↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かにえRの犬も喰わない話  作者: かにえR


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/35

便所と文学賞


毎日、寝る前に便所を掃除するというタスクを日常に追加した。


かにえRは基本的に三日坊主だ。


しかし昨日、寝る前の便所掃除が四日目に突入した。


なぜ、寝る前に便所掃除しようと思ったか。


SNSで「成功する人間は寝る前に便所掃除をしている」という投稿を見たからだ。


べ、別に成功したいわけではない。


別に。


別に、こないだ応募した文学賞を受賞したいとか、そんなことは別に、別に思っていない。


別に。


ただ、実験がしたかった。


寝る前に便所掃除する人間が成功するのかどうか。


なぜそんなことを実験したいのか。


理由は父にある。


かにえRの父親も、同じことを言っていたからだ。


「金持ちは毎日便所掃除している」


しかし、こちらはもっと過激派だ。


父は毎朝、素手で便所掃除をしていた。


一年以上続けていたと思う。


「便器を舐められるくらい、俺の家の便所は綺麗だ」


朝飯を食べるかにえRの横で、父は便所掃除用の青いバケツを掲げ、笑った。


父が便所を素手で磨き始め一年が経った頃、父の事業は失敗し、多額の借金を抱えることとなった。


しかし不思議なもので、毎日素手で便所掃除をし、事業に失敗して多額の借金まで抱えたのに、父が便所に当たることはなかった。


成功し、金持ちになることを夢見て便所掃除をしていたのに、それが叶わないどころか大失敗したにもかかわらず、


「便所、てめぇこの野郎!」


とはならない。


きっと成功していたら、こう言うはずだ。


「毎日素手で便所掃除をしたからだ! 便所の神様、ありがとう!」と。


それなのに、なぜか失敗した時は、


「便所、毎日掃除したのにお前は! お前なんていらねぇ! ゴミ捨て場まで歩いていけ!」


と、便所のせいにはしない。


不思議だ。


それどころか、


「便所掃除が足りなかったんだ。もっとピカピカに磨くべきだった」


となったりする。


実際、父はそう言った。


そう言って、便所掃除をやめた。


不思議だ。


毎日便所掃除をするかにえRが文学賞を受賞したら(今のところ三つ)、便所のおかげにするのか。


受賞できなかったら、便所掃除が足りなかったと嘆くのか。


それが知りたい。


それが知りたかった。


結果が楽しみですね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。