表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【二部完結】 Liebe   作者:
3章 綾の過去

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/60

34話S 朝のトラブルと私の本音

 注意事項。

 【R15/性的描写あり】

 女性同士の親密な描写を含みます。

 苦手な方はすみません。



 これは夢だと思う。

 彼女はこんな風に人を求めてくるはずがないから。

 ベッドの上で、私は綾さんと熱く抱き合っていた。


「栞、私を幸せにして……貴女で頭をいっぱいにして」


 綾さんは甘く掠れた声で囁きながら、私の頭を優しく胸に押し付けてきた。

 柔らかくて温かい膨らみが顔全体を包み込む。

 少し熱を帯びた肌の感触と、甘い香りに頭がぼうっとする。


 私は彼女の望むままに、その豊かな胸を舌で優しく舐め、時折そっと吸った。

 綾さんの身体が小さく震え、喉の奥から甘い吐息が漏れるたび、私の身体も熱く火照っていく。


 夢だろうか。構わない。

 このまま彼女のすべてを感じて、苦しい過去を忘れさせてあげたい。


「栞……来て……」


 その言葉に、身体中に電気が、走ったような感覚が広がった。

 私はゆっくりと手を伸ばし、彼女の秘部に指をそっと当てた。

 熱く潤んだそこは、私の指を優しく包み込んできた。

 軽く動かすと、綾さんが抑えきれない甘い声を上げた。


「ん……あっ……!」

「綾さん……もっと感じて。私をいっぱいに感じて……」


 私はもう一本指を重ね、優しく中を探るように動かした。

 綾さんの腰が小さく揺れ、銀色の長い髪がシーツの上で乱れる。

 潤んだ赤い瞳が私を見つめてきて、胸が熱くなる。


「栞……いい……もっと……」


 その声に導かれるまま、私は指の動きを少し速めた。

 もう片方の手で彼女の腰を抱きしめながら、おっぱいにキスをした。

 綾さんの身体が弓なりに反り、甘い喘ぎがどんどん大きくなっていく。


「あっ……あんっ……! 栞、だめ……もう……」


 綾さんの全身が、びくびくと震え、熱い波が彼女を包んだ。

 私もその余韻で、頭が真っ白になりそうだった。


 その瞬間、急に頭がズキンと痛くなって、視界が白く染まった。

 目が覚めた。


 「う……うん。綾さん酷いよ……朝起こすのに叩くなんて~」


 私が寝ぼけながらそう言いながら、右手が何だか暖かく包み込まれていることに気づいた。

 中指が少し動くと、柔らかくて熱い感触が指先に伝わってくる。

 綾さんがびくりと身体を震わせ、慌てて声を抑えながら掠れた声を出した。


「っあ……! 起きたの……なら……手を、どけて……お願い……」


 その声で一気に目が覚めた。

 私は自分の体勢を理解して、背筋が凍りつくような感覚に襲われた。

 あわわわ……!

 夢だと思って寝ぼけながら……!?

 慌てて指を引き抜くと、綾さんが小さく息を詰めた。

 私は飛び起きて正座になり、勢いよく頭を下げた。


「綾さん、ごめんなさい……! ワザとじゃなくて」


 顔も耳も首も、全身が熱くなって真っ赤になっていくのが自分でもわかった。

 せっかく昨日、綾さんが、添い寝をゆるしてくれたのに。

 私は何てことをしてしまったんだろう……!


「わかってる。でも……着替えるから、少し出て行って」


 綾さんの声はまだ少し震えていて、頬もほんのり赤かった。

 銀色の髪が乱れて肩に掛かっている姿が、妙に色っぽくて、私はますます視線を逸らした。


「う……うん……ごめんなさい……」


 私は這うようにしてベッドから降り、自分の部屋に戻った。

 ドアを閉めた瞬間、両手で顔を覆って蹲り込んだ。

 心臓がまだバクバク鳴っている。

 指先に残る、綾さんの熱と柔らかさが離れない。

 夢と現実が混ざって、頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。

 でも、綾さんが怒ってなかったことだけが、せめてもの救いだった。


 部屋に戻って、私は朝の準備を始めた。

 今日から1週間、地方ロケがあるから荷物もそこそこ多い。着替えや化粧品をスーツケースに詰め込みながら、さっきの夢のことが頭から離れない。

 ……あんな夢まで見てしまうなんて、私の中で綾さんの存在がどれだけ大きくなっているのか、改めて思い知らされた。


 でも、この気持ちは絶対に隠さなければいけない。

 私のキャリアにも関わるし、何より綾さんに迷惑をかけてしまう。

 そう自分に言い聞かせながら準備を終え、リビングへ向かった。

 部屋に入ると、綾さんはもう朝食の準備をしていた。


 彼女の顔を見た瞬間、夢の中の熱い吐息や柔らかい感触がフラッシュバックして、頬が一気に熱くなり、慌てて目を逸らしてしまった。


 食事中も、何か話そうと思って、綾さんの顔をチラチラ見てしまうのに、恥ずかしさが勝ってしまって結局下を向くことしかできなかった。


「わざとじゃないんでしょ。寝てるときに起きたことだよ。気にしなくていいから」


 綾さんが、いつもの少しクールな声で言ってくれた。

 きっと平静を装ってくれているんだろう。

 周囲からは冷たいとか、何を考えているかわからないと言われることもあるらしいけど、私の知る綾さんはとても優しくて、思いやりがある人だ。

 それでも、彼女のトラウマを刺激してしまったんじゃないかと、申し訳なさが胸を締め付ける。


「でも……許可なく、綾さんの……」

「私が良いって言ってるんだから、気にしないの。気にされる方が……困るから」


 その言葉に、少しだけ胸が軽くなった。


 私は「ううう……」と小さく唸りながら、下を向いたまま、でもほっとしたように小さく頷いた。

 綾さんの指先が、テーブルの上で少し震えていた気がした。

 夢の中の熱い感触が、まだ私の指に残っている。


 食事を終え綾さんがキャリーケースを引いて玄関へ向かう音が聞こえた。

 私は自分の部屋を飛び出し、慌てて後を追った。

 玄関でようやく追いつき、私は声をかけた。


「なんか変だね、綾さん」

「なにが?」


 綾さんが自分自身をキョロキョロと見回す姿が可愛くて、私はくすっと楽しそうに笑ってしまった。


「違う違うって……綾さん自身に可笑しいところなんてないよ。いつもと反対だなぁって思って。私が綾さんを見送ることなんて、基本ないからね」

「そういえばそうだね……」


 普段は、私が仕事やロケへ行くのを見送ってもらうのが普通だった。

 綾さんは、ハウスキーパーとして家の家事を完璧にこなしてくれるから、いつも安心して任せられる。


 今日は綾さんが、渡英する時間が早いので、私が見送る番だった。

 なんだか新鮮で、こういうのも悪くないな……と思ってしまった。

 そう考えていると、なんだかすごく愛おしく感じちゃって、綾さんに飛び込んでしまった。


 私の腕が綾さんの首に優しく回して、ぎゅっと綾さんの柔らかい体に押しつけた。

 流石一流のアスリートだけあって、体幹を崩さずに、支えてくれた。

 それでも綾さんの肩がピクリと震わせていたのを見逃さなかった。


「危ないでしょ!」


 綾さんがそう言って注意をしてきたけど。

 私は背伸びをして、綾さんの口のすぐ近くの頬に、ちゅっと軽いキスを落としてみた。

 意外ともちもちな肌の感触が、じんわりと熱を感じさせていた。


「え……」

「イギリスだから、頬にキスするのは普通かなって思って。慣れないとパニックしちゃうかもね」

「まだここ日本だから……」


 呆然とする綾さんに対して、私はにこっと笑ってしまった。


「綾さん、サッカー頑張ってね」

「栞もロケ頑張ってね」

「行ってらっしゃい。メールとかするから」

「行ってきます。面倒なことしなくていいから」


 速攻で拒否された。


 私が、こういうことがあったよってメールを送っても、綾さんの返信は基本的に業務連絡だった。

 前にも「綾さん今日何してたの?」って送ってみたら。


『栞を見送って、掃除と洗濯。昼食を食べ、2時間ほどサッカーの練習。これから、お風呂掃除の後、夕ご飯の準備。洗濯物を取ってから夕ご飯を作る予定』


 まるで家事スケジュールの報告書みたいな返事が来た。


 「もうちょっと普通の会話っぽくしてよ~、業務連絡みたいじゃん」って言ったら、綾さんは少し困ったような顔をしていた。

 その後で、「栞が何を求めているかよくわからない」と言われた。


 ……あのギャップはどうにかならないのかな?

 何が、質が悪いって言ったら、本人無自覚なところが本当にダメだと思う。

 クールで真面目なのに、急に恥ずかしくなったりするのはよくないと思う。


 私は、ため息をつきながら、秋子さんが来るまでに残りの準備を終わらせた。

 スーツケースの最終チェックをして、家の鍵をしっかりかける。

 エレベーターで下り、駐車場に向かうと、秋子さんが車を停めて待っていた。


「栞、おはよう! 準備は大丈夫?」


 秋子さんは、明るい笑顔で手を振ってきた。

 私は小さく会釈を返しながら、助手席に荷物を積み込む。


「うん、大丈夫だよ。……綾さんはもう空港に向かったよ」

「知っているわ。唯も向かったしね、私たちも頑張りましょう。1週間のロケ!」

「秋子さんなんで知ってるの?」

「昨日は、唯の部屋で泊まったからね」

「なるほど」


 車が動き出すのを感じながら、私は窓の外に視線を向けた。

 まだ朝の柔らかい光が街を包んでいる。

 私達も待ち合わせの場所迄向かった。


「Liebe」をお楽しみいただけましたか?


もし「続きが気になる」「応援したい」と感じていただけましたら、ぜひブックマーク登録と、ページ下部にある【評価する】ボタンから評価ポイントをいただけると、とても励みになります!


皆さんの応援が、次の話の執筆を進める力になりますので、どうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
綾の長編シリーズ!
【4部連載中】転生したら美少女冒険者に! ~おっさんの心が旅立つ異世界冒険記~
~!
※R15・残酷描写あり。苦手な方はご注意!

他の長編もチェックしてね(現在4本!)
2. 白雪様と二人暮らし
女子高生と仏様とのほのぼの百合小説
3. 【完】紫微綾の事件簿
(百合×探偵×バイオレンス)

※R15・基本性的描写・残酷描写あり。苦手な方はご注意!

もっと知りたい人はTwitterで更新待ってるよ~
@VTuberAya_Nanjo
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ