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第十七話

その日の訓練は、木剣で基本の型から行われた。いつもと同じように、木剣の振り方は二拍だった。周りの兵士達は、声を出しながら振っている。

 だがオルスは、それを一拍で終わらした。

「オルス、丁寧にやれ!」


 隊長に怒られる。だが、体に染みつき始めた一拍を、忘れたくないオルスは、見えないように、やり続けた。


「いいか。これから対人戦を行う。いつものように、勝ち続けた者は、戦い続けるんだ。近くの者と手合わせしろ」


 オルスは近くにいた仲間と手合わせをすることになった。

「はじめ!」


 オルスの相手は、リズムをとりながら、次第に詰め寄ってくる。オルスは全く動かない。

 相手が前傾姿勢になる。右足を踏み込んだ。その時、オルスが動いた。


「いてっ!」


 相手は尻餅をつく。オルスは突きの姿勢をしていた。相手は何が起きたのか、全く理解できていない。オルスは喜ぶのを噛み締めた。


「勝った者は、その場に残れ。負けた者は、遠くに離れろ。手合わせする者が見つかり次第、始めろ」


 オルスは手合わせをする相手を、すぐに見つけた。


「はじめ」


 間合いを取る。相手はすぐに襲い掛かってきた。前傾姿勢。両手持ちの木剣を、少し引く。突きだとわかった瞬間、相手の手の平を叩いた。

 相手は驚いている。


「次、手合わせしろ」


 次第に、オルスの動きに注目が行くようになる。


「あいつ。全然動かないもんな」

「始まってすぐに、剣を振って、相手が飛ばされて終わり。どうなっているんだ?」


 最後の一人と戦ったが、一瞬で終わった。オルスの圧勝だった。オルスの周りに人だかりができる。


「実は、勇者に訓練をつけてもらっているんだ」

「あの勇者にか」

「今は、剣の振り方だけ」


 その日の夜、勇者に今日のことを報告した。


「そうか。では、今日から防御だな。俺がガイコツ騎士の真似をする。相手の癖は知っているのか?」

「いえ、無我夢中で。落馬させましたが、剣同士ではダメでした。それに、魔法も使います」

「そうか……昔は、しなかったのだがな」


 勇者が悲しい顔をした。


「魔物の資料には、なんて書かれてある。ランスでの突きか」

「ええ。あとは盾を持っています」

「わかった」


 勇者は小屋から長い棒を持ってきた。


「いいか、オルスが盾を持っているのなら、それで防ぐのが一番だ。だが、もし持っていなかったら、避けるしかない。いくぞ」


 と言った途端に、オルスの胸元へ棒の先端がめり込んだ。この前と同じように、軽く飛ばされてしまう。


「避けることで一番大事なのは、見極めることだ。最後の最後まで、相手の動作、矛先を見ろ。そして一拍で避ける。いくぞ」


 オルスは勘で左に避けようとした。だが、右肩にあたり、痛い顔をする。


「勘ではだめだ。ちゃんと見ろ。よくこんなので、生きていたな」


 今度は、体に棒先が当たったと同時に、オルスは体を左に傾けた。


「どうして左に避けた」

「棒先が、右肩を狙っているのがわかりました」

「よろしい。後は一拍で避ける。動きは同じだ。足で避けるな。上半身で避けろ」


 その後も、何度も棒先に襲われた。避ける体力がなくなり、その日の訓練は終了した。

 家に帰り、服を脱ぐ。上半身が痣だらけになっていた。


「上手く避けろ。常に前に敵がいて、襲われていると想像しろ……か」


みなさん、RPGで武器と防具、どちらを先に買いますか?


私は武器を買います。なるべく強い武器。なぜかと言うと、敵を早く倒せるからです。


ターン短縮ですね。


さあ、今度は避け方の訓練が始まりました。果たして強くなれるのか。


乞うご期待!

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