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殺し屋、魔物を引き連れる

逃げ出した元殺し屋の怜は

森の中を駆けながら

「何なんだよこの森

人食いとかいう化物もいれば

狼もどきが襲ってくるし」と

愚痴をこぼして

体をかがませると

怜の頭上を人食いの腕が空振りする


それを見た怜は

「しつけぇんだよ

とっとと諦めろ」と

叫びながら走り続ける


そんな怜に向かって

狼もどきが体当たりしてくるのを見て

「もうヤダ」と言いながら

狼もどきの背中に手をつくと

体を跳ね上げるようにして

飛び越え

また走り出す


ひたすら逃げていると

木々の切れ間に人影を見つけた


まったく予想していなかったことに

「なんでここに人がいんだよ

自殺志願者か」と絶叫する


なぜなら怜は

追ってくる化物たちのせいで

足を止めるわけにはいかなかったからだ



やむを得ず

「避・け・て」と叫びながら

人影に駆けると


人影は避けるどころか

一歩前に出て容赦なく

怜のみぞおちへ腹パンする


怜はあまりの激痛に

「痛っ」と

言ってお腹を押さえると

「子どもの体に何してんだぁ

オメェはよ」と叫ぶが


眼の前で立つ女性は

「それはこっちのセリフよ

人食いや魔物をぞろぞろ引き連れて

街へ突っ込もうとするバカがいるなんてね」と

見下すように言い返した


そんな女性に怜は

イライラしながら

(こちとら武器もない丸腰で

知らない土地に落とされたばかりだ

街の場所なんか知るか)と

心のなかで吐き捨てると


一呼吸整えた怜は

後ろを指さしながら

「あんたコイツら

殺れんのか?」と尋ねると


女性は「私はこいつらを殺すのが

仕事なのだけど今回は

あなたを捕らえにきたの」と言って

人差し指を向けた


その人差し指から放たれた炎が

怜の横を通り抜け

背後から迫る魔物たちの進路を

焼き尽くした




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