第二十三節 ガイアの夢
うーん、ちょっと色々あって続き遅れてました…
それと、ここら辺は、シーン毎のパートが交錯するだろう所なので
節が増えるのはアレなんですけど、キリの良いところで
書けたら出す的な…
クライドは目を醒ました。
夢。
そう夢を見ていた。
昨日見た夢だ。
という事を起きた今、思い出した。
二日連続で夢を見た事で、
ようやくその夢を見た事が自覚できたのだった。
しかし誰なのか?
思い出せない。
いや、全く覚えが無い女性だ。
なのに、間違い無い
自分はその人を何故か知っている…
そう思える女性の輪郭を夢に見ていた。
『ふぁぁぁ…おはようクライド…
なんかよく分からない夢を見た…
…お母さん?
の夢を見たような…』
と横で寝ていて、同じ様に起きてきたプリメーラが
目を擦りながらそう言う。
「プリメーラも…同じ夢を?」
そんな彼女の言葉に驚き、何故、同じ夢を?
と思ったのだが
――そういえば同体化して寝ていたのだった、
という事をクライドは思い出す。
となると見る夢も同じだったという事か?
あるいは自分の見た夢をプリメーラも見た…という事か?
そう考えながらも、プリメーラの
『お母さん』
という言葉に激しく動揺するクライド。
あれはクライドの母親の姿ではなかった。
全然、記憶の中のイメージが違う。
しかし何故か、あの輪郭の女性をクライドは
『お母さん』だと思ってしまった。
そう自然に思えたのだった。
その感覚がプリメーラも同じだった事に
クライドは眉をひそめる。
だからプリメーラに、
ちょっと声をかけようとしたのだったが…。
『…あ、あれ?
何か…また睡魔が……あ…あ―――』
プリメーラはそこで突然、眼をボンヤリとさせて
そのままベッドの上で、二度寝を始めたのだった。
「プリメ…」
とクライドが声をかけようとした時、
意識を失ったプリメーラが、今度はその光体まで消えてしまう。
「…え?」
そんな異常な事態にクライドは目をパチクリさせた。
『あーーえーっと、クライドさん…
ちょっと、陛下の方のプリメーラ様に
火急の御用事が出来まして……
そういうわけで、姫の方のプリメーラ様は
今は消失された…という事でして…』
と、シードがそんな異常事態を説明する。
「ほう…そういう事なのか…
陛下の方のプリメーラさんと、姫的な方のプリメーラは
同時に存在できないって関係なのか…」
シードの説明を聞いて、
自分の言葉で自分の理解をシードに確認するクライド。
『まぁ、そういう事です』
クライドの言葉に、シードは素っ気なく応えた。
『フォレスト!
フォレスト!!応えなさい!!』
プリメーラは念話空間の中で、第1の従者を呼んだ。
『何で御座いましょうか?陛下…
姫様と強制交替してまで、私を呼びつけるとは…』
主の緊迫した顔と強引な行動に、思考空間で眉をひそめるフォレスト。
『クライド・ボル・メトレノイア・ガイアが…
彼が、ガイアの夢を見ました!!』
プリメーラはそう言って、強い眼差しでフォレストを睨む。
『…は?ガイアの夢?
ガイア…とは…我が母…ガイアの事ですか?』
そんなプリメーラの頓狂な言葉に、
彼女の言葉の意味を問うフォレスト。
『まだ、輪郭だけでしたけれど、
ゆっくりと見えたあの顔のイメージ…
間違いありません!! あれはガイアでした!!
検索を命令します!!
地球人化を起こした人類種が、
エクソンーイントロン相互作用
あるいはエピジェネティクス的な作用によって
ガイアの夢を見る症例が存在したか?
全症例を検索しなさい!!』
フォレストの言葉を肯定し、クライドが見た夢
その夢の中で現れた人物に関して、
プリメーラは地球人化による症例の中で、
類似症例が存在しているのかの検索を命令する。
『そんな症例は…検索を始めましたが…
―――――………
ありません…流石に、カリア・ザクタとアリア・ザクソン
の情報体だけで、ガイア情報が復元される事など不可能ですし…
そんな事は…』
フォレストはそう言って、地球人化の症例で特記的な事項を検索し
主の言うような症例は全く無かった事を報告する。
『では、あの青年…
クライドさんは…今まで症例の無かった…
ガイアの夢を見る事がある地球人だと言う事ですか!?』
フォレストの報告に衝撃を受け、プリメーラは自分も見た、あの夢。
ガイアの輪郭が呼びかけている夢の光景を
フォレストにイメージで送って、それを強く問う。
『おお…おおおおおっ!!!
これは、間違い無い…母様!!ガイア!!』
そのイメージを見て、プリメーラと同じ様に動揺するフォレスト。
いや、一番動揺したのは、それを観察していたアストラストだった。
(『母…ガイア!? 我が心の友…ガイアの夢を見ただと!?』)
アストラストはそれを思い、
動揺してその天体を鳴動させてしまった。
「何ですか!?この鳴動は!?」
アストラストの異変を感じ、それに顔をしかめるメリシア。
「強いぞ!メリシア!! 今までに無いアストラストの鳴動だ!!
これは一体!!」
皇帝のお茶会テーブルのお茶が強く揺れるほどの鳴動に
アルシオンも驚き、アストラストの異様に真剣な眼差しになる。
「これはいけません…緊急祭儀を始めます!!貴方!!
貴方もエンペリオンを使って、祭儀補助をお願いできますか?」
メリシアはそう言うや、手に巫女祭儀用の神具鈴を召喚し
神具を鳴らして、額紋展開を行った。
メリシアの額に巫女方向の三菱印が浮かぶ。
「これほどの事だ…私も参加しないとマズイだろうな…
エンペリオン:バルディオス、来い!!」
アルシオンもそう言って手に、
ショートソードの様なモノを召喚し彼自身も額紋展開をする。
常時展開であった彼の六菱紋であったが
戦士方向の逆三菱ではなく、巫女方向の正三菱が発光して輝く。
アルシオンはエンペリオンを発動させ、
赤の刃光をそのショートソードの周囲に発生させ
ゆるゆるとした剣舞を始めた。
そんな強力な2つの神具の発動を見て、
メリシアは本格的に祭儀の舞をその場で始める。
「本当に、どうしたのかしら…
最近のアストラストは…」
祭儀の巫女舞を始めながら、そう呟いて
メリシアはアストラストの異変に眉をひそめるのであった。
『アストラストが、動揺している様ですね…』
激しい重力波を感じ、自分達の動揺以上に
アストラストが動揺している事を横目で見るて
そう呟くプリメーラ。
『ガイアの名前を聞いて、
一番動揺するのはアストラストでしょう…
私ですらこれなのです…
なら、アストラストなら…』
二人の観察をしていたアストラストが
その言葉によって混乱をしているのを見て
言葉をそっと添えるフォレスト。
『アストラストの動揺を止める為に
メリシア・オルフェニウスが巫女祭儀に入りましたか…
アルシオン・オーラクルムまで手伝っていますね…
そこまでアストラストを動揺させるとは…
流石は、始祖の母、ガイアといった所ですか…』
プリメーラはアストラストの今の事態を眺めてそう評した。
『ガイアを覚えているモノで、
ガイアに動揺しない思考天体など居ません…
六色ガメットなら、全てが動揺したでしょう…
アストラストなら、尚更です…』
プリメーラの言葉を受けて言葉を返すフォレスト。
そんな二人の会話。
メリシアはアルシオンの助けを受けて、
非常に深い巫女祭儀の神域に踏み込んでいた。
アストラストの中枢と連結する事で、
自身とアストラストとの融合化を進めていく。
いや、その時、アストラストの更に深い中枢、
アルシオン達ですら特別な事が無ければ
入室を許されない特別区画の中から、
より強い力が生まれ、それがメリシアの祭儀を助けた。
その強い補助により、メリシアの目は
アストラストの目に深く繋がる。
そこでメリシアは、
赤く長い髪を持ち、紫の外套を羽織っている女性
それが念話空間の中で、こちらを見つめているのを見た。
(「このアストラストの視界は!?」)
その光景に驚くメリシア。
(『いかん!!』)
自分の目がメリシアの目に繋がったのを感じ
アストラストは、やむなくそこで特別回線を遮断する。
メリシアは一瞬だけ見えたそれが、直ぐに遮断された事に驚いた。
そんなやり取りを、
特別区画の中から見ていた者は頬を僅かに緩めた。
「やはり生きていたか…
我が愛しき、最愛の妹プリメーラ姫…
そうであろうな…
そうだ…決着は何も付いておらぬのだ…
互いに、あの時に、死ねるわけがないのだ…
それがどんなに傲慢な思いだとは、分かっていても…」
その特別区画でそれらを眺めていた者は
そう言って苦笑いをする。
「兄よ、ああ…我が兄…シザリオンよ…
貴方に頼まれたというのに、
不甲斐ない兄のままで、申し訳ない…
妹を、未だにあのような場所に閉じ込めている…
なんという、能無しの私であろうか…
だが、何か…
何かが起きている…
何故、それが起きているのか分からないが…
何かが起きている…
それは、私達が待っていた…運命の時…
それが遂に、到来したという事だろうか?」
その者は、そう呟いて、哀しそうに笑った。
『メリシア・オルフェニウスに…
一瞬、見られてしまいましたね…』
アストラストが回線の強制切断をしたのを見て
プリメーラはハァと深い溜息を付いた。
『流石は歴代3位の若さでガメットの巫女になった逸材…
それも真性色帝の六菱巫女ではないのに、
あの若さでアストラストが巫女に見初めた者です…
アストラストの巫女の選考基準が、
人類の外側を許せない人格…ですから…
人類の外側を本気で討伐する事になれば
アルシオン・オーラクルムの代わりとして
主人公に指定できる、これまた逸材…
そんな才在る彼女であれば
僅かの摂動があれば、我々とて見られてしまいます…
ましてや、ガイアの夢…などという話があれば…』
プリメーラの言葉にフォレストはそう応えて苦笑いを浮かべた。
『確かにガイアの夢に動揺した私達なら
その隙を突かれたのは、仕方ない事なのかもしれません…
それもやはり、始祖の母の力なのかしら?
凄い事です…。
しかし、見られた事はマズイ話ですね…
勘の良い今の赤帝の人々ですから…
一瞬の情報でも、色々な事を看破してしまうでしょうね…』
そう言って脱力するプリメーラ。
『仰られるとおりですが…
ただ、今の祭儀共鳴は…メリシアだけの力では無かったかと…
祭儀共鳴でアストラストがフルドライブしていました…
という事は、真性色帝が参加して
巫女祭儀補助をしていたという事です…』
フォレストはプリメーラの言葉に僅かに補正の言葉を添える。
『ええ…そうでしょうね…
メリシア・オルフェニウスの後ろに、
私はしっかりと見えましたよ…懐かしい…兄さんの姿が…』
そう言って微笑むプリメーラ。
『笑っていましたね…昔の様に…
まぁネーハンに入りきれるモノでは、ありますまい…
彼なら1000年前の決着だけは、どうしても付けたいかと…』
プリメーラの言葉にフォレストも妙に嬉しくなって
そう言葉を添えて、思いを馳せるのだった。
クライドはプリメーラに残され一人寂しく朝食を済ませ
1人でいるのも退屈なので、日課であった筋トレでもしていた。
こんな大地で筋トレに励んでいると、
森の香りが心を癒し、気持ち良い汗がかける。
故に、忘れかけていた何かが
何故かその清涼さで思い出せそうな気がした。
それは不思議な感覚で…
何を忘れているのか?
そもそも何を覚えているのか?
知った事さえない、知識の中にさえ無いモノを
何故か思い出せそうな気になるという
あまりに奇妙な感覚だったので、それがむずがゆくなる。
それが夢の中での女性だった。
出会った事も無い女性だ。
間違い無い。
なのに知っていた。
不思議な話だが…出会った事も無い…
絶対に知るはずも無い人だったのに
クライドは何故かその人を知っていた。
それだけは確信できた。
そしてプリメーラの今朝の言葉だ。
『お母さん』
その言葉を聞いてクライドは納得できた。
そうだ、あれは『お母さん』だ…。
そう思った。
しかし、それはどう考えてもおかしい。
あの夢で見た人はクライドの母親では絶対にない。
記憶の中の忌まわしい母親の姿では無かったのだ。
でも間違い無い…。
彼女を感じた時に、それを言葉にすれば
『お母さん』であった。
「母か…
親を捨てた俺が、今更、母親を求めている?
そういう願望が、あの夢を見せたのか?
……まぁ人間なんて、何処まで行っても
原点はそういうモノなのかもしれないけれど…
それでも、お母さん…なぁ…」
そう独り言を言いながら、
上手く言葉に出来ないむずがゆさに苛立つクライド。
この『母』という感覚…
つい最近にこれに似た様な感覚を感じた気がする。
それは何であったか……
それを寝転がって考えてみる。
あの女性と物凄く似た感覚…
つい最近、感じたそれ…
そうクライドが考えていた時、
あの女性を感じた時に抱いた感覚と同じ感覚が何かが思い出され、
クライドの瞳の中にそれが映っていた。
「あ、そうか…
地球だ…
今の壊れている地球じゃなくって…
壊れる前はこうだったって見せて貰った地球…
あの地球を見せて貰った時と
同じ感覚だ…
夢の中のあの人に出会った時の感覚は…」
そこでクライドは、似通った感情を何で感じたのか思い出した。
「何であの人を見た感覚と
地球を見た感覚が同じなんだ?
変な話だな…
じゃ、夢で見たあの人は…
地球の精霊だとでもいうのかね?」
そんな激しい妄言を口にして苦笑するクライド。
夢の中で、地球の精霊を、擬人化して見た…だと?
どんな妄想なんだそれは…
そう思ってクライドは苦しそうに笑うしかなかった。
クライドのそんな独り言を聞きながら、僅かに焦るシード。
その妄言は、確かに根拠のない妄言であったが…
当たらずとも遠からずな比喩であり
彼女が地球の精霊に感じてしまうというのは…
今の人類種にとっては、当然の事だろうと思えた。
ともかく、ガイアの夢を見る…という
症例の存在しない事をしでかした地球人によって
赤帝の中枢が、慌てふためく事になっているのだから
これは思った以上に、厄介な事であった。
地球人は何をしでかすか、分からない…
それは、昔からよく分かっていた事であるが、
これは流石にとびきりの出来事である。
クライドによって、この現状が引き起こされた事、
それにシードは僅かにおののいた。
「なぁシード…」
『何ですか?クライドさん』
そんな不思議な感覚を何時まで考えても仕方なく
『陛下』の方のプリメーラも中々、帰ってこないので
ふと、思考が整理されていき、
前の陛下との会話の違和感がクライドの中で急速に沸いた。
「まぁ、あんな雰囲気じゃ、
とても教えられないって事なんだろうけど
でも、気にならないか?って言えば嘘になるから…
一応、聞いてみるけどさ…」
『はい…』
「陛下の方のプリメ―ラさんが言っていた
人類の外側ってのさ…
1500億人を殺しても何とも思わない、
とんでもなく危険な奴等なんだろう?
じゃ、何でそれを銀河中に公表して、
銀河全員でそれを排除しようとしないんだ?」
クライドはそう言って…プリメーラに説明されたプリメーラの敵
人類の外側に対して、何故、銀河大戦争を起こしてでも
それを殲滅しようとしないのか?という疑問を尋ねた。
確かに、銀河大戦争など起こして、銀河を火の海に変えるのは
物騒な話で、全力で回避するべき事ではあるが…
しかし、相手側が人類の大量殲滅をしたとして
何も思わない様な輩だと言うのなら、
そんな相手とは妥協の余地無く、戦うしかないのではないか?
そうも思えた。
だからこその質問だった。
その至極最もな質問を聞いて、返答の言葉につまるシード。
『ふーーーむ…
はて、私の権限で何処まで言って良いモノやら…
ここら辺は、非常にナイーブな所ですけれど…』
「うん?」
『ベラベラ喋って、後で陛下に怒られるのもアレですけれど…
例えば、そうですね…人類の外側は1500億人を殺す事に
何の感想も無い…と、しても…
別に、この銀河に対して、それがしたい存在ではない…
と、いう説明ならどうでしょう?』
シードはそう言って、相手の正体を言わずに
クライドにどうこの『微妙な関係』を納得させるか?に苦心する。
「はん?分からないな…
1000年前は、それが争点で革命戦争をしたんじゃないのかよ?
そんな1500億人も殺したいって、
よくわからん気のふれた連中が相手なら、
普通に戦う以外に、道が無いじゃないか…」
と、クライドはシードの言葉に率直な感想を返す。
『あーーえーっと…
彼等は1500億人が殺したいのではなく…
彼等のやりたい事をすると、
結果的に1500億人が死滅するんじゃないかなー
という事が予想されたので…
物凄い無理をして、革命戦争を引き起こした…というか…』
そうシードはしどろもどろに応える。
「なんだそりゃ?
よく分からんな…
結果的に1500億人が死滅する様な、何らかの行動って…
でも、それがどうも教えられない話だとしても
1500億人も死んでしまうって事実があるのなら
やっぱり戦うしかないし…
それも、今でもその残党が残っているのなら…
何処にも妥協の余地が無く、戦うしかないと思うんだが?」
クライドはシードの歯に衣着せた言葉に
人類の外側の目的こそが、最も言えない事だと感じて
それの追及は避けたが、それでもどうにも納得のいかない
持久戦勝負での判定勝ち、を求める姿勢が分からなかったので、それに腐る。
全銀河がそんなモノの存在を知れば、確かに大量の犠牲を払うだろうが
それでも、人類の生前権の確保の為に、
妥協の余地無く戦うしかないと思うのだが…。
と考えた時に、クライドはプリメーラが出した
謎謎の事を思い出して、ふっと、それを口にしてみた。
「なんていうかさ…
そういや、陛下が言っていた、
宇宙怪獣クラーリンと人類の外側って…
妥協の余地が無いって点では、同じだよな…
方や、宇宙を食い尽くす宇宙怪獣
方や、何かの目的で1500億人を死滅させるキティガイさん
御伽話の方は、荒唐無稽だけど
人類に対する驚異度ってのは同じだ…
むしろ人類の外側は実在している方が質が悪い…
もしかして、あの御伽話って…
その人類の外側という存在の揶揄なのか?」
クライドは、あの不可思議な御伽話と
現実に存在しているという、人類の外側の相似性を思い
という事は、あの御伽話は陛下の敵に対する揶揄なのか?と考えてみる。
『いえいえいえ!!
クラーリンは、人類の外側なんかよりも
もっと深刻なモノですよ!!
クラーリンに比べたら、人類の外側なんか
可愛い存在です!』
そこで思わずシードはクライドの言葉を力一杯否定した。
「…へ?
どうしてそう言い切れるんだ?
っていうか、その口ぶりじゃ、陛下の言うクラーリンっての
アンタも知っているって事になるんだが…」
シードのその対応にクライドはそう言って眉をひそめた。
『あーーーあーーー
これ以上言うと、陛下に滅茶苦茶怒られるんで
ここら辺で勘弁して貰えませんか?クライドさん…』
とシードはその詰問に手を上げて、言葉で降参した。
「ふーん…俺には言えないって奴か…
ま、銀河の大事を、俺みたいな一般人に言うのは
そりゃ躊躇われるか…
わかるにゃ、分かったけど…
でも、全部が全部、謎謎過ぎて、一般人としては困るわ…
何に躊躇する事があるのか、さっぱりわからん…
まるで、それじゃ、人類の外側を排除するのには
銀河大戦争をする以上に、物凄いリスクがあるようにしか…」
と言って、自分の言った言葉でクライドは気付く。
なるほど、と。
人類の外側を暴力で強制排除すると
銀河大戦争をするよりも、更にリスクが存在する…
という様な、よく分からない条件が存在していれば…
持久戦勝負という手段を取るのは意味がある。
そんなクライドの何気ない言葉にシードも焦る。
それが一応の正解なのだから…。
しかし、クライドはそういう事があれば納得は出来るが
それなら、そんなリスクとは何か?という大問題が起きて
それは何なのか?という疑問になった。
やっぱりわけわからん。
その一言だった。
それにクライドは溜息を付くしかなかった。
序盤~中盤にさしかかる辺りからは
本格的に話中の説明に出てくる超重要人物なんですが
どーも、プロットを考えると、突然出てくる感が強いのと、
クライドが、だんだんこの人に思いを馳せていくというのが
今まで考えていたプロットでは、ちょっと無理な所もあり
この人とクライドの絡みを、どうやってナチュラルにするか?
が、大問題だったんですが
ここはそう、SFモノでもたまに使われる技巧の
「何かよくワカラン、ファンタジー」
という理屈の無い怪奇現象でもいいかなーと。
サイエンスとしては、そこに理屈があった方が
ナチュラルなんでしょうけれど、
サイエンスである事と同時に、
フィクションである面白さの共演がSFですから
ここは「何故か見てしまう体質」という
理屈抜きで行こうかと…
これで、クライドとこの人の、絡ませないといけないのに
どうして絡むのか分からない問題も強引に解決しましたし
惑星引き籠もりから脱却する為の、
話の歯車にもなるんで、ちょうどいいかなーと。
冷静に考えたら、世界設定的に
アルフォーレシードを出撃させるなんて
「どんな血迷った理由があったら承認されるんや?」
ってのがありますんで
一番血迷った理由を持ってきたら
逆に、みんな納得するかなーと。




