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ダンジョン始動!! の前日(汗)

 さて、大体のことは終わった。後は侵入者が来ないよう祈って眠るだけかな。

 そんなことを思ったら、ふとある事に気が付いた。僕の寝る場所はあるけど義姉さんや義妹、それにフローラの寝るところがないじゃないか。

 困ったときのフロえもん。彼女に聞いてみるのが一番早い。


「ねえフローラさん。僕以外の皆の寝るところはどうなっていますか?」


「寝床、ですか?」


 口に指を当てて考える姿が意外に可愛い。男装の麗人だからカッコいいとかそういう言葉が似合う人なのだけど。ま、だからこそ、素で女性らしさが出ている仕草が可愛らしく見えるのだろうね。思案はすぐに終わってフローラはこちらに向かって頭を下げてきた。


「迂闊でした。申し訳ありません。基本マイマスターが召喚されました配下につきましてはダンジョンで暮らしてもらう形となっておりますので……。私にはマイマスターのお世話を致します義務が御座いますのでこちらに部屋を設けてもらっておりますが、他の方々の分は全く考慮されておりません」


「つまりは私と灯の寝るところがないということね」


 僕とフローラの会話を聞いていた義姉さんが声を掛けてきた。全くその通りで二人にはどこで寝てもらえばいいのか……。


「じゃあ、仕方ないわね。灯、今日は洸ちゃんの部屋で3人で寝ましょ」


「え? いいの!? わーいやったぁ!!」


 義姉さんの言うことに喜ぶ義妹。いや、ちょっと待ってね。その案には承服しかねるよ。同じ事を思ったのかフローラも止めに入ってくれた。


「いえ、それですとマイマスターの疲れを癒す事が出来ません。マイマスターの部屋に泊まるというのは認可できません」


「ふ~~~~ん。それだけなのかしら……」


 義姉さんがフローラを横目で意味ありげに見つめながら呟く。一体他に何の理由があると言うのか、いやない。そう思ってちらりと見たフローラは顔を真っ赤にしていた。あれぇ? 目を丸くしているとフローラが反論しだした。


「あ、当り前です。できれば(わたくし)もマイマスターと同じ部屋が良い、出来ればそのままご奉仕させてもらいたい、さらにはあわよくばご寵愛を頂けたらとか思ってません!!」


 ……フローラ、そんな事を思っていたのか。てことはあの過剰なスキンシップも暗に信号を発していたと……そういう事なのだろうか。いやいや、でもでもこんだけ美人のフローラが僕になんて、そんなあり得ない。あり得ないったらあり得ないんだ。

 自分自身に洗脳をかけている間も義姉さん義妹ペアvsフローラの構図で言い合いは続いていた。一部抜粋。


「へぇ、なら貴女の代わりに私と灯で洸ちゃんにご奉仕しておくわね」


「なっ!? そそそ、そんなこと許せるはずがありません。ご奉仕は私の義務です!」


「義務だなんて、そんなこと言う人にお兄ちゃんの世話をされたくないよう。やっぱりここはこのあたしが一肌脱いじゃおうかな」


「灯の言う通りね、フローラ。洸ちゃんの世話を義務と言った時点でその資格はないわ。それと灯、貴女にさせたら逆に洸ちゃんの世話になるだけよ。大人しく引っ込んでなさい」


「ムッか!! お姉ちゃんは甘やかすだけだから駄目だもん。だから、成長を促そうとするあたしの方が適任だよ。いーーーーっだ」


「そのような醜い言い争いをしている時点で貴女達は失格です。マイマスターに迷惑をかけているではありませんか。それに義務というのは言葉のあやです。(わたくし)は仕えたいと心の底から思っています」


 ふーふーと大声で怒鳴りあう三人。女三人寄れば姦しいとは良く言ったものだ。

 この後も三人はわいわい言い合っていたけど、こっちの自身への洗脳が済んだのとほぼ同時に向こうも終わったようだ。服装とか髪型とかに乱れはないのに何故か物凄くくたびれた感じがする。


「マイマスター、時間をお取りしてしまい申し訳ありません」


「いえ、こっちも考え事をしていたので大丈夫ですよ」


 フローラが謝ってきたので問題ないと返しておく。実際に考え事(洗脳)していたわけだし、嘘はついてない。

 僕の言葉にフローラだけではなくて義姉さん達もほっと胸を撫で下ろしていた。そんなに気にするなら喧嘩しなければいいのに。


「で、どうなったのですか?」


「順番に洸ちゃんと寝ることで合意したわ」


 問いかけにひどく不機嫌な声で義姉さんが答えてくれた。ほうほう、こちらに順番で寝に来ると。確かにベッド二人ずつなら使えなくもないもんね………………って、はぁ!? いっしょに寝るの!?


「いやいやいや、何でそんなことに────」


「ささ、早く寝室へ参りましょう。今日は(わたくし)がご奉仕いたしますので全てお任せください」


 あ、え。いつの間にかフローラに腕を組まれ、そのまま吃驚するくらいの力で引っ張られた。何だかフローラの声が弾んでいる。足取りも軽く嬉しそうなのがこっちにも伝わってくる。

 うう、やっぱり思い違いじゃないのかな。でも友達がよく言っていた。「上げて落とす」が流行っていると。これもここまで僕を持ち上げて落とす作戦なんじゃ…………。

 邪推しているうちに自分の部屋までやって来ていた。心臓がばっくんばっくん言ってる。疑いつつも期待している自分がいる。


「マイマスター、失礼いたします」


 フローラが断りを入れてきた。何をするのか疑問に思っていたらあっという間に服を脱がされ始めた。

 駄目だ。何も考えられない。されるがまま、言われるがままに手をあげ足をあげる。そうして次々に脱がされ残すは下着一枚。さすがに恥ずかしさを感じ、ベッドへと潜り込む。情けないことこの上ないが構っていられるか。


「では(わたくし)も失礼します」


 その声にフローラの方を向くと、彼女はゆっくりと、だけど恥ずかしがりながら脱いでいく。執事服を手間取ることなく全て脱ぎ去り、下着姿のまま服を丁寧に畳んでいく。そしてそれが終わるとこっちに近寄ってきた。

 こ、これは! とうとう僕も大人の世界へと踏み出すことになるのか!? 自然と鼻息が荒くなる。ここまで来て何もないとか耐えられないぞ僕は。


「マイマスター、ご奉仕いたします前にどうかこの卑しい下僕の願いを聞き届けていただけませんでしょうか」


「ね、願い? ぼぼ、僕に出来るかな」


「簡単なことで御座います。どうか私に対しましては上に置くような仰り方をご遠慮くださいませんか?」


 意外な申し出に目をぱちぱち。しかし、歳上である(っぽい)フローラに対して心の中ならまだしも、話すときは抵抗がある。昔からその辺りは父さんから徹底的に躾られているからだ。

 したし、しかしだ。フローラからの唯一つのお願い。ここで聞いてあげるのが筋というもの。


「わかり……判ったよフローラ。これでいいかな?」


「はい。ありがとう御座います。より一層の忠誠を以てお仕えいたします。その証として今宵より私の身も心も貴方様へと差し上げます。どうかお受け取りください」


 その場で下着を脱ぎ捨て生まれたままの姿で一礼し近寄ってくる。その顔は赤く染まっている。恥ずかしいのを我慢して総てを晒しているのだ。

 こちらも男として恥ずかしがっている場合じゃない。泰然とした態度でないと申し訳ない。ベッドに腰かけて彼女が寄ってくるのを待つ。


「マイマスター、永遠の忠誠と愛を……」


 そこまで言うと、唇を重ねてきた。情熱的なキスだ。脳がとろけてくる。

 頭がぽわんとした辺りで唇が離される。向こうの目が潤んでいる。僕と同じくキスで脳がとろけているのだ。


「マイマスター、どうぞ」


 我慢はそこまでだった。このあと僕はフローラを貪り尽くした。フローラも僕を求め、互いに(とど)まることなく体を重ね合う。それは結局、翌朝義姉さんが起こしに来るまで続くのであった。


「洸ちゃん、もう少し節度を持ってね。あ、でも私の時はもっと激しくでもいいわよ」


「お兄ちゃん、あたしもあたしも」


 姉妹の言うことは本当に理解に困るね。とにかく今日からダンジョンスタートだ!!

おまけ設定


名前 :藤村宵ふじむらよる

種族名:天魔族てんまぞく

枝族名:鷹翼族おうよくぞく

LV :1

頑丈度:150

腕力 :120

魔力 :100

敏捷力:200

器用 :180

体力 :130

スキル:荒山流古武術(弓術LV12 柔術LV5 刀剣術LV6 薙刀術LV8) ホークスアイLV1 風魔法LV1


ホークスアイ:鷹の目。遠くまで対象を見透せる。LVが上がるにつれて見透せる距離が延びていく。


風魔法:風に関する魔法を操れる。LVが上がるにつれて操れる魔法の種類、有効射程、威力が増えていく。


オーバースペックさん一号であり、主人公の義理の姉。溺愛する弟である主人公を追いかけて異世界へとやって来た。元々日本にいたときから能力地は高かったが、異世界で転生する時に有力種の一つを選ぶことでオーバースペックさんに。フローラとは現在ライバル関係にある。

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