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かにえRの犬も喰わない話  作者: かにえR


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7日目


7日目


ドラッグストアに行った。


レジに向かうと、店員の胸に「研修中」の文字。


ポイントアプリを用意し、微笑みを浮かべ、優しい客を装う。


手際良くレジ打ちをする店員。

それを、優しい笑みで見つめるかにえR。


すると、店員に「あの……」と声をかけられた。


店員の手には、ヘアオイル。


「これ、テスターだけど、いいんですか?」


頭の中で、店員の言葉を繰り返す。


これ、テスターだけど、いいんですか?

これ、テスターだけど、いいんですか?


いや、良くはない。

いや、逆に、お店的にいいのだろうか。


初めての接客業。

何と伝えたらいいのかわからず、そう言ってしまったのだろう。


わかるわかる。


「あ、間違えちゃった! 今、交換してきますね!」


自分の頭をこづいて、舌をペロっと出す手前の声でそう言い、かにえRは売り場に走った。


ドラッグストアからの帰り道、ふと思い出す。


あれは、初めてのアルバイト。

深夜のファストフード店。

数ヶ月経って、少し慣れた頃だったか。


「エロコーラ、ゼロサイズですね」


店内に響く、かにえRの声。


怪訝な顔の客。


決してわざとではない。

言い間違えは、よくする。


でも、エロコーラはない。

自分でもそう思う。

そう思った。


客の方は、きっと家に帰る頃には忘れているだろう。


でも、私は今でも思い出す。

なんなら、ゼロコーラを見るたびに思い出す。


エコバッグから、テスターと交換したヘアオイルを取り出す。


別に、テスターでも良かった。

いや、良くないんだけど。


エコバッグの奥底で、ゼロコーラがゴロゴロと転がった。

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