表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/59

第六話

 そこに剣、腹部めがけて突き刺してくる。オルスは剣の上に乗り、さらに飛んだ。

 

 目の前に斧を両手で持った重装兵がいた。オルスの顔を叩き割ろうとする。空中で体を捻り、斧をかわした。地面に着地。

 

 次の瞬間、割れんばかりの拍手と、歓声が起こった。

 

 今度はオルスが駆け出す。すぐに聴衆は静かになる。初めは斧。斧は横に振ってきた。

 

 オルスは兜に向かって一気に突き刺した。体勢が崩れる。

 

 次にロングソードが縦に斬る。紙一重で横に避ける。鎧のわずかな隙間に向かって突き刺した。その場にうずくまる。

 

 最後に槍。オルスの顔に向かって突き刺す。

 

 オルスは軽く跳んだ。足元に、シールドが現れた。勢いよく跳んだ。市民達が、オルスの事を見上げているのが、はっきりとわかる。

 

 剣を両手でしっかりと持ち、槍の兜めがけて振り下ろした。槍は大の字になって倒れた。

 

 オルスは木剣を鞘に収めた。再び、歓声と拍手が起こった。勇ましい姿で、しばらく直立していた。

 

 その後、領主とともに観光案内をし、夕食はその都市一番の、レストランへと連れて行かれた。

 

 他愛の無い会話を続け、月が真上に来る頃に、ようやく解放された。


「それでは」

 

 領主に見送られる。ウラシュは、オルスと共に宿屋へと向かった。


「今日の出来はなかなかだった。毎回、あれぐらいの事をしてくれれば、心配ない。明日は移動だけだ。ゆっくりしなさい。では、おやすみ」

「ありがとうございます」

 

 オルスは自分の部屋には行かず、酒瓶を持って、仲間達のいる部屋へと向かった。ドアをノックする。


「どうぞ」

「今日は、お疲れ」 

 

 オルスが差し出した酒に、みんなは喜んだ。


「上等な酒じゃねえか」

「今日は、ありがとうな」

 

 テーブルに置かれたコップに、酒を注ぐ。乾杯し、飲んでいった。


「今日ぐらいの戦い方をしてくれと、ウラシュ様から言われた」

「まあ、この先も、上手くいけば良いけどな」

「でも、良かったよ。オルスが手加減してくれるか心配だったぜ。練習の時、何回気絶したか」

 

 みんなは笑っているが、オルス一人が、浮かない顔をしていた。


「どうした?」

「お前が口上しただろ。どう考えたって、俺一人じゃ倒せるわけねえよ」

 

 グラスの中に入っている酒を見ながら、オルスはつぶやいた。


「みんなで魔王を倒したんだよ。平和になると信じてさ。その途中で死んでいった仲間もいるんだよ。みんなで倒したんだよ」

 

 周りの者は、黙ってしまった。


「お前がそう思ってくれるだけで、嬉しいぜ。上が何を考えているかわかんないけど、とっと終わらせて帰ろうや」

「ありがとうな」

よければ評価、ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ