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捕虜の扱い決まりました

 あの二人のと~~~~っても怖い戦いは結局決着が付かず、互いに好敵手と認めたようだ。なにやら握手もしてる。


「うふふふふふ。こんなに手間が掛かる害虫は初めてだわ」


 おいおい、害虫って言ってるよ、義姉さん。


「あははははは。こんなに処理が面倒な害獣は初めてです」


 って、えええええええ!? こっちも害獣とか言ってる。握手してるのになんでこんなに底冷えするような冷気を感じるんだ。


「ふん!」


 二人は同じタイミングで相手の手を振り払うと、そのまま互いに相手を無視してこっちに寄ってきた。

 あ、ちなみに無力な僕は大人しくパネル前の椅子に座って色々調べていました。


 まずフロア。本当に色々あるみたいで火炎属性や流水属性、果てには雷電属性なんてのもあった。もっとも属性付きはDPがかなり要る上に高ランクも必要ということみたいだし、今の僕には使えない。僕が選べそうなのは無属性(属性が()ではなく()い)で、かつ大広間と通路がごちゃ混ぜの簡素なフロアだけだった。まあ、更にDPを払って細かい設定を付け加えていけばなんとかなると思う。


 次に魔物。こっちは実際の実力が未知数だから使ってみないことには判らない。一応初期ステータスは見られるんだけど、じゃあそれがどれ程なのかが想像できないのだ。念のため自分のも確認したのだけど(自分のは「その他」の項目で見られた)比べてみてもさっぱり。ただまぁ、僕はゴブリンには勝っていたとだけ言っとこう!

……

………

虚しい。一番DPとの交換率の良い(一匹100ポイント)ゴブリンに勝てても全く嬉しくないや。取り敢えず魔物についてはフローラと要相談かな。


 最後に義姉さんと義妹のこと。この二人のステータスが確認できた。僕と同じで「その他」の項目で確認できた。で、それを見てまずビックリしたのが能力じゃなくて種族。あの二人、何故か人間じゃなくて義姉さんが天魔族、義妹が妖魔族というものになっていた。

 天魔族も妖魔族も魔族と呼ばれる体系の中の一種。動物で言うと魔族が哺乳類、天魔族がホモサピエンスといった具合。魔族には他に獣魔族と睡魔族といったものがあるみたい。


 天魔族というのは要は空を飛べる種族である。空を飛べる故に機動力に優れているけど、耐久力の面で他の魔族より劣っている。腕力や魔力はそこそこ。基本翼は悪魔みたいに蝙蝠の翼じゃなくて、鳥の翼らしい。色はそれこそ色々あるみたいだけど義姉さんは純白とのこと。


「翼? 勿論あるわよ。何だか恥ずかしいから隠しちゃってるの。でも洸ちゃんが見たいと言うなら見せてあ、げ、る」


 ウインク付きでしなだれてこられても困ります。見せてもらった後何を要求されるか判らないから絶対頼まない。


 妖魔族というのは魔族の中でも一番枝族が多い種族で、本当に多種多様。というよりは他の睡魔族、獣魔族、天魔族等に分類されない魔族が全部押し込められた感がある。けど逆に言えば、万能とも言える。得意不得意というものは妖魔族という種族で見ると無いのである。枝族毎にはあるけれど。

 で、義妹の枝族名は妖精族。所謂エルフとかああいうの。義妹は耳は尖っていないらしいけど。特徴は魔法に優れているところ。それと身体能力も人間より上らしい。


「耳は尖らせることもできるけど、せっかくだし驚かそうかなと思って。てへへ」


 可愛らしくはにかまれたら、くらっと来てしまいます。止めてください。


 とまぁ、二人については以上なんだけど、ついでにフローラについても確認しておいた。で、フローラは睡魔族とのこと。睡魔族というのは夢魔のようなもので直接の戦闘力は低めだけど搦め手が上手らしい。あとはよく聞くサキュパスやインキュパスとかそういうのもここに分類される。

 搦め手が上手というだけあって、義妹を眠らせた手際も納得できるものである。




 さて、二人がこっちに来たことだし一つ相談してみよう。


「ねぇフローラさん。魔物の能力値とか見たんですけど今一つピンと来なかったんですよ。何か目安とかありません?」


「目安ですか?」


 顎に手を当てて考え込むフローラ。微妙に眉間に皺も寄っているし、中々に難しい注文だったのかな。暫くして、あまり自信がなさげな感じの声で答えてくれた。


「その、何を基準に考え込まれたのか(わたくし)では判断が付きかねましたので、一例となることをお許しください」


 そう頭を下げてからパネルを操作する。その際いつものように密着してくるから、ちらりと見た義姉さんの顔が阿修羅になってるよ。

 気付いているのか気付いていないのか。ゆっくりとした動作でパネルを操作していたフローラ。背筋が凍る時間は一時間も続いたように感じられた。実際は一分もなかったとは思うけど、漸くフローラはその身を起こした。

 画面にはゴブリンのステータスが表示されている。


 名前

 種族名:鬼魔族

 枝族名:小鬼(ゴブリン)

 LV :1

 頑丈度:50

 腕力 :50

 魔力 :20

 敏捷力:70

 器用 :30

 体力 :40

 スキル:暴食 子沢山 早熟


 うん、さっき見たのと同じ数値だ。一応其々の能力内容は分かる。まあ、RPGと同じと思えば大丈夫。

 頑丈度というのが珍しいのだけど、これは文字通り肉体の頑丈さを示しているらしい。


「マイマスター、これら能力値に関しましての説明は必要で御座いますか?」


「ううん、その辺りは大丈夫。ただ数値が今一つ把握しづらくて」


「了解致しました。ではこのゴブリンを例にご説明させていただいます。

 まず、各能力値ですが一般的な男性平均を100とお考えください。つまり、ゴブリンは能力値としては子供並みといったところとなります」


「ということは、ゴブリンてかなり弱い?」


「はい、元々数を頼りに攻める種族ですので……知能も高くはなく、簡単な命令でしたら実行出来ますが複雑なものとなりますとまず無理かと思われます」


 ふーむ、流石最低DP。一匹や二匹程度だとどうにもならないか。

 かといって、他のやつにすると消費DPが格段に上がって一匹1000ポイントとかになるんだよね。難しい。


「マイマスター、もしゴブリンの召喚をお考えでしたら一先ず二匹ほど召喚し、捕らえた者共をお使いになって繁殖させるというのは如何でしょうか?」


「ええ!? そんなことしてもいいの?」


「はい、ゴブリンには子沢山と早熟のスキルが付いております。ですので、捕虜を生かさず殺さずの形で抑え込み、苗床とするマスターは多くございます」


 恐っ! 現代日本じゃ考えられないようなことだ。ジュネーブ条約もへったくれもないね。うーん、確かにあの魔法使いさんとかは売ろうかとも思っていたからそういう形での利用は有りなんだろうけど……。

 ちらりと義姉さんを見る。嫌そうな顔をしているに違いないと思っていたんだけど、あれ? 予想外にニコニコしている。


「姉さん、何故に笑顔? てっきり反対すると思っていたんだけど」


「あら、笑ってた? まあ、洸ちゃんを狙うお馬鹿さんには丁度いい罰じゃないかしら?」


「はい、(わたくし)もそう思い提案した次第です」


 義姉さんの台詞に同意する形でフローラが発言する。それを受けて義姉さんがちょっと目を見張る。まるで「見直したわ」と言いたげに。

 それに対してフローラの方も「貴女分かっていますね」と言いたげに微笑みを浮かべる。

 そうして、二人は何か分かり合ったかのように握手した。

 …

 ……

 ………

 ここで反対できるような器ではない僕は諦めて画面を迷宮製作にして部屋を準備した。取り敢えず捕虜のあの三人に合掌しておこう。

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