第十七話
「諸君、ここでは正直に話そう。クレチア王国からの食料の援助は、正式に断られた。理由としては、自分達も苦しいからだそうだ」
その言葉に、一気にざわつく貴族達。
「城下街の状況は、日に日に悪くなっていると聞く。国民はどれ位耐えられるのか、わからない」
「国王」
そこに、ウラシュが前に出てきた。
「オルスと、テッドを連れて参りました。この者達は、国民の姿をよく見ています」
ウラシュは、二人を前に来るように合図した。二人は驚きながらも、自然と前に出る。
「国民は、とても苦しいか?」
国王の質問に、オルスは答えた。
「毎日、食料の値段が上がっています。今日の夕飯も、スープだけでした。私の家はまだ裕福です。他の人達は、お金が払えなくて、何も食べられません。今日も、知り合いがパンを一斤くれと言ってきました。息子さんは十八歳ですが、仕事に就けません。税金や、家賃が払えない人々は、森の中で暮らしています」
静寂に包まれる。オルスは言い終えると、軽くため息をついた。
「国王、今日の新聞の一面に書かれてありました事は、嘘です」
テッドの言葉に、今度はざわついた。
「これからずっと、この状態が続く可能性が高いです。逆に、今までが良すぎたのだと思います。天候は少しだけ回復します。ただ、以前のように、毎年豊作にはいきません。取れる食料も減ります。魔法で解決する事はまず無理です。自然には逆らえません。魔法は自然の一部です。自然から派生したのが魔法です。私達には、何もできません」
国王は何度も頷き、背を向けると玉座に座った。深いため息をつく。誰も何も言わなかった。
「魔法での解決できないか。テッドでも、できないのか」
国王の言葉に、テッドは頭を下げた。
「申し訳ありません。今の魔法では、これが限界です」
ウラシュが二人の横に並んだ。
「国王、二人が言いました通り、食料を回復させる手立てはありません。私に、一つの策があります。ここで言ってもよろしいですか?」
国王は力なく頷く。
「貴族達で金を出し合い、他国から食料を買います。そして国民から、税金をとるのやめる。それだけです」
その瞬間、後ろにいた貴族から罵声が飛んだ。
「ふざけるな。そんなのありえん!」
それを皮切りに、一斉に非難の声が続々と上がった。
「では、どうしろと言うのだ。力を失っている我々の前に、クレチア王国が、襲いかかろうとしているのだぞ」
「それだけは許さん!」
他の貴族からの非難にも、ウラシュは屈しなかった。
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