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かにえRの犬も喰わない話  作者: かにえR


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6日目


6日目


高校の友人に会った。


友人は、高校時代から大変に優秀であった。


テスト当日、「勉強した?」と聞くと、しなしなになった政経の教科書を出して、


「お風呂に浸かりながら読んだ」


と答え、そのまま学年トップを掻っ攫っていく。


同じ塾に通っていたが、いつ見ても、とんでもない姿勢で教科書を眺めているだけだった。

書いている姿を、ほとんど見たことがない。


ただ、運動が苦手だった。


バスケは、まるで手毬のようで。

バドミントンは、水戸黄門の印籠のように、前に突き出す。


大学時代には、駅の階段から転がり落ちて、小指を骨折していた。


そんな彼女も、社会人になり、車の運転が必要になった。

営業として、東京の街を車で駆け回るのだ。


しかし、彼女はペーパードライバーだった。


帰省した時、父に運転の練習をお願いしたらしい。


彼女は、両親に愛され育った。

お姫様のように、蝶よ花よと。


高校時代は、いつも愛の詰まったお弁当を食べていて、送り迎えも両親がしていた。


そして、父との練習の日。


コンビニの駐車場から家まで、運転することになった。

ほんの数分の距離である。


コンビニを出る。


彼女はそこで、ハンドルを切り間違え、逆走しかけた。


その瞬間、命の危機を感じた父に、生まれて初めて怒鳴られた。


生まれて初めてだ。


蝶よ花よと育てられた彼女が。


かにえRは、それを聞いて大声で笑った。


すると彼女は、笑いながら言った。


「その日から、今日まで一回も運転してないよ」


その手に持ったスマホの画面が、少し割れていた。

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