第12話 永遠亭、立地悪くね?
赤達は地底から出ると駆け足で迷いの竹林に向かい到着していた。
「兄さん」
「言うな。」
「兄さん、、、」
「、、、、そうだよな。」
「「「迷った」」」
黄の言葉を遮った赤だったが青に諫められ大人しく自分たちの現状を認めた。実際、赤達は竹林にはすぐに着いたのだが永遠亭に到着していない。かれこれ十分以上彷徨っている。
「さすがは迷いの竹林だな。」
「名前通りですね。」
「どうするの?」
「あっ!そう言えば迷いの竹林には案内人がいるらしいですよ。」
「、、、見つけられるか?目的の方向に進んでも着かないのに。」
「「、、、、、」」
赤達は立ち止まり解決策を出し合っているが名案には繋がらない。三人が解決策を考えていると竹林から小柄な人影が飛び出してきた。
「ん?青に黄?」
「ん?あれ?てゐ?」
「え?」
「「「何してんの?」」」
竹林から飛び出してきたのは小柄でふんわりとしたワンピースを身にまといニンジンの装飾品を付けたうさ耳の少女だった。うさ耳の少女、てゐは青達に青と黄はてゐに同じ質問を同時に行った。赤は一人だけてゐのことが分からず口を挟むことなく三人を見守っている。
「青達は何してんの?」
「俺らは迷ってる。てゐは?」
「私は鈴仙に悪戯がバレて逃げて来たところ。」
「変わらないなぁ。」
「てゐ、悪いが永遠亭まで案内してくれない?」
「え~、逃げて来たところなのに?」
「うん、頼む。」
「まぁ、用事があるんだろうしいいよ。」
「マジ!ありがと~。」
青達がてゐと話を進め永遠亭へ行く段取りが付いた。赤は話が一段落したので口を開いた。
「青、黄、そちらは?」
「あっ!兄さんは初対面か。」
青と黄は素で赤とてゐが初対面なのを忘れ話していた。赤の発言によりそれに気づき赤にてゐをてゐに赤を紹介し始めた。
「この子は迷いの竹林に住むウサギたちのまとめ役をしている『因幡 てゐ』。」
「こっちが、僕たちの兄さんの彩色 赤だよ。」
「よろしく。因幡。」
「よろしくね。赤。」
二人の紹介が終わると四人は永遠亭に向かって歩き始めた。
数分後、四人は永遠亭を見えるほど近くまで来ていた。
「因幡、今の時間帯はいつも人が多いのか?」
「いや、あんまり人は来ないよ?医院と言うより薬屋だからね。往診とかあるし。」
「そうか、、、何かあったんだな。」
「どうするの?兄さん。」
「一応、入る。人が多かったら出直すか、外で待つかだな。」
「それじゃあ、少し行ってみますか。」
「ああ。」
赤達四人が永遠亭に近づくと建物の横にある庭の様なスペースから声が聞こえて来た。四人がそちらを向くとそこにはセーラー服の様な物を着たうさ耳の少女だった。
うさ耳の少女を見た赤以外の三人は小さく「あっ」と呟き、赤は(うさ耳天国)と心の中で呟いていた。うさ耳少女は赤達の方へ歩いてくると手前で止まりてゐを少し睨んでいた。
「て~ゐ~!」
「いやいや!待ってよ、鈴仙!落ち着いて!」
「落ち着いてます。だからこそ、貴方を探していたんですよ?」
「いや、今日は、その、あの、え~と、、、、」
「私の今日のおやつ食べましたよね?」
「、、、、、、はい。」
「今日こそ、覚悟は良いですね?」
「あの~、鈴仙ちゃん。今日はその辺で。」
「なんですか?黄さん。」
「何でもありません。」
うさ耳少女、鈴仙はてゐに罰を与えようと近寄る。てゐは視線を泳がせ逃げる機会を窺っている。黄は話を進めるためにてゐと鈴仙の間に入るが鈴仙の言葉に大人しく撃沈した。
青は目を逸らし我関せずと示している。赤は溜息を吐き鈴仙の前に立ち塞がった。
「初めまして、彩色 赤です。よろしく。」
「え?あっはい。私は『鈴仙・優曇華院・イナバ』です。よろしくお願いします。」
「ところで、優曇華院は八意を手伝わなくていいのか?」
「え?あっ!すみません。失礼します!」
鈴仙は赤の言葉を聞き急いで永遠亭の方に走っていた。赤達は鈴仙を見送りながら予定について話していた。
「あの感じ、結構忙しそうだね。」
「だな。どうするか。」
「他の場所先に行きますか?」
「いや、八雲が紹介しようとしていたのは地霊殿までだ。すでに挨拶回りは終わっている。」
「どうするの?」
「、、、手伝うか。」
「「行ってらっしゃい。」」
赤が治療の手伝いを決断すると青達は赤に対してそう言った。赤は苦笑いを浮かべ、永遠亭に向かった。
永遠亭のロビーには数十人が体の一部を抑えて座っていた。その中には見るからに重症者もいれば掠り傷程度の者までいた。
「次の方、どうぞ~!」
ロビーの奥から鈴仙の声が聞こえるとロビーに居た人が立ち上がり奥へ歩いて行く。その光景に赤は呆れていた。赤は溜息をまた吐くと病人を追い越し鈴仙の居る部屋へ向かった。
「八意、質問良いか?」
「何かしら?」
「効率悪くないか?」
「、、、、悪いわね。」
「一人でできるか?」
「外傷なら。」
「分かった。優曇華院、救急箱を2つ持ってきてくれ。手伝おう。」
「え?あっはい!」
赤と永琳は少ない言葉だけで認識をそろえていた。赤は鈴仙に救急箱を頼むと入室直前の患者をロビーへ戻し、別の患者を部屋に運んだ。何故なら、重傷者がいるにも関わらず軽傷者が部屋に入ろうとしていたからである。永遠亭は人手か少なく患者の選別を行う者がいない。そのため、速く永遠亭に到着した者から順に治療をすることになってしまっているのだ。そこで赤は鈴仙と自分が軽傷者を手当し重傷者を永琳が治療することにしたのだ。
「赤さん。持ってきました。」
「ありがとう。できそうな奴からやって行ってくれ。」
「分かりました。」
「少し任せる、人手を呼ぶ。」
赤はそう言うと救急箱を置き永遠亭から出た。赤は周囲を見渡し青と黄を発見すると二人を呼んだ。
「青!黄!少し手伝え!」
二人は赤の言葉に文句を言うことなくやって来た。
「重傷者を八意の部屋まで運べ。」
「「了解」」
三人は永遠亭に入るといった通りに働き始めた。赤は軽傷者の中でも酷い者を青と黄は重傷者の運搬を鈴仙は軽傷者の手当てを永琳は重傷者の治療を行うこと1時間ようやくロビーに居たすべての患者の治療・手当が完了した。青と黄は患者の居ないロビーのソファーに寝ころび鈴仙も少し疲れた様子だった。赤は永琳の部屋に向かい歩いていた。
「失礼する。八意、一週間の医療費だ。」
赤は永琳の使っていた机にお金を置きそう言った。永琳はお金を一瞥すると赤に向かって声をかけた。
「いらないわ。紫とスカーレットの子たちに貰ったもの。」
「金は多い分には困らないと思うが?」
「そうね。でも、それはこちらのセリフよ。」
「、、、、分かった。ただし、半分は受け取って貰う。」
「はぁ、強情ね。分かったわ。」
「助かる。金と食の恨みや貸し借りは恐ろしいからな。」
赤は永琳との話がつくと出していたお金を戻すことなく永琳に背を向けた。永琳は赤の行動の意味を察し立ち上がった。
「貴方、、、、」
「医療費の半分しっかり受け取ってくれ。」
赤はそう言うと部屋から出て行った。永琳は赤に負けた訳では無いが悔し気に手を握った。
お久しぶりです。白黒原色と申します。この作品は東方projectの二次創作です。原作をご存じの皆様方からすれば見過ごせない点が多くあると思われます。そう言った場合は作品を読むのを止めるか感想等で指摘いただけると助かります。タイトルは目を瞑ってください。原作では病院として利用されてないのにあのタイトルは自分でもおかしいと思ってます。許してください。




