第七話~友愛編~ 「秘密」
「私実はね…人間なの。」
周りに聞こえないくらいの声で、私は最大の秘密を打ち明ける。
フィルマンが以前に言っていたとおりこの世界は、元は"下界"と呼ばれる人間と共存する世界に生まれ、人間の傲慢な環境破壊や戦争によって命を奪われ、人間を恨み…そして同時に羨む気持ちが強かったものが送られてくる世界。
そしてその憎悪の対象である"人間"であることを黙り、ロラに友達として接していた…。
考えみると酷いことだ…私は、私の友達欲しさという独りよがりな欲求の為に、
ロラを傷つけてしまうようなことを…。
「ご、ごめん、こんな大事なことを隠したまま馴れ馴れしく接しちゃって…。」
罪悪感に押しつぶされそうになりながら、恐る恐るロラの方を見る。
…しかし、ロラから怒っているような表情は感じ取れなかった。
寧ろ、彼女はあの愛くるしい笑顔を、私に見せてくれた。
「大丈夫!ロラ、お姉ちゃんがどんな動物でも気にしないよ!だって
お姉ちゃんはロラにいっぱい優しくしてくれたもん!」
思わぬ返答に、自然と目頭が熱くなる。
「それにね、お姉ちゃん」
「ん?」
誰にだって、大きな秘密の一つや二つ、持っているものなんだよ―――。
その時、ロラは一瞬悲しげな表情を見せた。
…思わず鳥肌が立ってしまうほどだった。
そして私は、未だ謎の多いロラの…裏に隠されたソレを悟った…。
―――王宮に帰った私は、昨日と同じように食事や入浴を済ませていくが、
やはりあの時のロラの表情を、片時も忘れることはできなかった。
寝室に向かう前、王宮の廊下でフィルマンにあった。
「あ、おやすみなさい、フィルマン。」
「おやすみなさい。エルミール様…あ、そういえば…」
すれ違ったところで不意に呼び止められたので、躓きそうになる。
倒れる前に体勢を整え、フィルマンの方に向き直る。
「エルミール様、城下町で少女と遊んでいるようでしたが…」
え…?
そして私は、思いもよらない相手からの、想像もできなかった言葉を聞いた。
「…彼女との接触はもう、控えた方がいいでしょう。」




