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証。  作者: 成瀬摘希
第三章:小さな兆し
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16/19

再生

後輩


「ごめん。風間っている?」


1年1組の教室の前。


1組だと思われる子に亜莉寿を呼んでほしいと頼んでいた瞬間、綴灯に大声で泣きながら人が抱きついてきた。


「うわあああああ!センパイ……!!!無事で、本当に、良かったです…!!」


亜莉寿は綴灯に抱きつき涙を拭っていた。


綴灯は本当に迷惑をかけたと改めて実感してしまう。


亜莉寿を安心させるように綴灯は亜莉寿の頭の上に手を乗せた。


「…ごめんね…。もう、大丈夫だから…。心配してくれて、ありがとう。」


頭を撫でると亜莉寿は顔を上げまだ涙目な目でニコッと笑う。


そして、綴灯は手に持っていた紙袋を亜莉寿に渡した。


「はい、これ。…この前家にお邪魔した時のお詫びできてないなって思って…。ショッピングモールで見つけたお菓子なんだ!貰ってってよ。…そして…また、誘って。」


そう言って笑う綴灯から亜莉寿は紙袋を預かり涙を拭い、笑顔で言った。


「はい!!もちろん!!!」


本当にかわいい後輩だなと綴灯はそう思った。


⬜︎


 「ごめん、急に呼び出して…。」


「いや、全然大丈夫です。…寧ろ…少し嬉しいです……。」


屋上にて。


綴灯は亜莉寿にお菓子を渡したその後、教室にいた凪に声をかけ2人で屋上に来ていた。


2人はフェンスにもたれかかり綴灯は空を見上げる。


凪はそんな綴灯を見ていた。


「…あの…本当に、すみません…」


「……凪が謝る必要はないよ。」


…ずっとあの日のことを謝りたかった。


急な幼馴染からの告白。


びっくりしたし嫌な気分になっても仕方がない。


それを謝りたかったのだ。


しかし…


「逆にこっちが謝らせて欲しい…本当にごめん…。」


「そんな…」


凪は綴灯からの謝罪を聞きたくなかった。


…もう、悲しませるのも、悩ませるのも、嫌な思いをさせるのも嫌だった。


いつまでも自分を責めてしまう綴灯の性格…。


凪にはどうすることもできなかった…そう思っていたその時……


「それと、ありがとう…!!!」


「っ…!!」


凪はびっくりして綴灯を見た。


凪から見ると眩しいくらい笑っている。


それがなんだか嬉しくなった。


「オレ、あの日から考えたんだ。好きってなんだろう。オレの好きとは何だろうって…。オレは、写真が好きだ、かわいいものも好きだ。だけれど、それは凪が言ってくれた好きとはまた別のもので。考えて、考えて…。だけど…」


綴灯は凪を見て少し苦しそうに笑った。


「…オレには、少し難しい問題だったみたい。」


凪は目に涙を浮かべてしまう。


「ありがとう、ございます。…大好きなんです。小さい頃から…。…ただ、それだけです……。」


凪は下を向き目から涙が溢れた…。


そんな凪の背中に綴灯は優しく腕を回した。


「本当に、ありがとう…。…凪も、大きくなったな…。」


綴灯は凪の背中をさする。


凪は余計に涙が止まらなくなってしまった…。


「…綴灯さんの方が…よっぽど年上ですよ……。」


そう言って2人、笑った。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


こちらESN大賞11応募作品です。


次回更新9月26日土曜日予定

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