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転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。  作者: Gai


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第540話 ガトリング砲

SIDE イシュド、フレア


「……序盤は、イブキさんが主導権を握ったと言えそうですね」


「へぇ~~~。そこら辺はちゃんと認めるんだな」


まだイブキとルドラの試合は始まったばかりである。


まだファーストアタックすら決まっていないが、それでもフレアから視て……試合の主導権を握っているのは、イブキのように思えた。


「接近戦職ではありませんが、今のルドラは……攻撃をさせられてるように見えます。対して、イブキさんは集中されているでしょうが、余裕を持って躱しています」


「…………」


「良く言えば集中力を削れている。ですが、攻撃が当たらない時間が続けば、ルドラの中にも焦りが生まれるかと」


「ふっ、良いんじゃねぇの」


上から視ているというのもあるが、戦況をよく把握出来ている。


前衛職であるイシュドにとって、後衛職とタッグを組んで戦う際……戦況を見えてない後衛職と組む戦いほど嫌なことはない。


フレアがこの先どういった道に進むのかは知らないが、イシュドとしては非常に喜ばしい変化である。


「パッと視、それで正しい」


「……という事は、もっと細部まで視たら違うと」


「あぁ。並の奴なら、自慢の突きが当たらない時間が続けば焦り、動きが単調になるだろうけど、ルドラはそんな芯が脆い連中とは違ぇ」


「「「「「ッッッ……」」」」」


芯が脆い学生たちの何名かがイシュドの言葉によって喰らってしまうが、変態狂戦士は無視して言葉を続ける。


「王女様。あんたの護衛騎士候補はちゃんと強ぇよ。俺としちゃあ贔屓してのはイブキの方だが、この勝負……どう転んでもおかしくねぇ」


「……そうですか」


なんとなく、無邪気に笑ってはダメだと思った。


だからこそ……上がりそうになる口角を必死で抑えるフレア。


(つっても、イブキにはあれがあるからな……そこに関しちゃあ、ルドラがどうなってんのかあまり知らないんだよな)


解らない部分がある。

それは試合を観戦する上で、面白さが増す要素である。


「どう転んでもおかしくねぇが……踏み込み過ぎれば危ねぇのはルドラだ」


「それは、あっ」


序盤も序盤だが、それでも拮抗した状態が続くとは限らない。







またも旋風を纏った鋭い突きが放たれる。


すると、イブキは纏われている旋風に対して紙一重で回避……すると同時に、抜いていた膝を伸ばす。


「ッ、疾ッッッ!!!!」


ルドラは即座に戻し、再度突き……ではなく、今度は風斬を飛ばした。


「っ、破ッッッ!!!!!!!!」


だが、今回の試合でイブキが扱う武器は小太刀の二刀流。


片方で風斬を弾き、もう片方の小太刀で斬撃波を放つ。

ルドラはそこまで読み切っており、風斬波を放つと同時に後方へと下がっていた。


「ふっっっ!!!!!」


ただ下がるだけではなく、右腕に力を籠め……一気に開放。


次の瞬間には、風突のガトリング砲が繰り出され、イブキの前進をあっという間に止めてしまった。


「っ、くッ!!」


冷静に見極め、躱し、弾く。


高速のガトリング風突の対処には成功したイブキだが、その表情には悔しさがにじんでいた。


(もう一歩……足りなかった)


突き出された細剣が引き戻る瞬間を見切り、攻めに転じた動きは学生レベルの動き、技術を越えていると言っても過言ではない。


単純な身体能力に頼らないその技術力は、動き的にこの大陸にいる者たちの中ではメジャーなものでないにしろ、驚嘆の一言。


ルドラは技術力が高い部類ではあるが、学生の内は真似出来る気がしない。


それでも……先程ミシェラと激闘を繰り広げたガルフと同じ。

イブキならば、そこまで狙うだろうと、簡単に掻い潜ってくるだろうという確信があった。


だからこそ、ただ風斬波を放って進行を妨害するだけではなく、そのまま後方に下がってガトリング風突で無理やり前進を止めた。






「良いね良いね。ナイス連突じゃねぇの。あの速度と連射力で風突を飛ばされちゃあ、イブキも迂闊に動けなかったな」


「……イブキさんの足であれば、連突の外に逃げられたと思うのですが」


ルドラがイブキの追撃を、足を止めた。


フレアからすれば嬉しい展開なのだが、それはそれとして疑問に思うところもあった。


「無理じゃなかっただろうが、攻め込んだ時の体勢が体勢だった。高速で動けばどれかの風突に当たってた可能性が高い」


イブキが有しているスキルをある程度予想出来るイシュドからすれば、対応策はあったはず。

だが、それも体勢次第で隙を晒す結果となる。


「その時はくるだろうけど、今じゃないって判断したんだろうな」


「その時、ですか?」


「時期に解る。にしても……あの連突は良かったな」


ただ連続で風突を放った、というわけではない。


一瞬の溜めは必要だったが、それでもイブキがその場に完全に縫い留められるほど連射力。

スキル技ではないため、纏う風以外の魔力を消費していない。


(アドレアスでも似たようなことは出来るだろうけど……イブキを縫い留められるほどの連射力ってなると、ルドラの腕力がなきゃ無理だろうな)


フレアの護衛騎士候補であるルドラとヘレネ。


二人の中で、腕力と防御力はヘレネが担当となっていた。

その代わり、素早さと技術力はルドラが担当。


お互いの長所を理解しており、割り切っていたからこそ二人の連携は学生の中であれば一級品。


(つっても、俺の記憶が正しければ、いうて大した筋肉はなかったと思うんだが…………あいつはあいつで、こっそり筋トレしてたってことか?)


もしかしたら、自分の影響を受けてるんじゃないか。


そう思うと、自然と無意識に笑みを零すクソガキ狂戦士だった。





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