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転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。  作者: Gai


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第530話 どうでもいい

「ーーーーッッ!!!」


一瞬の加速。


加速するタイミングが解ればガルフも対処は出来るが、相手が何かをする、変化させるタイミングを読み切ることは容易ではない。


「ふんっっっ!!!!!」


「っっっ、ちッ!!」


だが、視界から消えたのであれば、敵が狙うは自身の背後。


ガルフは頭に叩き込んでいる考えを瞬時に実行し、体を捻りながらロングソードを振るい、瞬殺劇を回避。


ミシェラは片刃が弾かれるもダメージはなく、痛烈なカウンターまでは食らっていないため、まだまだ刃は震える。


(なんとか、受けずにいきたいですけれ、どッ!!)


お返しとばかり、今度はガルフが突っ込んで仕掛けるも、そう簡単に真正面からの攻撃にやられるミシェラではなく、手数の多さで逆にガルフへ防御と回避を優先させる。


「ッッ!!!!」


「くっっ!!!」


だが、濃い実戦の数であればガルフも負けておらず、手数の多さに割り込む勘は備わっていた。


斬撃は空振りに終わるも、ミシェラは即座に一瞬だけ移動速度を強化し、距離を取って体勢を立て直す。


(しみじみと、パワーでは負けていると、思い知らされますわね!!!)


避けることには成功したが、追撃を食らっては意味がないため、大袈裟に回避していた。

まだ……ガルフは闘気を纏っていない。

それでも、ミシェラとしてはガルフの斬撃をまともに受け続けたくないと感じた。


二振りで受けたとしても、両腕にずっしりと衝撃が伝わる。


一撃で破壊されることはない。

しかし十、二十……四十、五十と受け続ければ?

闘気を纏った状態なら?


体力や魔力を削られるよりも先に、腕という得物を操る重要部分が破壊されてしまうかもしれない。

考え過ぎだと、杞憂だなんて思わない。


身に纏う風格と同じく、振るわれるロングソードに乗せられている重さも普段と異なる。


(それなら、これですわ!!!)


再度近づこうとするガルフに対し、ミシェラは双剣に旋風を纏い、風斬波を連射。


「っ! ッッ!! っ!?」


どの風斬波も鋭く、今の状態では絶対に食らいたくない。


だが、ガルフは決して鈍間ではなく、弾幕を区切り抜けられるだけの脚力と反応速度を有している。


厄介ではあるが、それでも連射タイプの風斬波であれば、闘気を使わずに弾き飛ばせる。

ただ、弾き、躱し、弾幕潜り抜けようと移動した先に風斬波が現れ、ガルフの脚を止める。


適当に放ってるわけではなく、ガルフが抜けてくるであろうタイミング、位置を把握して……なんなら、抜け出す方向誘導すらしていた。


(疲れ、ますが……とりあえずは、削れそう、ですわね)


ガルフの動きを動きを読み続ける必要があるため、ミシェラもそれなりに集中力を消費している。


闘気といういざという時の正面突破策も忘れていないため、決して余裕を持てる状態ではない。

それでも、見抜く眼に関してはまだミシェラの方が上である。


「っ、ふーー、ッ、ふっ……ッッッ!!!!!」


そして、その時は来た。


闘気を脚とロングソードにだけ纏い、風刃の嵐を突破しながら急接近。


「ーーーっっ!!」


しかし、ミシェラはガルフの踏ん張り方から瞬時に闘気の使いどころを見抜き、旋風を脚に纏って急加速。


(だよ、ねッ!!!!!!)


すれ違うような形になってしまうも、ガルフもそうなってしまう可能性は頭の片隅に置いていた。


また視界から消えた……消えようとしたタイミングで、闘気による斬撃波を放った。

勿論、やってしまったなんて一ミリも思ってはいない。


「ッ!!! 疾ッ!!!!!!!!」


ガルフの信頼通り、ミシェラはそれで致命傷を受けたり、対処方法を間違えてうっかりあの世逝き、なんてことはない。


逆にガルフが急接近をやり過ごされる可能性を頭の片隅に置いていたように、ミシェラもガルフが攻撃を届かせようとするであろうことは予想出来ていた。


体を捻り、ロングソードを横に振り払う。

その動きは開幕の時にも見ており、身を屈めて回避と準備を同時に行う。


そして体が流れているガルフに近づき、風刃を遠慮なく叩き込む。


「くっっ!! っ!!!???」


なんとか無理やり跳んで回避するも、転がるガルフに向けて脚を思いっきり振り上げ、風斬波をぶっ放す。


一部の男性客がアホピンクな歓声を上げ、女性が悲鳴と恥ずかしさが混ざった声を上げるも、今のミシェラは自身のパンツが見えてしまうことなど、心底どうでもよかった。


(まだまだですわっっっ!!!!!!)


ミシェラとしては、ガルフの体勢を崩し続けるのが理想。


そして今、その機会が訪れた。


「っ!? っと、っ!! なっ」


脚による風斬波が放たれた後の攻撃は、先程までと同じく遠距離攻撃の弾幕。


ただ、先程までと違うのは、双剣の片方は剣先から小さな……しかし殺傷能力はある風弾を放ち、もう片方からは斬撃波を放つ。


先程までと比べて何が変わったのかと言うと、まずは風弾が単発ではなく連射になったことによる遠距離攻撃の数。

躊躇なく顔面や……ついでに股間も狙われているため、範囲は小さくとも無視できない。


風斬波は腕で振るわず手首で放っているが範囲がやや狭まるだけで、スピードはそこまで変わらないため、ガルフの体勢を安定させないという攻撃手段としては十分役目を果たしていた。


「「「「「「「「「「ーーーーーーーーーっっっ!!!!」」」」」」」」」」


去年の激闘祭の成績は間違いなくミシェラが上だったが、それでもバトムスの対ディムナ戦が観客たちの記憶に色濃く残っていた。


闘気というミシェラにはない明確な武器をバトムスが得たこともあり、ミシェラを応援している者たちも……正直なところ、彼女が負ける可能性の方が高いと思っていた。


だが、そんな観客たちの、変態狂戦士の予想を裏切り、序盤はミシェラが主導権を握った。


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