炎が、それを捨てなかった。


誇りが、あの男はそこまでしなければ勝てない相手なのだと、改めて認めた。


そしてイブキ自身、それらを全て受け入れ……小太刀をルドラ目掛けてぶん投げた。


「「「「「「「「「「っ!!!!!?????」」」」」」」」」」


得物をぶん投げた……その行動に、目の前の激闘に熱されテンションがウェルダン状態となっていた観客たちの動きが止まり、眼が大きく開かれ、こちらも止まってしまう。


世の中には、思いっきりぶん投げても使い手の元へ戻ってくる帰還効果というのも存在する。


だが、イブキが今回の試合に持ち込んだ二振りの小太刀は、どちらも良き切れ味を有する小太刀。

使い手に効果を与えるような魔剣……魔刀の類ではない。


多くの者が驚きを隠せない行動だが、イブキからすれば一瞬だけあり得ないと思ってしまったが、おかしい選択肢ではなかった。


普段から太刀を使用しているイブキにとって、小太刀を二刀流ではなく一刀流で使うことには慣れていない。


であれば、そんな武器を捨てて小太刀一刀流よりは使い慣れている既に切り替えた方が良い。


勿論、小太刀には魔力を纏わせ、回転させながら簡単に避けられないような形で投げた。


とはいえ、今……最高潮に集中しているルドラにとって、どれだけ距離が近くともそれを躱すことは難しくなかった。


(ここッッッ!!!!!)


そして縦に回転しながら迫る小太刀を躱し、今大会の為に開発した風突ガトリング砲をぶっ放した。


イブキの集中力がどれほど高まっていたとしても、小太刀がない状態で風突ガトリング砲を全て躱すことは出来ない。


奇跡的に大半を躱されても二、三回も当たれば、勝利は更にルドラの元へ近づく。


「っっっっ!!!!????」


近づくはずだったが……放ったはずのガトリング砲が詰まりを起こした。


「真剣、白刃取り」


ルドラの考えていた通り、どれだけ集中力が向上していても、風突ガトリング砲を全て躱すことは出来ない。


ただ、最初の一発目の軌道を読み切ることは、出来なくなかった。


どれだけ素早いガトリング砲も、刃を掴まれてしまっては、二発目……それ以降を発射できない。


「破ッッッッッ!!!!!!!!!!!!」


イシュド……ガルフよろしく、強烈なヤクザキックがルドラの懐に叩き込まれた。



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