生徒会執行部
「…というわけで、生徒会執行部の一員としてあなた達夫妻に生徒会の出し物のメインを張ってもらいたくてお呼び出しさせてもらったの。」
クラスでのジャンケンに負けた私とルーはこの春から生徒会執行部の一員として最上級学年をまとめる役割に就いた。
私は書紀、ルーは会計に回ったと記憶をしていて呼び出される由縁はないものと考えていた。
それなのに、だ。生徒会長に呼び出されてこんな場所にいる。
時刻は放課後、ルビーのお迎えもあるからそう予定は入れられないというのに…。
「…それで、我が校の学園祭のメインテーマは去年の春に転入していらしたから分かっていると思うけど。」
そう、この学校の学園祭は七夕がメインテーマになっている。
嫌な予感しかしないのだが、話を聞かざるを得ない。
「あなた達には織姫と彦星を演じて欲しいのよ。
全生徒の中に紛れ込んだ織姫と彦星を少しのヒントで探すミステリー調査部の部員のマチルダとルー。
タイムリミットは後夜祭の櫓に火が入るまで。
学園内のあちこちに残された痕跡を観客とともに見つけ出して無事に織姫と彦星を探し出すことはできるのか?」
これが、今年のシナリオになるわ。
嫌な予感が的中である。
平静を装ってルーに話をしているのか?と尋ねる。
既に話していてマチルダの意向によると言うことになっているらしい。
ルビーの迎えがあるので返事は保留ということで帰路につく。
「あぁ、どうしよう。困った。」
織姫と言えば、高等教育都市フェルネウスで女優をしていた頃、外の世界でそれぞれ俳優や女優業をしている人を集めた部活の演劇部で教育映像を撮った。
古今東西今昔列伝…。色々な民族で語り継がれてきた子供向けの昔ばなしを集めて映像化したもの。
七夕のお話で遠山 さく、こと私は織姫役をしていた。
幸か不幸か。古今東西今昔列伝は高等教育都市のみならず、養育惑星イオネウス、各育英都市での反響は大きかった。
遠山 さく、の名前が売れるくらいには。
「…マチさん、ご無沙汰してます。」
さくちゃん。久しぶりね。すっかりお姉さんになっちゃって。
ルビーを保育園から引き取って、屋台でおやつを買い求めて川沿いの遊歩道に落ち着く。
1歳と数ヶ月を迎えたルビーは元気いっぱいで目の届くところを歩き回っている。
通信で呼び出したのは、遠山 さく、時代の知り合いのメイクさん。
10代前半の私にとって20代後半のマチさんは年の他慣れたお姉さんって感じで。
メイクのコツ以外にも裏方の小ネタをいつも教えてくれて。
相談できる人って考えたとき、シンさんじゃなくて。
演劇関係の人で、高等教育都市に関係した人でって彼女以外にいなかった___。




