第068話 A……B……C……D……E……F…………G!?
「そうそう。さて、これからどうしようかな……今回はヘイゼルを連れてくることが目的で、他には特に目的もないし」
「ヘイゼルさんの服を買いに行くんじゃないの?」
「それもそうだな……」
まーた、下着コーナーに行くの?
外国人2人を連れて、下着コーナーかー。
ヘイゼルのサイズを知れるという役得はあるけど……
「まあ、行くか……フィリアも何か買う?」
「ヘイゼルさんが買うのを手伝いつつ、自分が良いなって思ったのを買うつもり。それと悪いんだけど、立て替えてくれないかな? お金がもうない」
そんなに大金は持ち歩かないか……
「ヘイゼルは?」
「フィリアに聞いたけど、金貨10枚が100枚になるんだっけ? 悪いけど、私も立て替えてくれる? そもそもお金を持ってきてない。さっきの仕事も報酬は保留だったし」
そういえば、報酬は後日だったからもらってないな。
まあ、こっちの金はあるし、出すか……
「わかった。じゃあ行こうか……お前は三角帽子さえ被らなきゃ、その格好でも大丈夫だなー」
黒のローブだが、黒だと、そんなに変ではない。
葬式でもあったのかなと思われる程度だ。
「いや! フィリア、悪いけど、服を貸して」
「えー……」
フィリアはヘイゼルの胸部を見ながら嫌がった。
まあ、気持ちはわかるな。
比べられる可能性が大だもん。
比べるのは俺だけど……
「母親の服を貸してやる」
「えー……さすがに恐れ多すぎるわよ」
めんどくせーな、こいつら。
「もうその格好でいいだろ。服を買って、その場で着替えればいい」
「じゃあ、そうするー……」
ヘイゼルは嫌々ながらも納得してくれた。
しかし、お前、好きでその格好してんだから異世界に来ても貫けよ……と思ったが、口には出さなかった。
男は女のファッションに口を出してはいけないのだ。
俺達は準備を整え、以前にフィリアと行ったショッピングモールに行くことにした。
電車で移動したのだが、ヘイゼルは最初のフィリア以上に周りの物に興味津々だった。
正直、電車に乗せるのにも苦労した。
フィリアは大人しくしていたが、ヘイゼルはふらーっと興味がある方へ歩いていくからだ。
途中からヘイゼルの手を取り、引っ張っていった。
恋人のようだが、実際は子供と手を繋ぐ親の心境である。
そんなこんながあり、ようやくショッピングモールに着いた俺達はまず最初に下着コーナーに向かった。
今日も午前中だから人が少ないと良いなという淡い希望を持っていたが、残念ながら他の客もそこそこいた。
というのも、今日は土曜日なのである。
当然、他の客も多い。
なるべくフィリアとヘイゼルのそばにいるように心がけながら店員を探し、声をかける。
「すみませーん、この子、外国人で初めてなんですけど、ちょっと見繕ってもらえませんかね?」
「いらっしゃいませー。もちろん、大丈夫ですよ。えーっと、日本語は大丈夫ですか?」
前もだったが、男が下着コーナーにいても店員さんは嫌な顔をしないな。
下手すると、追い出されるんじゃないかという恐怖も心の中のどっかにはあったのに。
「いや、ちょっと無理でしてね? 僕が通訳します」
僕なんて久しぶりに使った。
緊張感がすごい。
「かしこまりました。初めてですとサイズを測る必要がありますけど……」
ですよね。
仕方がないので前回のフィリアの時と同じく、ヘイゼルに耳打ちをすることにした。
「……サイズを測りたいからあの店員さんについていけ」
「わかってるわ。フィリアから聞いてるし」
おー!
さすがはできる女。
事前に軽く説明していたのか!
「……じゃあ、行ってこい」
「うん」
ヘイゼルについていくように言うと、店員さんがヘイゼルを連れて、試着室があるところに向かう。
「今回はお前がいてくれて良かったわー。前回はここで1人だったもん」
隣にいるフィリアに声をかける。
「まあ、ちょっとここにいるのは辛いだろうね」
「だろう? お前が事前に説明してくれたのも助かったわ」
「さすがにね。それよか私達も行こうよ。ヘイゼルさんがしゃべれないのに変わりはないし」
それもそうだった……
俺とフィリアはヘイゼル達のあとを追い、試着室の前で待機した。
そして、測り終えたヘイゼルと店員さんが出てくると、店員さんが見繕ってくれるのを通訳しながらついていった。
なお、ヘイゼルは選ぶのに非常に時間がかかった。
これが貴族かと思った……
ところでGって何!?
ヘイゼルの下着を買い終えた後は服を買いにいった。
ヘイゼルはやはり黒を基調とした服が好きらしく、そういうものを多く買っていた。
というか、どんだけ買うねんって感じだ。
フィリアはフィリアでヘイゼルに似合うねーとか言いながら自分の分を買っていた。
服を買い終わると、ヘイゼルは化粧品、洗髪剤等々を買い込み、最後にはスーパーのコーナーに行き、食料品と酒を買い込んだ。
なお、俺はヘイゼルにネックレスを買ってやった。
何故なら、買わないといけないと思ったから。
これも占わなくてもわかる。
ヘイゼルは俺が買ったネックレスを受け取ると、その場でつけてくれた。
まあ、そういう意味なのだろう。
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
本作は皆様の応援のおかげで書籍化することとなりました。
感謝ですし、数年前の作品ですが、リメイクして良かったです。
今後もよろしくお願いいたします。




