幕間:作者解説『ジャガモース』
ここからは、幕間で作者がジャガモースを語るだけ。
不孵化のジャガモース
「鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない」
―ヘルマン・ヘッセ『デミアン』より
生まれることを拒絶し、変化を恐れ、自らの胎に理想を封じた存在。
他者の干渉を徹底的に否定し、成長も進化も穢れと見なす。
それが胎の中で永遠を夢見る者——『不孵化』を冠する者である。
クエスト名
『我、理想郷。決して変わらず風化せず』
戦闘フィールドは『理想郷』
・円形ステージで雑草が生い茂り周囲は絶壁。
・一度足を踏み入れれば、クエストクリアかゲームオーバー以外の選択肢はない。
・ステップ1『不孵化』のジャガモース
ステージ中央に、羊水のような青白い液体の中にジャガモースはいる。時折、瘴気が脈動のように吹き上がる。
動かず、語らず。ただ、そこにある。
卵に一定のダメージを与えることで、次のステップに移行。
・黒き手
幾つもの黒い手を伸ばしプレイヤーを攻撃する技。
案外遅く、初見でも十分避けられる技。
ただしその手に捕まれ握られると大ダメージと防具を確定破損してくる。
・殻の代弁者たち
黒い瘴気からプレイヤーの分身を作り出す。
ステータスは固定なので前提条件さえクリアしていれば倒すのは難しくない。
だが前述した技と併用することが多々あり、気を取られると致命傷になりかねない。
・戒刃呪停
黒い瘴気から刃の作り出し弾幕をはる技。
大した弾幕ではないので避けれるしダメージ自体大した事が無い。
・盤上怨嗟
フィールド全体に紫色の衝撃波を放つ。
避けるの不可能でダメージも無い。
ただ距離のリセットをする技。
・世壊
ジャガモースが、死への恐怖という感情に初めて支配された時――
その存在が揺らぎ、膜は内側から砕ける。
純白の閃光とともに、真の姿が解き放たれるこの技は、ステップ2への明確な移行を示す。
・ステップ2 『可孵化』のジャガモース
生まれる事を強制され、その現状と自身の不完全さにどうしようもない位の怒りを覚えている。
一刻も速く己が敵を抹殺し胎に戻る事を目的にする。
・外見
体型: 人型だが、四肢や体の形状は滑らかで、未完成の彫像のような印象。
色彩: その身は透けるように白く、まるで羊水に漂う胎児のような未完の存在。
皮膚の内側に走る血管が不規則に脈打ち、赤黒く光を放つ。
羽: 背中から広がる赤い血管模様の羽。血の色に似た赤色。
顔: ベールのような血管の膜で覆われ、表情はほとんど見えないが、うめき声や囁き声が漏れ出てくる。
・血管の羽
羽が広がり、攻撃や防御に利用する。
羽を刃のように変形させて攻撃や、自身を囲うように纏い防御を行える。
実は血管と欠陥のダブルミーニングだったり。
・裂ける血の祝福
数秒間、血管模様がステージ全体に広がり触れるとスリップダメージが発生する。
割合で減っていくためタンク職であろうとゴリゴリにHPが減る。
・荒ぶる血の賛美
血液を一点に凝縮してから解放する技。
弾幕の量が異常なんで、搔い潜る事はほぼ不可能。
・華舞化
ジャガモースがヘイトを向けているプレイヤー一人を対象に領域を展開。
そこからはタイマンの肉弾戦が始まる。お互いにスキルなし。
10秒間耐久で出れるようになるが、出るとジャガモースが怒りを蓄積し行動パターンが増える。
・血脈暴走
裂ける血の祝福からの派生技
地面の血管が膨張しそこから血の槍が突き出してくる。
プレイヤーをロックオンしないランダム技。
奥義
・「純白」
ジャガモースのエネルギ-を放出し
強烈な閃光と共に爆発する。
途中一回と最後に一度発動し。
これに耐えきると『我、理想郷。決して変わらず風化せず』がクリアとなる。
ステップ3『風化刹命』のジャガモース
不完全から完全なる存在へと至った最終形態。
可孵化の状態でジャガモースが未来を捨ててもこの敵に『勝ちたい』と思った時。
第三形態『風化刹命』へのフラグが立つ。
制作者からはクリア不可能なレベルで作った。
この形態になったのならばこの戦闘は負けイベントのつもりだと思われている。
訳:クリアの方法は存在するよ。出来るかは別として。
肉弾戦をより好むようになり圧倒的なスピードとパワーでプレイヤーを追い詰める。
まともにやりやっていては絶対に勝てない、と言うか勝てないように作られてる。
だが、お情けとばかりか風化刹命のジャガモースには一つだけ弱点が存在する。
それは寿命である、未完成の状態からその完全なる姿に覚醒するのに大半のエネルギーを消費し残りの寿命はごくわずか。
参加プレイヤー人数によって変化し。
一人なら10分
最大人数の四人ならば45分
攻撃もほとんどが通らず、下手な攻撃でダメージリアクションを一切行わない。
だが、攻撃が通るのならばダメージ分ジャガモースの寿命を削れる。
奥義
・【無装命矢】ムソウメイヤ
ジャガモース最強の技。
発動前に詠唱が必要。
そして代償にその寿命の一分を犠牲とする。
「天衣無縫」
「飾らずとも、完全であり」
「――矢は飛んで行く」
言い終えると同時にジャガモース自身がその体を矢とし全てを貫く。
風を切る音すら存在しない。あるのは結果だけ。
そこに在ったジャガモースは、そこに在らず、ただ、通過する。
直線状にある全てを、例外なく貫く。
防御不可、ステータス、防具無視。パリィすら出来ない。
この技から生き残るためには避ける以外に選択肢は存在しない。
もっとも音すら置き去りにする速度だが。
一番生き残る確率が高くなるのは身を隠す事だろう。フィールドに隠れれる場所なんてないが。
この技を使う条件として、ジャガモースの寿命が三分の一を切るという条件がある。
ゲームの技として避けるのがほぼ不可能でなおかつ確定即死と言うあまりにもクソな技ではある。
だがこれは残された時間の全てをこの技で仕留める事を決意した。
飛ぶ矢如き彼の一世一代の存在証明。
最後の瞬間この技が連打されるが何とか生き残ってくれ。
残り一分を切った場合でも使ってくるがその場合技の終了まで残り0.000001秒で寿命が止まっており終了と同時に風化する。
・ 最後の無装命矢の攻略法
今までは攻撃しても死ぬだけなんですけど。この時は寿命が残り0.1。
何の攻撃が当たっても死ぬんです。
つまり攻略法とは真正面から倒す事。
攻撃を見切り、無装命矢が当たる前にジャガモースの寿命を削る事を選らぶこと。
ジャガモースは何喰らっても死ぬんですからカウンターで攻撃を置いておけばいいんです。
もちろんリアルな戦闘ならもろとも死にますが、ここはゲーム。
クリアした瞬間ダメージ判定は無くなる……というよりプレイヤーが死ななくなります。
本当の最後、今に向き合った彼に。貴方も彼に向き合ってほしいという意味を込めた。
・称号【刹那に飛ぶ矢は叉一つと落ちていく】
→最後の最後、真正面から無装命矢を受け止めた人限定。
・称号【風化無き輝き】
→クリアすれば貰えます。
・称号【貴方に幸あれ】
→愉快であったと言い残される。ジャガモースからあなたへの願い。
さてこれがジャガモースの全容です。
他のクリア報酬はまた本編で書こうと思ってます。
ここからは小ネタと没案を。
・なんで途中から「 」になったの?
→ 作中、モンスターのセリフは『 』このカギカッコで統一していますが(たぶん)
風化刹命となったジャガモースのセリフはキャラクターと同じ「 」このカギカッコを使っています。これはあくまでモンスターではなくキャラクターとしてみて欲しいという意味を込めてます。
・名前の由来は?
ジャガモースは、
ジャガノート(止めることのできない力)
モルス(ラテン語で「死」)
この二つを組み合わせた名前。
ジャガノート+モルス
=ジャガモースです。
つまり意味としては、
「止めることのできない死」
・元ネタは?
かなり色々。
最初のデミアンも一つ。
でも一つ言うなら「死への羽ばたき」です。
けっこうグロいし、キモイので調べるのは自己責任で。
・何で最後一人称が俺から我になってるの?
彼が格好つけたがりだからです。
・没案①
ステップ3
風化の刻印
ジャガモースが触れる相手に武器防具の耐久が自動的に減るようにする呪い。
ついでに触れられたプレイヤーはHP上限が半分になる。
何で没にしたか……書き忘れた。
元々これがタイムリミットの役割をする予定だった。
後々に翼を後で生やす事を決めて正式に没に。
それとまあ、小細工なんていらないかなって。
・没案②
【無装命矢】の初期名称は【無華輝矢】(ムカコウヤ) だった、華の無い光の矢という事だが。
あんまり納得していないのと。
どこか悪い響きと何かが違うと常々思っていて変更することにし、
まず命の矢という事で【命矢】は確定だった。 無華は無装に変更し何も纏わない命の矢という事で
【無装命矢】が出来上がった。
没案③
最初は羊水ではなく殻の中にいた。
文字だけだとそうでもないけど想像するとなんかださいという事で胎の羊水の中にいる設定になった。
没案④
最初、寿命は一律で一時間だった。
まあ、削れやすくしたりして調整は出来たけど。
どっちみち長すぎッてことで没。
・小ネタ
本編で言いましたがジャガモースの翼は矢羽根です。
安定を取る為、真っすぐに飛ぶために考えました。
それと矢羽根の付いた矢は「不幸を払って幸せを射抜く」って意味があるみたいですよ。
幸を願う矢…って事でね。
■あとがきっぽいやつ
ジャガモースは
「変わらない理想」(不孵化)
「変えられた現実」 (可孵化)
「変わることを選んだ最期」 (風化刹命)
という三段階で作った。
単なる強敵というよりは、
「在り方そのものがテーマのボス」です。
もし何か気になる点や、
「ここどうなってんの?」みたいなのがあれば、気軽にどうぞ。
一応キャラクター設定。
ジャガモースは本能的に自分が刹那の命である事を知っていた。
卵から出る事を拒み、永遠の命を望んだ。
自身を別の異空間へと閉じ込め、あらゆる侵入を断ったつもりだったが。
現世との繋がりは切れず、入り口を残してしまった。
もっと詳しいキャラ設定は今伝えれません!




