配置に問題?
2日間(土、日)日刊ランキングに乗っていたようです。それもこれも皆様方のおかげでございます。ストックが切れまして、これからは毎日更新とはいきませんが、これからもどうぞよろしくお願いします。
「マイマスター、これは配下の魔物も厳選しなければ到底防衛できないと思います」
「やっぱり?」
「はい、流石に残りが1600しかありませんので。現在のランクの中での上等な配下で考えますと良くて3体までしか召喚できません。罠との連携を考えますと最低でも5体は欲しいところなのですが……」
罠との連携に必要な数。それは僕も思った。勿論罠単体だけでも効果はあるだろう。けれど、そこに魔物の襲撃を混ぜることでより効率よく撃退できるはずだ。
「ふえ? 罠って嵌めて終わりじゃないの? ほら風来の○レンとかのローグ系もそうだし、ウィザー○○ィ系もそうだったよ」
義妹が首を傾げて聞いてくる。確かに義妹としたゲームではそうだったかな。でも。
「灯、貴女だって闇討ちしたときに罠に嵌めてから行っていたでしょう? あれと同じことよ」
「あー、そっかそっか。判ったよお姉ちゃん」
闇討ち!? そんなことまでしていたのか。しかも、全然悪びれている様子もなく朗らかに笑ってる。父さん、義母さん、義妹はとんでもない子に育っていますよ……。
気を取り直して、義姉さんが説明してくれているので、僕はフローラと配下を選んでおくことにした。
「とにかくフローラさん、この際、贅沢は言いませんから助言をくれませんか?」
僕が頼むとフローラは難しげな顔をしながらも頷いてくれた。本当に申し訳ない。
「承りました。本当は安全のためにも現状で最上のを、と思っておりましたが、設置なされました罠に合わせまして選抜致しましょう」
「ありがとう!」
僕が目を輝かせてお礼を言うと、「いえ、それが務めですので」と言いつつそっぽを向いた。でも耳が真っ赤になっているのが丸見えなので照れているだけというのが判る。やっぱりフローラって可愛い人だなあ。
そんなことを思っていると両手がそれぞれ別の何か柔らかいものに包まれる。何だと思って見てみると、義姉さんと義妹だった。二人ともちょっと不満げに唇が尖っている。一体どうしたんだろう?
「フローラとばっかり話してズルい! あたしだってゲームとか良くやっているからアドバイスできるもん!!」
「洸ちゃん、そんなゴミ虫だけ頼りにしていたらお姉ちゃん悲しいかな」
と思っていたら不満の原因はフローラとだけ喋っていたことみたいだ。頼りにするもなにもそっちはそっちで何か話していたから気を使っただけなんだけどな。
「勿論、姉さんも灯も頼りにしているよ。罠とか基本は作っちゃったけどどんどん意見が欲しいし」
二人にニッコリしながら言うと、感極まったように目を細めて腕に頬擦りされた。義理とはいえ家族なんだけどなあ。
とにかく残り少ないDPをどう活用していくか、だ。三人寄れば文殊の知恵と言うくらいなんだ。四人揃っていればきっと良い案が浮かぶだろう。
この後、四人であーでもないこーでもないと議論しながら配下召喚を進めていった。その間も義姉さん、義妹、フローラの三人がそれぞれ互いに対抗意識を燃やしていた。そして今現在も。本当に皆何で僕の世話をしたがるんだか。
「はい、洸ちゃん。あーん」
「お兄ちゃんお兄ちゃん。肩凝ってない? 天に昇るマッサージをしてあげるね」
「マイマスター、お飲み物は如何ですか?」
何だろうね、ほんと。きちんと配下召喚は終わったのだから休憩すれば良いのに。一人が何かするとそれに反発して残りの二人が行動する。そして、またそれに触発されてまた誰かが動き出す。
美人三人侍らして羨ましいって? そりゃ嬉しいけど息が詰まる。だからといって文句を言うなんて恩知らずなこと出来ないし。
そうやって悶々していたから、次の義姉さんの言うことに全く反応出来なかった。
「あ、そうだわ。洸ちゃん、私とあの糞虫勇者とでここの区画を守るからね」
義姉さんは画面に映し出されているフロアの一区画を指差して言った。そこには確かに勇者を置こうと思っていたけど、は? え? 義姉さんも守るの?
「あ、お兄ちゃん。あたしもあたしも。う~~ん、お姉ちゃんがここだから……よし! あたしはここを守るね」
義姉さんに続いて義妹もフロアの一区画を指差す。義姉さんだけでも吃驚なのに、さらに義妹まで守るとか言い出した!?
「ちょ、ちょっと待って二人とも。守るって命懸けの戦いをするってことだよ? 確かに人手は足りてないし、二人ともめっぽう強いのは知ってるけど無茶だよ」
二人とも小学校を転校する前にとある事件があったせいで武術を習っている。父さんがかなり焦ってたみたいでバリバリの実戦派の道場に通わされたのだ。才能もあったようで二人ともみるみるうちに力量が上がり、道場でも負け知らず。女性の力なのにまるで魔法を使っているみたいにどんな体格の相手でも負けなかったのだ。中でも義姉さんは弓術、義妹は杖術に優れていた。あ、ちなみに僕も通っていました。二人ほど強くはなく、せいぜい中堅どころで得意なのはカウンター技。
二人は僕が何を言っても首を横に振るばかりで、頷いてくれない。一体どうすれば良いんだ……。
「あの、マイマスター」
おおフローラさん!! ここで発言するということはこの二人を留める秘策があるんですね!?
期待する目を向けると、しかし、そこには心底申し訳なさそうにしているフローラの姿が。え? 秘策なし?
「マイマスター、私も宵と灯が防衛に出ることに賛成でございます。配置しております配下も少なく、現状猫の手も借りたい状態です。ここで遊ばせておくのは勿体のう御座います」
うぬぬ。確かにフローラの言う通りなんだけど……こんな異世界にまで追いかけてきてくれた家族を危険な目に遭わせるのは……。
「また、かの勇者はこちらの指示に従うとは申しておりますが鵜呑みにする訳にもいきません。誰かが監視する役目を負わなくてはならないのです」
フローラの言うことは正論だ。あの勇者を使うにしても絶対に監視がいる。画面から確認はできるけど裏切らせないよう側に誰かいた方がいい。それも理解できるのだけど、うぬぬぬぬ。
「さらには、マイマスターがお造りになりましたダンジョンは、細工の内容と比べましても制限レベルは高くありません。古強者が来ることは有り得ませんし、マイマスターが設置なさいました罠も御座いますどうかお考えを改めて頂けないでしょうか?」
フローラが言い切るのと同時に頭を下げてくる。ちらりと義姉さんや義妹を見やると不安げに見詰めてきていた。
…
……
…………
はあ、ここはこっちが折れるしかないのか。戦闘は何があるか分からないから怖いけど仕方ないか。
「分かったよ。姉さんと灯が防衛に就くことを認めるよ」
僕の言葉に顔を綻ばせる二人。フローラもちょっとほっとしてる。まあ防衛の懸念が少しは減ったのだから当たり前か。
あ、そうだ。義姉さん達に釘だけは刺しておこう。抜け目のない二人のことたがら、大丈夫とは思うけど念のためだ。
「姉さんも灯も絶対無理だけはしないでね。生きてさえすれば挽回は出来るんだから」
「うふふ、判っているわよ。洸ちゃんを悲しませることはしないわ」
「うんうん、お姉ちゃんの言う通りだよ。お兄ちゃんはここで吉報を待っててね」
二人は頷いてくれた。本当に大丈夫かな。たまに二人とも暴走するからなあ。
他の罠や配下が撃退してくれることを祈っておこう。
おまけ設定
名前:藤村洸
種族名:ダンジョンマスター
枝族名:ダンジョンマスター
LV :1
頑丈度:80
腕力 :90
魔力 :110
敏捷力:80
器用 :80
体力 :90
スキル:ダンジョンメイカー ダンジョン魔法LV1 荒山流古武術(柔術LV8 剣術LV3 槍術LV3)
種族は人間ではなくダンジョンマスター。くじが終わった後に一度再構成されているため種族が違っている。荒山流古武術は人間であった時に通っていた実戦派の道場で習ったもの。




