表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
縁鬼乱舞  作者: ひろゆき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

227/235

 第三部  第六章  1  ――  軟禁  ――

 第二百二十七話目。

 じっとしていられないんだけど。

                     

          第六章



           1



 奇妙な細目の鬼の襲撃を受けて5日が経とうとしていた。

 細目のにやけた顔を思い出しただけでもイラついて、背中がムズムズしてしまう。

 何より、あの咆哮を聞いてから、どうも落ち着かない。

 嫌なことを無理矢理思い出させられたみたいな、胸苦しさがずっと残ってしまい、気持ちが悪い。

 しかも、火に油を注ぐようなコスモスの態度が気に入らない。

 ジェスタに戻され、牢獄に戻るという最低の対応をされる暴挙は間逃れたけれど、「自由にする」というのは名ばかりであり、しっかりと私とアカネは監視をされていた。

 宿に軟禁させられ、幾分自由はあるものの、気分は優れない。


「ねえ、殺しておく?」


 宿のベッドに座り、隣りのベッドで横になって休んでいるアカネに、扉の外で監視するコスモスの者を指差して笑う。

 私の冗談に、横になって頬杖を突いて呆れるアカネ。


「何、言ってんの。牢屋に入れられるより、マシと思わないと。ご飯も食べられるし、ベッドでも寝れるんだから快適と思わないと損よ」


 どうやらアカネは今の状況に満足しているらしく、大きく腕を伸ばして体を休ませる。

 どうもアカネは軟禁状態を満喫しているようね。私としては、窮屈で物足りなさが嫌なんだけど。


「でも、ゲイリィは全滅ってのは残念だったけれどね」


 優雅に眠っているのだと思うと、急に神妙な口調になるアカネ。腕を枕代わりにして天井を眺めて呟いた。


「もしかすれば、助けられなかったことを責めていて、軟禁、ってことかもしれないけどね」


 髪を掻き上げてぼやくと、よりアカネは表情を曇らせる。それに釣られ、私も口を噛んでしまう。


「多少なりともあの坊やや、修羅に対しての情報も手に入れることはできなかったしね。この苛立ち、あの鬼に払わせておけばよかったかしら。それとも、コスモスの1人でも殺してみる」


 情報がなく、空振りなのもさることながら、あの鬼に逃げられた悔しさに、息を呑んでしまう。


「だから、止めてって。余計に恨まれちゃうわよ」


 行く先は暗雲立て込めているけれど、アカネは楽しそうに手を振って制してくる。

 気持ちとしては、塞ぎ込んでいるわけではなさそうね。


「さて。じゃあ、これからどうする?」


 行く当てもなく、途方に暮れていると、アカネも気持ちを引き締めたのか、体を起こして髪の毛を撫でて整える。


「こうなったら、コスモスに言って情報を分けてもらうとか?」


 しばらく思案してから顔を上げるアカネに、苦笑してかぶりを振る。


「それはきっと無理でしょうね。あの隊長さんはともかく、ロブソンとかは憤慨してまた拘束するわよ。変な因縁をつけてね。かなり私たちを嫌っているみたいだから」


 お手上げ、と首を竦めてみると、アカネは納得、と笑った。


「じゃあ、セタは? 彼だったら信用できるんじゃない?」


 セタね。まあ、一番私らに心を許しているでしょうけれど、上手くいくのかしら。


「そうね。それもダメなら、やっぱり一人ぐらいは脅迫してみるのも……」

「だから、そんなことをしたら、あのロブソンって人に余計に責められちゃうよ。そうなったら…… どうかした?」


 なんだろう。何か空気が変わった。この感覚は。


「どうかした、ヒスイ?」


 不思議がるアカネを無視して、不意に立ち上がると、部屋の外を眺めてしまう。

 今になって背筋が寒くなってしまうと、頬が引きつってしまう。


「……ヒスイ?」


 突如動いた私を怪訝に思い、立ち上がるアカネ。振り返る余裕はない。


「……オヤジ様が戦っている?」


 ……まさか、ね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ